「カエデ」 の  紅 葉   

  紅葉

  秋の訪れを何よりも美しく知らせてくれるのは、落葉樹の紅葉です。
特に、雑木林の中で緑の葉や黄色の葉の中にひときわ目立つ紅葉は見応えがあります。
 また、全景が紅葉に包まれるような場も格別です。
写真のように緑を残している紅葉も風情があって佳いものです。
 しかし、カエデの紅葉は変化していく過程から落葉まで素敵ですね。
  緑のクロロフィル、紅のアントシアニン、黄のカロチノイドなどが植物体内の中で微妙な変化を起こしてつくりだす自然の美です。
 春から夏まで精一杯光合成に励んできた落葉樹たちは、これから冬の休息の時期を迎えることになります。   常緑樹の生き方とは違った生き方ですが、我々人間にもいろいろ変わった生き方があり樹木と似ているところがありますね。
 紅葉という言葉が初めて使われているのは万葉集と言われています。
 
 「もみじ」 小学唱歌
 
 秋の夕日に照る山もみじ 濃いも薄いも数ある中に
 松を彩るカエデや蔦は 山のふもとのすそ模様

 谷の流れに 散り浮くもみじ 波に揺られて 離れて寄って
 赤や黄色の色さまざまに 水の上にも織る錦 


 戯言
 紅葉の季節になると必ずTVなどで紅葉のようすをライトアップして見せていますが、あれは自然と共に生きる私たちにとってはいかがなものでしょうか。  気になることの一つです。
 ライトアップして見たい気持ちもわからぬではありませんが、カエデにとっては迷惑なことであると考えられます。
 昔、私たちは自然の征服をめざし人間のための自然開発を手がけてきたと思います。
しかし、現在ではあまりにもその欲望が大きくなりすぎて自然を破壊し自らの首を締め付けているのが現状です。    
 宇宙船地球号の自然は時空的にも、資源的にも限界があります。  
地球上の生命体が共存し、共生するためには、人類だけのわがままは許されません。   
 地球上すべての生命体が共生するためには、それぞれの生命体の環境が必要です。
 特に動物は、消費者の立場であり生産者である植物の恩恵なしには生きていけません。
だから常に感謝の気持ちを忘れてはいけないと思います。
 昔、省資源関連の企画に応募したとき受賞に同席した人に聞いた話ですが、その方はインディオと一緒に暮らした経験があり、暮らしの話をしてくれました。
彼らの食材は、保存食は別として、収穫する獲物はその日の分だけしか捕らないそうです。
天候などが悪く狩に出られないと辛抱するとのことでした。
 夕方日が沈む頃には必ず感謝の気持ちを込めてお祈りをするそうです。
人類が消費するエネルギーは他の生命体とは桁違いに大きくなっています。
 これ以上人類の欲望を拡張すれば、自然は破壊されます。  
限度をわきまえる時期が来ているのではないでしょうか。
紅葉も自然の摂理であり、乱したくありません。
 昼の間に十分鑑賞し、癒されるように心がけたらいかがでしょうか。