「 ツマリカスベ 」
Raja schmidti Ishiyama
日本近海で漁獲されるガンギエイ類は3属20余種と言われているが、「ツマリカスベ」もこの仲間である。
第2背鰭と尾鰭が続いている。
写真は、紀北町島勝浦でエビ網によって獲れたものである。
右上にあるものは、ツマリカスベの「卵嚢」である。
「人魚の財布」とも言われている。
甲虫を思わせるような色で丈夫な袋。
2008年1月27日にエビ網(刺し網)によって漁獲されたものである。
一目で「エイ」とわかるが、海底では保護色となり海底の色と見分けがつきにくいのではないだろうか。
東京湾から九州まで分布しているようだが、この地方でエビ網に多くかかるようになったのは海況の変化も影響しているのだろうか。
イセエビが生息している場所とエイが住む場所とは少し異なるように思われるが。
写真の右上は、解剖したときに出てきた卵嚢だが、粘膜で覆われ、皮質の強いものである。
「人魚の財布」とは、誰がつけたのかほんとうにぴったりの名前だと思う。
地方によっては「悪魔の財布」とも言うらしいが、ここでは人魚にしておきたい。