「 ト チ」 芽吹く

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 栃の芽の光とならぬ靄深し 水原秋桜子

栃は寒い冬の時期から光り輝く新芽を用意していましたが、春を迎えて一斉に芽吹き始めました。
 春の訪れは、我々人間だけでなく自然界の動植物たちにとっても新たな出発を感じさせてくれます。
このトチノキは、鉛筆ほどの大きさのものを植えてから20余年になりますが、まだ花を咲かせません。
たぶん今年も無理だと思いますが、しっかり成長するまで自分に力をつけているのでしょう。
それにしてもトチノキの芽吹きは、すばらしいです。
新芽の色、新しい葉が伸びてくる力強さはみごとです。


 呟き
 最近、世の中は物騒なことが多く、イラク戦争は多数の人たちの反戦意志があるにもかかわらず続いています。
しかし、自然界は大きな秩序の中で動植物たちが正しく、美しく生きています。
 トチノキも動くことはできませんが、自然界に逆らわず正しく生きているように思えてなりません。
善と悪の判断で殺し合いが行われるのならば、我々人間は自然界に対して悪を吐き続け、生態系を破壊しているのではないでしょうか?
自然を乱すほど欲望を拡大してはならない時が来ているのではないでしょうか。
自然界の生態系は、長い時空の中で正しく流れ、美しく変化しているように見えます。
 私たちもその営みにあまり逆らうことはできないはずです。