「 カサゴ 」  Sebastiscus marmoratus  カサゴ科
                                              
 

   磯釣りの代表格
 
紀北町の磯で子供たちが磯釣りをすると言えば、このカサゴが対象になることが多い。
 当地方ではカサゴのことをガシと呼んでいる。   従って「ガシ釣り」である。
 大きな餌でも大きな口でがぶりと飲み込んでしまうので大変釣りやすい魚である。
 また、ひく力も大きいので釣り上げるときの感触は何ともいえないぐらい気持ちのよいものである。
 面構えは美形とはいえないが、男らしい面ではないか。三浦半島では「面洗わず」という人もいるらしい。
 冬、煮付けにして食べると美味しいし、翌日までおいて煮こごりにして食べるのも大好きである。
 練製品にもなるし、味噌漬けも妙薬と言われている。
 同じ仲間には「オニオコゼ」もいるが、「キチジ」(吉事)などもおり縁起のよい魚といえるのではないだろうか。
 島勝浦では「クロンボアタガシ」と呼んでいる。  
 沖の方に生息するものは赤味がかっているが、味は浅場の磯に生息する黒い方が佳い。
 沿岸の岩礁にすみ卵胎生である。 冬から春にかけて10000尾ぐらいの仔魚を産む。
  北海道南部から九州、フィリッピンまで広く分布している。
  地方名  熊野灘 アタガシ  九州 アラカブ  大阪和歌山 ガシラ  四国 ホゴ
 鰓蓋主骨に2棘、鰓蓋前骨に5棘をもっている。
 背鰭は、12棘12軟条   臀鰭3棘5軟条