2000 WOS 1
(準備作業から発芽まで)

(25mmの高さに管理したコウライシバ:  自宅にて00.9.9)

 コウライシバは、夏、病虫害に強く、成長が緩慢で芝刈り労力が少ない、暖地ではまことに素晴らしい品種です。夏、寒地系西洋芝で行こうとすると、通常病害虫で音を上げてしまいます。
 しかし、コウライシバの最大の欠点は、冬枯れること、1年の半分くらい枯れていますから、これでは庭の花がかわいそうです。

 そこで、ベ−ス芝として夏はコウライシバ、秋に西洋芝の種を蒔き、秋から5月までは西洋芝を楽しみ、5月に再びコウライシバに切り替えることにして、常緑を確保することにしました。
 この技術(ベ−ス芝に秋、西洋芝を蒔くこと)は、ゴルフ場で日常的に行われており、ウインタ−オ−バ−シ−ディングと言います。それと対を成し、5月にベ−ス芝に切り替える技術はスプリングトランジションと呼ばれます。

 ウインタ−オ−バ−シ−ディングで問題になるのは、スプリングトランジションが巧くいかなかった場合、ベ−スのコウライシバが痛んでしまうことです。
 これが最もスム−ズにいく品種として、雪印種苗「アニュアルライグラスフェアウエイ」が雑誌で紹介されており、9月下旬同社の名古屋営業所(0568-85-0606)に電話して、必要量(私の場合3kg)取り寄せることにしました。
 ゴルフ場でなく一般の家庭に売ってくれるか心配でしたが、丁寧に対応してくれました。ただ、同品種は売り切れたと言うことで、替わりに「ペレニアルライグラスビビットグリ−ン」がお勧めと言うことで、これを注文しました。前者に比べスプリングトランジションでは、劣るものの、葉質では優れている品種です。金額は1kg810円で、送料等を含めて3500円程度と安く、解説書付のパンフレットも送っていただき、種も含め4−5日で手元に届きました。支払方法は着払いで行いました。
 中には、このような袋に種が入っていました。

 種は、数mmの長紡錘形です。

 (15mmの高さに刈り下げたコウライシバ:  00.9.10)

 種まきの20日ほど前に、25mmに管理してきたコウライシバを15mmに刈り下げ、種が地面に落ちるようにサッチ(枯れた芝)を金ざらいで掻き出しました。

 25mmの時は密に見えた芝も、刈り高を下げサッチを掻き出すと、かなり生育の悪い部分(日陰がちの所や造成時床砂が薄くなった部分)が目立ち、スプリングトランジションがうまくいくかちょっと心配になりました。
 でも、禿げたらまた張り直そうというつもりで、やるしかないです。

(8mmの高さに刈り下げたコウライシバ:  00.9.30)

 種まき前日、8mmに刈り高を下げました
 緑は失われ、ほとんど軸だけの状態です。
 本には、種と地面の接触を良くするため、10mm以下に刈り下げなさいとありましたが、私の持っている芝刈り機は10mm高に調整できないので、この8mm高にしました。
 凹凸が激しいところは、部分的に12mmの高さで刈りました。

(種まきとすり込み作業:  00.10.1)

 種は、縦・横・斜めの3方向から丁寧に蒔き(1平方メ−トルあたり40g)、蒔きむらを極力なくすようつとめました。
 蒔いた後、トンボで表面に浮いた種をよくすりこみ、地面に落としてやります。

(目土入れ後:  00.10.1)

 種のすり込みが終了したら、目土(砂)を3-4mmの厚さに、篩いを使って撒きます。
 ここで、凹凸を無くそうと、砂を厚撒きすると、後述するように厚い部分の発芽が悪くなるようです。
 後は、スプリンクラ−で潅水です。この日から10日間は、雨の降る日を除いて、出芽させるため、砂が乾かないように1日1回、昼過ぎに潅水しました。

(種蒔き7日後のビビットグリ−ン:  00.10.7)

 種蒔きから3日後から発芽し出して、7日後には鮮やかな緑の絨毯に成りました。 砂を厚く蒔いてしまった場所は、発芽がまばらです。
 日陰の部分は40mm高、日当たりの良いところは20mm高ほどで、日中気温が高すぎて生育が少しいじけています。
 本には、50mmまで伸ばしてから、40mmに刈り、徐々に刈り高を下げて25mm高に仕立てるようにと書いてあります。
 まだ、1本立ちで柔らかいので、できる限り踏まないようにしています。

(種蒔き7日後のビビットグリ−ン:  00.10.7)

 上から見た場合まばらに見えますが、人の目線で見ると完成した芝のように見えます。生育が非常に旺盛なのに驚いています。輝くような明るいグリ−ンで、ただ緑だけのコウライシバとは全く違います。

(種蒔き7日後:  00.10.7)

 レンガの左が発芽した「ペレニアライグラスビビットグリ−ン」、右がやや粗放栽培した姫コウライシバです。緑の違いは明らか!

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