アオイガイ 」     アオイガイ科 Argonauta argo Linne
         

     
  
 
 随分以前に、船越海岸で採集したものだが、波打ち際で見つけたときは本当に驚いた。
 落とせば割れてしまいそうなぐらい薄い貝殻だが, 全面に拡がる皺がさざ波状で実に美しい姿である。
  よくぞ割れずに打ち寄せられたものである。
 殻を作るのは雌で第1腕から分泌されて形成される。
  この中で卵を生みつけて孵化するまで保護されるといわれている。
  雄は体も小さい。  浮遊生活をしてカメガイなどを食しているようだ。
  分布は世界中の暖海と言われている。
  名前は植物の「アオイ」の葉に似ているところから来ているようだ。 母体の和名は「カイダコ」
  英名は、 Paper nautilus
  当地ではタコブネなどと呼んでいるようだが、「タコブネ」は別の種類である。

     戯言
    自然の造形には感心するが、この「アオイガイ」の形質も見事である。
   環境条件によって形作られるものでもなく、いずれの個体も同一に形成されている。
    どのようにしてできるのだろうか?  
   原子の結合する作用だけならばこのように複雑な形は生まれないはずである。
   ならば形成される過程で何か感覚のようなものが作用していなければ、このようにまとまった形は
   作れないと思われる。
    全体の形を判断しながら造形していく感覚は何なのか?
    この薄い殻を均質に造形していく感覚は?
    中心部と周辺部の判断はどのようにしているのか?
    分泌物が固形化されるしくみも見事である。
   様々なことを想像しながら眺めていると実に
愉快である。