白砂山

白砂山
白砂山

【日 時】2000年 5月 3日(水)
【天 候】晴れ時々曇り
【山 名】白砂山(2139m)
【山 域】群馬・長野・新潟
【ルート】 (6:05)白砂山登山口--(8:10)地蔵山--(9:45)堂岩山
(12:10)白砂山山頂--(13:45)堂岩山下--(16:45)白砂山登山口
【所要時間】10時間40分
【メンバー 】単独




朝起きてみると、快晴無風であった。車の窓が凍り付いて、この辺りの寒さを認識する。天候予報によると、まだ寒気が残るとのこと。休憩場では、釣り客と登山者が朝食の準備をしていた。登山者のグループはゆっくりしておりまだ出発する気配はない。テン泊のため、テントと食料を詰め込むと、いつもより遥かに重いザックになってしまった。

氷結した野反湖に霧が流る
氷結した野反湖に霧が流る
おでんを急いで腹に突っ込み出発する。道は昨日の雨と朝方の冷え込みで、凍っている。一登りすると左手に建物が現れる。振り返ると氷結した野反湖が望まれた。北から霧が流れ、峠を越え、野反湖に向かっていく。

尾根を越え、谷に向かうところで、アイゼンを着装する。谷には木の梯子が掛けられていた。この日は誰も先に入山者がないようで、私がトップを引いていた。急坂となり右岸に取っ付く。このあたりの雪は比較的締まっており、いつもと異なるのはザックの重みである。稜線に出る辺りから雪が緩みはじめ歩き辛くなる。薄っすらと残っているトレースを追いながら進む。

地蔵峠に達する辺りから陽射しも強くなり、一歩毎に沈んでしまう状態に注意を払いながら進む。いつもより重いザックのせいで、踏み込んだ勢いで、頭からもんどりうって、暫し身動きが出来ないケースもあった。地蔵岳からは、雪が緩んで割れ目が出ているところがあり、通過に注意を要する。前方に堂岩山の白い斜面が望まれるが、遅々として歩は進まない。最後の雪の斜面を登り、右への道を進むと視界が開け、白砂山が現われた。

佐武流方面
佐武流方面
目指す佐武流も望まれ、快哉をあげる。佐武流は山頂付近はツガ系の木で蔽われ、先日登った猿ヶ馬場と似た感じであった。堂岩山からの眺望は本日の最高の眺望であった。白砂山は雪を抱いた美しい眺望であったが、稜線上の雪を観察し、今まで登行から推量すると、この先も、簡単なものでない事を思わせた。

一旦下り広い雪原に出る。白砂山までは2つほどのピークを越えて行かねばならない。日当りの良い稜線で一歩毎にズボズボ状態になった。割れ目を渡る時は重さを分散させるため這った状態で渡った。雪は雪原部分が柔らかいが、岩稜部分は固く、アイゼンを脱着するわけにもいかず、苦しい登行が続く。2つ目のピーク辺りから北側から雲が流れ、視界はなくなってしまった。アイゼンの調子が悪く、歩行中にだんだんずれて行く傾向が現れ、何度も締めなおす。

白砂山山頂
白砂山山頂
最後の緩んだ雪の斜面を喘ぎながら登り、暫く進むと、人工物らしいものが少し顔を出していた。ストックと手で雪を掘り起こすと、それが白砂山の山頂標識であった。山頂は風がやや強く視界がなく、先程まであった薄いトレースも消えていた。地図を読むと、もう少し稜線を進みながら、北に向かうようになっていた。私の予定でも、もう少し先まで進み、樹林帯の所でテントを張る予定であった。山頂付近で暫く、調査したが、降り口や、先程までの薄い踏み跡は発見できなかった。昨日の雷雨のこともあり、山頂でテントを張る気にならず、引き返すことにした。

帰路も5時間位かかることが予測でき、早めの決断が必要であった。自分のトレースを辿りながら一つ目のピークを降りたところで、朝休憩所で準備していた中高年の4人グループと出会った。アイゼンの調子が悪い事を告げると、親切にも「針金があります」と進言してくれた。別れ際に先行でトレースを残した事に対し、お礼を言われた。良く踏まれた道となり、今までの歩行が嘘のようであった。2つ目のピーク手前では若い男性4人グループが休憩をとっていた。鞍部の雪原では単独の大きなザックの女性に会った。「2泊はする予定で来た」という彼女の意気込みに、圧倒されてしまった。本日、出会った登山者は以上の3組であった。昨夜の雷雨で、登山を躊躇した人もあったのかもしれない。

稜線上は北側から雲が飛んでいたが、南側は晴れていた。堂岩山からの道のりも長かった。トレースを見ると、下っている踏み跡があり、上の3組以外にも山に入った人がいることを示していた。ご丁寧に、私が迷った踏み跡も、シッカリとトレースされていた。帰路も長く、最後の谷からの登り返しが辛く感じられた。駐車場には朝よりも車が十数台増えていた。釣り客の方が多いようだ。休憩所でストーブでおでんと湯を沸かし一息つく。今日ここに泊まって、明日から佐武流を目指す2人2組の登山者が寛いでいた。

店で近くのガソリンスタンドを聞く。野反湖の南側はスッキリと晴れていた。六合で風呂に入り、ユックリしたあと、コンビニなどに寄りながら、榛名湖畔まで移動し仮眠する。


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