木彫
「
北辰(北極星)を指す
」
2008年2月にバランストイとして紙製の『北極星を指す仙女』(No.91)を作ったが、今回は木彫で試みた。
素材は、庭の『ユリノキ』を剪定したものである。
偏角(W)が当地では6°24,4′W なので磁針方位はこの分だけ西寄りを指している。
北極星について
(2008年説明資料を再掲する)
こぐま座では最も明るい星だが、2等星なのでそれほど目立たない。
こぐま座は、北極星を見つけるときに使う北斗7星(大柄杓)を小さくしたような形なので小柄杓とも言われる。
北極星は、北に向かって旅する人たちや航海する船にとって北の方位を知る手がかりとして長年使われてきた。 南船北馬の時代などにも方位の基準として使われただろうし、「南指車」も歯車で方角を指したと言われるが、
方位の基準には活用されたのではないだろうか。
NASA(米航空宇宙局)は2008年1月5日午前9時(日本時間)、創設50周年を記念してスペインにある
直径70mの巨大パラボラアンテナからビートルズの曲「アクロス・ザ・ユニバース」を北極星に向けてビーム送信
している。
米国在住の熱心なファンがNASAに企画をもちかけたそうだ。
曲の発売から40年、NASAの遠距離宇宙通信網の誕生から45年、NASA設立から50年になる。
故ジョンレノンと共に歌を作ったポールマッカートニー氏やレノン夫人オノヨーコさん、版権管理2社が楽曲使用を
許可したらしい。 マッカートニー氏はNASAに「宇宙人によろしく」とのメッセージも送ったそうだ。
431年後にはこの歌が北極星に届くことになるが、受信機器、デジタル信号の変換など大丈夫なのだろうか。
天の北極を示す「極星」である。
英語では「Polaris」 中国では「北辰」 日本では北の一つ星、子(ね)の星などと呼ばれている。
北極星は、正確には天の北極から少しずれ(約1度)ているので小さな円運動をしている。
また、2500年頃になると30度もずれてしまうと言われている。
13000年後にはこと座の「ベガ」が北極星となって輝くと言われている。
明るい星として見えないのは、431光年の彼方にあるためで実体は太陽よりもはるかに明るい星である。
望遠鏡で見ると8,9等星の伴星が見える。
北極星の高度はその地方の緯度にほぼ等しいから紀北町では34度の高度で北の位置に見える。
北極星の回りには「北斗七星」「カシオペヤ」「ケフェウス」などが時計とは逆回りの向きに回っているが、24時間
で1回りするので大きな天の時計としても使える。
キャンプなどで夜空を眺めていると90度では6時間、45度では3時間を計る目安になる。
見える位置は1日で4分ずつ早くなるので季節によって変化する。
北斗七星が見えないときには反対側にある「カシオペヤ」を目安にするとよい
天体観測の起源は、占星術や信仰と関わっていることが多いが、北極星や北斗七星も昔から言い伝えられたり
古文書、仏典などにも登場している。
日本でも中国からの伝来によって平安時代中頃から星占い、星祭り、その他儀式などに登場している。
吾妻鏡にも天文の記録が多いが天変を理由に将軍職を退いた唯一の人物として九条頼経の記述もある。
北辰(北極星)、北斗(北斗七星)について
北辰は、天の北極に最も近くにあり、皇帝を象徴し、仏教、道教などの神々を象徴するとも言われている。
北斗は極星を規則正しく回る天の大時計であり、帝王の車であり秩序の象徴とも言われている。、
また死を司る神として崇められていた。
中国には、神霊怪異の物語を集めた小説集「捜神記」があるが、その中で人の寿命に関して「北斗と南斗の話」
があり、「人が生まれるときには南斗に従い、人が死ぬときは北斗を過ぎるのです。 人々が祈り求めるときは、
皆北斗に向かうのです」と言ったような内容のものが記されている。
つまり、死を司る星「北斗七星」に向かって延命長寿を祈願していた。
その他、北辰、北斗にまつわる話や仏典などは星の信仰と関わって数多く出されています。
七星如意輪曼荼羅 弘明寺 鎌倉時代
七星如意輪法 称明寺 鎌倉時代
北斗法 称明寺 室町時代