「 下 駄 」       
 
  昔、懐かしい下駄である。
 右側のねずこ下駄は現在愛用しているもの。
 ちょっとくつろいで庭や近くを散歩したりするときは心地よい。
  カラン コロン・・・・・と
 左の下駄は、高下駄(薄歯)であるが、昔旧制中学生の頃はよく厚歯の高下駄を履いて闊歩したものである。
  腰に汚れた手ぬぐいをぶら下げて、破れ掛けた帽子をかぶり高下駄で歩いたことが想い出される。
  中学生としてのプライドも持っていた。
 背が低かったので高くしたりすり減ってくると自分で歯を作り、すげ替えていた。
 普通の下駄や高下駄でも駆け足ぐらいはできたので、何処まで歩いても特に履き疲れるようなことはなかった。
 戦前、戦中時代、九州の田舎では、履き物と言えば鼻緒のついた下駄、草履、わらじが普通であった。
 中学校(旧制)では、行軍などでもわらじを使っていた。
 学校でも小学生からわら草履、わらじなどの作り方を習っていた。
 農家の人たちももちろん常用していたものである。
 
  下駄の形 
  下駄の形は誰ども知っていると思うが、鼻緒、歯の位置によっては着心地が全く変わってくるものである。
  特に上の写真で示した A,B,C,D,E,Fの位置が狂ってくると非常に歩きにくくなる。
 近くのある観光地で地元産の杉下駄を購入してきたことがあるが、形は下駄であるが非常に歩きにくく履けなかった想い出がある。

  緒のある履き物
  下駄(げた) 草履(ぞうり) 草鞋(わらじ)

  下駄に使われる木材
  主に杉、桐など   しかし、自分が愛用している下駄は「ねずこ」である。

  下駄の歯
  歯の数は1本から3本まであるが、主に2本歯  歯の材料は、欅、樫、朴などが使われる。
  旧制中学校時代には、よく朴歯の厚歯高下駄を履いていた。

  鼻緒を通す孔(目)
  前一つ、後ろ二つあるが、後ろの目は関東、関西で位置が異なる。  
  関東は後の歯の前に目があり、関西では後の歯の後に目がある。  「ねずこ下駄」は、関東式である。

  下駄に関わる言葉
  ・下駄を預ける。
  ・下駄を履かせる。
  ・下駄を履くまで分からない
  ・下駄履き住宅
  ・下駄箱 など

 
   
 左の写真は、ねずこ下駄に歯を付け足したものである。
 ねずこ下駄は近くでは手に入らないので歯がすり減ったらこのように加工して使っている。
 下駄の表面や鼻緒はしっかりしているので、十分使用に耐えている。
 新しい歯は、色が異なるので少し着色したりして使っている。
 
 歯を付け足すときは、すり減った歯の表面を削り平面化し、接着剤で取り付ける。    
 なお、写真に示したような太い竹釘をそれぞれの歯に2本ずつ打ち込んでいるから十分な強度を保つことができる。  
   履き心地も快適である。
  戯言
 老いてくると昔のことなどが懐かしく想い出されるが、現代社会で見直さなければならないものもあるように思う。
我々人類は、地球上の生命体としてもっとも大きなエネルギーや資源を消費して生きている。
従って他の生命体を犠牲にしていることも考えなければならないときが来ている。
 人の欲望を満たすために様々なことをやってきたが、もうこれ以上増大させてはならないと考える。
 ・ 資源やエネルギーの使いすぎを抑制する。  
 ・ 競争や争いよりも和や絆を大切にする。 
 ・ 身近な日常生活の中で見直さなければならないことも多い。
 ・ 本当の幸せは欲望の充足だけではなく、真の幸福を考えるべきである。  幸福指数?
 ・ 地球の寿命は後約五〇億年である。 
 人類の歴史も恐竜ぐらいは生存させたいものである。