『 オオバコ 』  オオバコ科  Plantago asiatica L..
 
道ばたや荒れ地などに普通見られる多年草。
葉はすべて根本から出ている。
平行している大きい葉脈が目立っている。
花が開き始める頃は柱頭が見えている雌性期である。
次いで雄性期になると長い花糸を持つおしべが現れる。
風媒花であるが、雌性期、雄性期、果実期がずれているから同じ花による受粉の機会は少なくなる。
シソは大葉と言われるが、オオバコの果実とシソの果実は形がよく似ている。
葉は食用(茹でたり、油炒め、あぶらげなど)としても利用されている。 また、葉、果実は漢方薬にもなるようである。
大変強い草で踏まれても踏まれても増え続け、人が歩いたところには必ず見かけると言ってもよいくらい繁茂している。    
オオバコ科の植物は3属270種と言われている。 オオバコ属は250種と言われるが、足の裏という意味の学名をもつように逞しく生きている。
アメリカではオオバコを Whitemann’s foot と言うらしい。
俗名では車前草とも言われている。
山道などで迷ったときにオオバコが生えて様子を見て人が通った場所だと判断したこともある。

戯言
 オオバコは目立つ植物でもないし、草取りでは困る植物だが、自然界の中では共に生きている生命体仲間として考えたい。   しかし、見捨てられているような感じなので何となく愛おしく思った。
 地球上では多種多様の生き物たちが共生しているが、その生命の基盤をなしているのは植物である。
動物たちは植物が無機物から生産した有機物の食料を得て初めて生命を維持できるのであり、大気中の酸素も植物の光合成によって安定供給されている。 したがって植物が存在しなければ生命を維持することは無理であろう。  そしてさまざまな関連の中で生命が維持されている。
 嘗てインディオと共に暮らした人に聞いたが、毎日日暮れに自然の恵みへの感謝の祈りを捧げるそうである。    そして獲物は余分に捕ることはしない。
 イスラム教では偶像崇拝は禁じられていると聞いたが、世界遺産に残されている建造物を見るとコーランの文字と植物の造形模様が描かれている。
 宇宙空間に生じた簡単な原子からスタートして物質が作られ、生命体が生じ、進化して現在に至ったことを考えれば、我々の存在も他の生命体と共に生じた仲間である。
したがって、根源は同一と考えてよいのではないだろうか。