「
分子運動モデル
」
をつくる
モデル装置全体
・瓶内に詰めた発泡スチロール球、ガラス玉を底板 の上下振動によって跳ね上げる。
・右部は直流モーター回転速度コントロール装置
単2電池2個使用(粒の運動を調節)
上下振動する底板によって上蓋が押し上げられる。
上からの圧力で押し下げると運動領域が狭くなるが、圧力をのぞくと再び上蓋が押し上げられて領域が広がる。 また、上下動のスピードを変化させると運動領域(体積)が増減する。
小学校高学年では、温度変化によって気体や液体のかさ(体積)が増減することを学習するが、「どうして温度が上がればかさが増えるの?」と言う疑問をもつ児童もいるのではないだろうか。
その時に、温度が上昇すれば体積が増えることを事象として覚えるだけでなく、なぜ体積が変化するのか?と言う疑問を科学的思考へ発展させることは出来ないかと考えて試作してみた。
最近、理科離れとかよく言われるが、生活環境の変化が大きく影響しているのではないだろうか。
・ 昔は身の回りにさまざまな体験、観察の場があったが、現在は極めて乏しくなり、 すべてのものがあまり考えなくてもすむように出来ている。
(ボタン一つで何事も?)
・ ラジオを聞くときも自分で同調しなければ聞けなかったが、現在はボタン一つ
・ 鍛冶屋の仕事、大工仕事は、子供たちにも行程が分かり興味関心があった
・ ご飯を炊いたり炊事など手作業が多く、火が燃えることも考えねばならなかった。
・ 暮らしの中にも手作業、自分で考えねばならないことが多かった。
しかし、現在は身の回りで起こる事象についても当然のこととして考えなくてもよい。
疑問をもたなくても生きていける、不思議と感じることもない。 分からなくてもよい暮らしに慣れている。
そこで子供たちの心に揺さぶりをかけて疑問を吹き出させる手だても必要と考える。
中学校や高校で学習するからといって学習を終わるのでは発展性を軽視してしまうことにならないだろうか?
小学生でも十分理解される次の2点を付け加えれば、いろいろな現象の理解へ発展させていくことが出来る。 また、科学的思考(合理的、実証的、客観的)への一路と考えられないだろうか。
1 もの(物質)は、小さな粒で出来ている
2 温度が上昇するとその粒の運動が激しくなる
(ブラウン運動で検証実験も可能)
例 ・ 水溶液で溶質が溶けていくこと 拡散
・ 蒸発(粒の飛び出し)、気化、液化、昇華
・ 気体の圧力と体積の積が一定であること ボイルの法則
(気体を押し縮めると押し返される手応えがあること)
ボールやタイヤの空気圧
・ 温度が上昇すると体積が増える モデルで検証
・ 気体の拡散 溶けること ブラウン運動
気体分子について
・ 1cc中に約2.7x10
19
個
・ 直径1mmの砂粒を上記の個数日本本州全土に撒くと
厚さ0.5mの砂地ができる。
・ 1個の分子は1秒間に約1億回他の分子と衝突している。
(衝突と圧力を関連づける)