『 ビロードムラサキ 』
        
  「ビロードムラサキ」 Callicarpa formosana  
  ビロードムラサキは、クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木で、アジア東南部の熱帯、亜熱帯に分布し紀伊半島、四国南部、九州、中国インドシナなどに見られる。
 1930年に尾鷲市の川口美好次先生が海山町島勝神社で見つけ1953年にはこの「ビロードムラサキ」や「リュウビンタイ」を中心にした神社の樹叢が県の天然記念物に指定された。
 茎や若い枝には黄褐色の軟毛を密生し、葉柄や若い枝葉の星状毛も密生する。
 夏になると葉の付け根から薄紫色の小さな花が群がってつく。 果実は球形で径約2mm白色でがくに包まれている。 
 昔は神社の祭りの時などにこの「ビロードムラサキ」の葉の上にカマス寿司を載せたものをつくり神社にお供えし、参拝者にも配られていたという。