ふるさと企画舎のトップページへ
 
お問い合わせ文字サイズを小さくする文字サイズを元に戻す文字サイズを大きくする
ふるさと企画舎について
私たちの地域について
イベント情報
銚子川舟渡し
銚子川環境保全活動
銚子川ブランドプロジェクト
関連リンク
アクセス

キャンプinn海山
NPO法人 ふるさと企画舎ブログ 海山にこいま
銚子川

くき漬けプロジェクト

くき漬け
 令和元年度産の予約受付を終了します。
 ありがとうございました。

 紀北町・尾鷲市の以下の店舗に納品しています。
 生節など魚もあわせて地方発送可能ですので、
 お問い合わせください。

  道の駅海山(0597-32-1661)
  おわせお魚いちばおとと(0597-23-2100)
  上野商店(0597-47-1177)
  夢古道おわせ(0597-22-1124)
  キホクニヤ(0597-46-1011)


くき漬けとは

収穫間近のヤツガシラの茎サトイモの一種であるヤツガシラの茎を塩と赤シソで漬けた漬物で、海山では夏の暑さを乗り切るのに不可欠な「ご飯の友」です。さっぱりした味とシャキシャキした食感♪目に鮮やかで元気が出そうなシソの赤い色♪これにカツオを茹でて燻した生節と新ショウガを合わせ、醤油をタラ〜リとまわしかけて熱々ご飯と一緒に食べます。サラサラお茶漬けや冷めても美味しいおにぎりなど、ご飯との相性がバツグンです。昔は各家庭で作られてきた「郷土の味」ですが、ヤツガシラの栽培も漬け込みも手間がかかり、生産者の高齢化と後継者不足から生産量が限られているので、他所ではなかなか手に入らない「レアなご当地もの」と言えるでしょう。決して「ごちそう」ではありませんが、結婚や就職を機に遠く離れて久しい人たちにも忘れがたい味で、夏になると故郷に「送って!」と電話やメールをしてしまう「ソウルフード」なのです。


くき漬けは銚子川の恵み

清流 銚子川くき漬けの主な材料となるヤツガシラはサトイモの一種ですが、このサトイモ類は栽培に大量の水と栄養分を必要とします。特に水については、一度でも切らしてしまうと、確実に成長や収穫量に悪影響を及ぼすと言われています。全国でも有数の降雨量を誇る東紀州は、栽培地として最適だと言えるでしょう。便ノ山で特にくき漬けが盛んに作られてきたのは銚子川のおかげではないでしょうか。大台ケ原を源とする銚子川のきれいな水と、農家の皆さんが施すたっぷりの栄養と愛情が、いいヤツガシラを育ててくれるのです。そして、さらに手間と愛情をかけて漬け込まれ、おいしいくき漬けができあがるのです。


発祥は便ノ山?

芽が出たところのヤツガシラくき漬けの記録として古いものに、江戸時代の古文書「尾鷲組大庄屋文書」があります。江戸幕府の役人たちを尾鷲組がもてなしたときの献立表が残っており、ここに「香の物」として「くき」と記録されています。「えらいさん」ではなく「下々」の足軽やそれより下の身分の皆さんが食べたようです。その時代も「家庭の味」であったのでしょうね。
くき漬けは海山・尾鷲を中心とした東紀州の一部で生産され、食されているようです。現在、紀伊長島区など他の地域でも食べられるようになっていますが、もともとくき漬けを食べる習慣のあった人たちが結婚や就職で転居し、広まったものと考えられます。海山区で生産が盛んな地域は便ノ山・小山浦・馬瀬などです。なかでも世界遺産熊野古道馬越峠の麓で、銚子川の水に恵まれた便ノ山が発祥地である、という話が便ノ山では伝わっています。


