『 ホオノキの花 』    モクレン科  
    
 葉が大きく、枝先に輪生状に開く姿は「トチノキ」にも似ているが、葉が丈夫で信州あたりでは「朴葉味噌」に使われたり料理の盛りつけなどにも使われているようだ。
 弁当の容器にしたり、刺身の盛りつけ等にも使っている。
 この花は庭に植えてから20数年たった今年はじめて咲いた花である。
 植えた時には幹が小指ぐらいの太さだったが、やっと見事な花を咲かせてくれた。
早春、花芽と葉芽が動き出すが、厚い冬着を脱ぎとっているような感じである。 
 1枚の葉は葉身と葉柄と1対の托葉から出来ているが、芽吹いてくるときの姿も美しい。
4月には大きな葉が開き、托葉に包まれたつぼみが美しい姿を見せてくれる。
花芽はいかにも花を抱きかかえているようで区別しやすい。
葉の表面は緑色で無毛、裏面は灰白緑色で粗毛が散在する。
 大きな葉に抱かれるように鎮座している花は見事である。
 5月頃から次々に段階的に咲き始め6月頃まで開花を楽しむことが出来た。 
 山奥で見るときには、なかなか近づけないが庭先では間近に見ることが出来る。
 トチノキは開花まで30年かかると聞いたが、成長して一人前になるためにこれぐらいの年月を大切にしているのだと思う。   成長に応じた重要な過程を通って完成体を作り上げていくのだろう。

 我々人間は早々大人社会のまねごとをしたり体験を積ませているが、それよりも幼児期、少年期、青年期を大切にしてその成長期にあった暮らしの過程を満喫させることが重要ではないかと考える。