環境による保育(養護と教育) 今を幸せに生きるために
主体性や、自分で決めて行動するという、生きるために必要な育ち。
不思議に思ったことを、自分の力で考えるという、学ぶために必要な育ち。
人と人が支え合って生きる基盤となる、他者を思いやる道徳性の育ち。
この三つの育ちは、机に座って指示された活動を行うことよりも自発的なあそびの方が優れて身につきます。つまり乳幼児期のあそびは、たくさんの能力を獲得する機会であり教育そのものです。
こどもはあそびによって、生涯にわたる生きる力の基礎を獲得します。そのため世界中で、乳幼児期にはあそびを通した教育を行っています。
あそびを中心的な活動とするために、環境を構成しなければなりません。
そこで「環境を通して行う教育」が大切となります。
しかし、発達の合わない環境や応答性・多様性・想像性の少ない環境にこどもが置かれると、こどもは自分が「できる」ことではなく、「できない」ことばかりに囲まれ、こどもたちは自分が「無力な存在」だと思ってしまい、指示がなければ動けなくなってしまう可能性があります。
ですから、自然の素材に囲まれ、周りの全てが応答性・多様性・想像性に優れた遊びの素材である「森の中」こそが、こどもの「能動性を引き出せる」のに極めて都合が良いと言えます。