種まき権兵衛さんとくき漬け

種芋海山の便ノ山集落には「ごんべが種まきゃ〜♪カラスがほぜくる〜♪」の歌で有名な種まき権兵衛さんが暮らしていました。実は鉄砲の名人で、田畑を荒らすイノシシなどを仕留めて活躍するかたわら、苦手だった畑作業にも精を出していました。歌のとおり、種をまくとカラスに食べてられいたようですが、カラスを退治するのではなく、慈悲の心で限りある種をカラスと分け合うように、食べられた分をまき・・・を繰り返して村一番の収穫量を誇るほどになったとか。そんな種まき権兵衛さんの民話が残る便ノ山で作られていたくき漬け。権兵衛さんも食べた?作った?かもしれませんね。


ふるさと企画舎の取り組み

ごんべぇ畑の前で集合写真。開墾や植え付け作業をみんなでしました。この地域の夏には「なくてはならない」くき漬けですが、地域の高齢化が急速に進んでおり、くき漬けを作ることができる人が年々減っています。くき漬けの発祥の地・中心の地とされている便ノ山でも作っているのは数名のみで、その人たちも自分の家族が食べる分と、近所の人や親戚などから頼まれる分を作るのが精一杯という状態です。ヤツガシラの栽培も漬け込みも手間がかかり、残念ながら後継者も育っていません。私たちふるさと企画舎では、このままでは便ノ山のくき漬けがなくなってしまうのではないか?と危機感を覚え、この伝統食をこの地で後世に残したい!と考え、くき漬け作りに挑戦することを決心しました。畑作業の知識も経験もない我々のこの無謀な?挑戦に、地域の方々は暖かいご理解とご協力を寄せてくれました。畑作業やくき漬け作りの体験をさせてもらう中で、いろいろな事を教えてくれました。また皆さんのご協力で、銚子川のほとり、種まき権兵衛の里近くに畑を借りることができました。この畑は、権兵衛さんの菩提寺である宝泉寺の檀家さんたちが所有する土地です。私たちはこの土地をたくさんの人と開墾し、『ごんべぇ畑』と名づけました。権兵衛さんが自然や生き物と共存しながら畑作業に精を出したように、権兵衛さんの生き方・教えに学び、地域の方々に支えてもらいながら、くき漬けの伝承に取り組んでいきたいと思います。この『ごんべぇ畑』を中心にしたくき漬け作りについては、ふるさと企画舎ブログ「海山にこいま」の中の「くき漬け大作戦」で詳しく紹介していきます。


くき漬けの食べ方

1.皮をむき、細かくきざむ。
  スジを剥く 細かくきざむ

2.生節を薄く切る
  生節を薄く切る
3.ショウガをすり下ろすくき漬けの上に生節をのせて

4.くき漬けに、生節・ショウガをのせ、しょうゆ少々をたらす。

熱々のご飯と一緒に食べる!旨い!おかわり!
ご飯の上に全部のせて、混ぜて食べても良し
サラサラお茶漬けも根強い人気
※ショウガはチューブやひねショウガでもOKですが、この時期ちょうど出回る新ショウガをぜひ!

開墾イベントで食べた、くき漬けおにぎり その他オススメの食べ方
・そのままつまんでお茶請けや酒の肴に
・冷めても美味しいおにぎりに
・甘めの酢飯で、おにぎり・巻き寿司・チラシ寿司♪
太巻き、稲荷ずし、酢飯のおにぎり、細巻
白ご飯の上にくき漬け、生節、ショウガをのせて ご飯+くき漬け+生節の組み合わせは、炭水化物+ミネラル+たんぱく質をバランスよく摂取できます。イベントで大人気の「くき漬けピザ」も同じくバランスの良い一品です。
ショウガ・しょうゆをプラスすると、ミネラルはさらにアップします。
くき漬け、生節、あおさのりをのせたくき漬けピザ

くき漬けに期待される特徴的な健康効果と栄養素

ヤツガシラの茎・赤シソ・酢(梅酢)・塩で作られるくき漬け
いずれも美容と健康に不可欠な重要成分を大量に含んだ、優秀な素材です。
便秘解消や美肌・ダイエット効果はもちろん、アレルギー抑制や生活習慣病・がんの予防などにも期待されています。
これらの効果は生節やショウガなど合わせる食材にも含まれ、相乗効果をもたらすと考えられます。

刈り取った茎赤シソ


畑作業