『ムカデミノウミウシ』  
ミノウミウシ亜目 
       ファセリナ科 Pteraeolidia ianthina(Angas,1864)
体長は約3cm  
色彩の変異は大きく南方系は白っぽい。
カイメン類を餌としているようである。
 





















 
 紀北町の船越の磯では、はじめて見かけたミノウミウシの仲間である。
 2009年6月8日東海シニア自然大学のメンバー約20名が来訪し、「潮だまり観察会」を実施したが、そのときにメンバーが見つけた「ムカデミノウミウシ」である。
 ウミウシは本州沿岸だけでも250種以上確認されているようだが、その美しい姿は海の宝石とも言われており、様々な生態も実に魅力的である。   
朝日新聞(2009.4.14.)の記事によると遺伝子が種を超えて「水平移動」し進化にも関わっているようである。 体内に葉緑体を取り込み光合成を助ける「チドリミドリガイ」やウミヒドラ類の刺胞をとりこみ毒針で自分を守るこの 「ムカデミノウミウシ」などが解明されている。
 しかし、ウミウシに関してはまだ不明な部分も多々あるようだ。
 当日は短い時間で詳しい観察には至らなかったが、メンバーのなかには「潮溜まり」で不思議なウミウシ?を見つけた人もいた。   黄(青?)白色に光る1cm足らずの小さいもので岩に数匹付着していたが、ピンセットではぎ取ると途端に色が変化して光を失う姿を見せてくれた。  また、手の甲の上に置いたら、ちくちくと刺されるような感じがしたのできっと刺胞をもっていたのだろうと思う。  写真に撮るか標本にして調べればよかったと後で残念に思った。


船越海岸の潮だまり(tide pool)で当日に観察した動植物など
 海岸の磯を2時間ぐらい歩きながらの観察で当然予定された動植物も他にいたはずだが確認されたものを列挙してみる。

・貝の仲間
 キイロダカラガイ
 (アフリカ、インド、中国、ニューギニアなどの太平洋諸島では通過として使われていたと言われている。
  貝の象形文字もこの形からできたらしい。)
 ヨメガカサ  ベッコウガサ  ムラサキイガイ  ムラサキインコ  イシダタミ  ヒザラガイ
 アマオブネ     マツバガイ  キクノハナガイ イボニシ      タマキビ  ケガキ

・海藻の仲間

 ウミトラノオ     ヒジキ   マクサ(テングサ) フクロフノリ  ホソジュズモ  ホンダワラ  イソモク
 オオバモク     サンゴモ  フサイワヅタ(ウミブドウと言われ食べるとプチプチ感があるようだった)     

・その他海岸動物
 ムラサキウニ   クロフジツボ  フナムシ  カメノテ  イソギンチャク  クロイソカイメン  クモヒトデ
 ダイダイイソカイメン  ムカデミノウミウシ  アゴハゼ  アカフジツボ  (マダコも見つけたと聞いた)
 バフンウニ

・海岸近くの植物
 ハマゴウ  ハマアザミ  コマツヨイグサ  ササユリ  ツワブキ  ウバメガシ トベラ  アゼトウナ
 クララ

・漂着物

 ビーチグラス 貝殻など