かもしかお札受験生に人気

「落ちない」縁起かつぎ絵馬も新登場

山を自由に跳び回り、絶壁からも決して落ちないニホンカモシカにあやかって、「試験に落ちない」とする受験生向けのお札が今年も好評だ。菰野町の御在所岳(1,212m)山頂にある日本カモシカセンターが、職員のアイデアで昨年から始めた。今年は新たにカモシカの絵が入った絵馬もつくり、全国から注文が相次いでいる。

お札は、観光客の増加を狙い、巧みに山をかける姿から「岩場の達人」と称されるニホンカモシカに着目して作られた。縦十八cm、横八cmの和紙に、現在飼育中のカモシカのつめ跡と「おちない」と書かれたゴム印ニホンカモシカの学名「カプリコルニス・クリスブス」が押されている。希望する入園者には無料で配っでいる。ファックスで住所を知らせれば、郵送もしている。

昨年は約ニカ月間で二百五十五枚のお札が出た。「センターから頂いた『絶対落ちない合格お札』のお陰をもちましで国立大学に合格しました。うれしい春です」「おかげさまで娘二 人とも大学、高校に合格できました」といったお礼の手紙が、県内外から計四十五通届いたという。

今年はさらに受験生にエールを贈ろうと、センター飼育係小南幸重さん(三○)が絶壁に立つニホンカモシカをデザインし、合格祈願入り絵馬を作った。絵馬には受験生に対するメッセージを書き込む部分も印刷されている。センターの受付で1個二百円で販売している。

お札と絵馬の配布、販売は一月二十八日から始まった。情報がインターネットを通じて流れると、北梅道や東京、京都、広島、岡山、沖縄など全国から問い合わせの電話が殺到。四日 までに五百枚用意した、お札用の和紙が底を突き、追加注文した。絵馬の方も用意した三百個がすべて売り切れ、新たに五百個を製作中だという、人気ぶりだ。

受験生には、友達がカモシカのお札を持っているのを見て、注文をしてくるケースが目立つという。お札と絵馬の配布などは、受験シーズンの三月いっばいまで続く。問い合わせは同センター(○五九三−九ニ−二○二八)へ。


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