「 ヒオウギ 」    アヤメ科 ヒオウギ属  
         Belamcanda chinensis

 
  
   葉の姿が『檜扇』に似ているところから名付けられている。
  檜扇は、ヒノキの薄板を20数枚扇形に纏めて作られているが、薄い葉がよく似た形である。
  四国、九州、沖縄などの日当たりの良い山地に自生していると言われているが、8月に近くの山路で見つけたものである。
  自然に自生している草花は、栽培種とは異なる感じで語りかけるようである。
   厳しい自然環境の中で自分の力で生きる姿はたくましく、美しい。
  花の直径は約4cm、朱色の花びらに濃いい赤色の斑点がある。
  黒い種は、『ぬばたま」と言われ黒い球形である。
  「ぬばたま」は、夜、闇などにかかる枕言葉として使われているが、万葉集にも多く詠まれている。