懐かしい真空管式「直流電源装置」  
 

   左から、「直流電源装置」  、   真空管「12FK」 「12FK模式図」    整流管12Fを使った「平滑回路図」
 ずいぶん昔の実験装置であるが、がらくた箱の中から出てきたので懐かしく取り出してみた。
中央の写真にある真空管「12F」は昔、真空管式ラジオの時代に整流管としてよく使われていたものである。
昭和27年、初めて田舎の中学校に赴任したときに、帰宅後夜、ジャズを聴きたくて3球式のラジオを組み立てたことを想い出す。
ここでも、真空管は「12F」「6ZP1」「6C6」を使ったが、ジャズやニュースなど結構聞くことができた。
その後中学校技術科で3年生全生徒に教材として「高周波1段増幅4球式ラジオ」部品を渡し1枚の板上に組み立てことがある。
当時はTVも無く、ラジオの時代であった。
自分で組んだラジオが鳴るのを喜び、職員室に持ち込んでみんなの先生方に見せたりする生徒もいた。
いろいろな実験、観察にも、感動し、興味関心をもってくれる佳き時代であったことを想い出す。
左写真の装置も真空管の実験などにB電源(プレート電圧をかける)として使ったものである。
「12F」は簡単な構造で中も覗けるし、真空管の基礎を説明する最初の教材としては欠かせないものだった。
中にあるフィラメントから電子が放出されるが、これが直熱型の陰極(カソード)。 傍熱型のものもある。
周りには、金属板が見えるがこれが陽極(プレート)である。
カソードが加熱されるとそこから電子が放出されプレートに向かって飛んでいきプレート電流が流れる。
右回路図に示したようにプレートに交流の高圧をかけるとプレート電流は「脈流」となる。
つぎにコンデンサー(C1,C2)と抵抗(コイルL)を使った平滑回路で直流にする。
これだけの仕組みで130V位の直流を作るのが左写真の装置である。
そういえば、最近の中学校では回路図の記号も変わってきましたね。  
抵抗はギザギザの山が3個でなければならなかったが、長方形に変わったり、へん?
電気抵抗だったら抵抗らしい記号の方が考えやすいのではないだろうか?
はたらきを考えずに部品としてはめ込むと言うことなのかな?
科学的に物事を考えるより、ペーパーテスト本意のように思えるのは私だけでしょうか?