木彫「 求道者 M 頭部 」       







ケヤキの幹から素材を切り取る

 
 数年前に庭の「ケヤキ」を剪定してもらったが夏の暑い時期だったからか幹枯れを起こしてしまった。
 そこで切り倒して何かに利用できないかと庭先で乾燥させていた。
 せっかく数十年間育てた木なので愛着があり何かに活用したい。
人物の頭部など全く彫ったこともなかったが、阿修羅像の写真を見ていたら無性に彫りたくなってきて取り組んでみることにした。
 右写真のように中間部のよいところを選んだつもりだったが、彫り進むうちに蟻穴が見つかりどうしようかとかなり思案した。
 しかし、道を求める者としては当然苦難、障害はつきものであると覚悟を決め作業を進めた。
 眉毛の部分、頬、耳、頭髪部などに蟻穴の道筋が残り欠損しているところがある。
木材も表皮近くまで活用しているが、 何とか頭部を形作ることができたと思う。
 写真などを参考にしたが人の顔立ちがどのようなものか知らなすぎて改めて発見することも多かった。
道を求める人の心が少しでも籠もっていればありがたいのだが