漂着した 「 椰子の実 」
      

 
  紀北町船越中熊 の浜辺には、様々な物が流れ着きますが、台風の後にはよく椰子の実が流れ着いています。
 上の写真は2001年8月26日台風11号によって流れ着いたものです。
ずいぶん荒波にもまれた様子がうかがえます。
 この日には「ルリガイ」も漂着しました。

 島崎藤村が知多半島に流れ着いた椰子の実の話を柳田国男に聞いて作詞した「椰子の実」の歌は有名ですね。
 中でも小生は3番の歌詞が好きです。

 名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ
  故郷の岸を離れて 汝はそも波に幾月

 もとの樹は生いや茂れる 枝はなお影をやなせる
  われもまた渚を枕 孤身浮き寝の旅ぞ

 実をとりて胸にあつれば 新たなり流離の憂い
  海の日の沈むを見れば たぎり落つ異境の涙
  思いやる八重の汐汐 いずれの日にか国に帰らん


 文学や音楽は人の心を動かす力をもっている。
 徳目を並べ立てられたり強調されなくても自分の心で感じ、自然に心を動かされるものである。

過日、ヴァイオリニスト福島寛子さんのコンサートに出かけたが、約600人の来場者が2時間ばかり微動だにせず聞き入っていた。   
 小学生や幼児もいたがクラシックの曲に傾聴し、ヴァイオリンの美しい音色に心を引き込まれていたようだった。
音楽は、言葉の極限であると言った偉人が居たが、全くその通りだと思う。
 音楽は瞬間に伝えることだけではなく心を動かす力をもっていることを感じた。
 自分も久しぶりのコンサートに素晴らしい時を過ごすことができ感謝している。