「 ワタトリカイメン 」  ヒ角質海面亜綱 単骨海面目 Haplosclerida     
                                     Callyspongia elegans

  海綿は小孔とよばれる孔を数多くもちここから水と栄養をとりくんでいる。  体の上部には大孔と言われる開口部があるが、ここから水をはき出している。  
 多細胞生物であるが特殊な器官もなく、袋状の形態である。
  体内には多数の微生物が共生しているが、時には小エビや魚の幼体などが住み着いていることもある。
 生物多様性の中で生態系は見事に調和を保っている。
 胃腔とよばれる空洞部には鞭毛があり小孔から大孔へ水の循環をしている。
 海綿は、日常生活ではスポンジとして用いられているが、地中海産、紅海産の物が品質がよいとされている。
組織を腐敗させて骨格を洗い流して作るらしい。 海綿は英語でSPONGEだが柔らかく包み込むような優しさを感じる。
 海綿からは複雑な構造を持つ有機化合物が多数発見され医薬品の候補として期待されている。
「ワタトリカオメン」の由来は、明確ではないが、表面上のざらつきを利用して綿を取ったとも言われている。
写真の「ワタトリカイメン」は、紀北町船越海岸に漂着したものである。


  東北関東大震災(2011.3.11.)について、TV、新聞、ラジオなどで毎日報道されていますが、言語に絶する思いです。
 亡くなられた方々には心からお悔やみ申し上げます。  
 被災されている方々には、大変な苦難もあろうかと思いますが、謹んでお見舞い申し上げます。
 強く生きて、明るい未来を築いてください。
 想定外とはいえ地球上の生命体としては環境に強い営みをしている人類であるはずですが、天災の力を見せつけられました。
 原発の環境汚染についても大変気になりますが、みんなが理解できて納得のいくような情報公開をして科学的に解決して欲しいものです。

 東北地方には親戚や知人も居ませんし、行ったこともありませんがずいぶん昔、多賀城市にあったソニーのテープを製造している会社にお世話になったことがあります。
 東レの科学賞に応募したときですが、理科の磁力線の実験でその当時まで平面上の実験しかされていませんでした。
 そこで何とか立体化したいと思い、録音用のテープを焼いて灰から磁性体を取り出したりしていました。
 そのときに多賀城市にあるソニーの会社から録音テープに塗布する酸化鉄、カーボニル鉄を提供いただきました。
 実験は東京目黒区で行いましたが、東大総長もされていた茅誠二氏が審査委員長でした。
受賞はできませんでしたが、その後磁力線を立体化してみせる実験が普及してメーカーも商品化しています。
 教科書などにも磁力線の実験表示がされています。
そんなことを想い出しながら多賀城市を思いご無事であることを切に祈っております。