中八人山

中八人山
中八人山

【日 時】2000年 7月16日(日)
【天 候】晴れ
【山 名】中八人山(1408m)
【山 域】奈良
【ルート】 (5:15)中八人山登山口--(6:00)744ピーク--(7:45)石仏東峰--
(8:50)宮の谷頭手前--(10:00)中八人山山頂--(11:00宮の谷頭--
(12:00)石仏東峰--(13:25)中八人山登山口
【所要時間】8時間10分
【メンバー 】単独




滝谷橋の右岸には、ベニヤ板の登山口の標識はあったが、道は草叢で覆われていた。朝食を摂り出発。

登山口は若干、茨があったが、適度に間伐された植林帯の良い道であった。ジグザグの一気の急坂である。所々が切り開かれている。744ピーク直下で休憩する。対岸に天竺山が望まれた。

744ピークは、四方からワイヤーで張られた、涸れた大木が、立っていた。辺りは、植林されてそれほど時間が経過していない松などの低木帯で、傾斜はゆるやかだが、夏の太陽が直接当たり堪える。

崩壊地を過ぎると植林帯になり日陰になるが、今度は急坂・笹薮が待っている。薄い踏み跡とテープを辿る。調子が今ひとつ上がらず、耳近くに纏わりつく、アブの羽音が気になる。ずっと一本調子の一気の登りで息を整えながら進む。ヤブ状の木から露岩が現れると、大きなトチの木が現れた。ここから石仏東峰までは直ぐであった。体調が勝れなかったので、ここまでにすることも頭をかすめた。休憩を取っていると、落ち着いてきたので先に進む。

天竺山 トチの木を下から望む
天竺山
トチの木を下から望む
一旦下り平坦な道となる。暫く自然林の広い快適な道が続くが、この道もやがて笹薮となる。最初、垂直に立っていた笹も、覆い被さる手強いものに豹変する。大塚の森の開けたところで休憩する。ザックには笹の屑が付いていた。笹の屑は汗を掻いた首周りにも纏い付く。

宮の谷頭から一気に下り、西八人山までの急登となる。帰路この辺りの登り返しが気になる。宮の谷頭から西八人山までは笹薮の密度が増すが、道はハッキリしており、テープも間断なくある。

西八人山は標識もなく何の変哲もないピークであった。目の前に中八人山が望まれるが、暑い日差しと暗緑の木々が手強さを感じさせた。山頂を通過して道なりに進むが方向が異なることに気付き、元に戻り、中八人山方面のテープを探す。

薄い踏み跡を下ると開けた植林地に出る。このようなところに植林地がある ことに驚く。植林して、まだ数年も経過していないと思われる若杉の間の踏み跡を辿る。笹薮の中を暫く進むと、中八人山山頂に到達する。

沢山の標札が掛けられた山頂は木に囲まれ眺望は無く、三角点があるのみであった。南八人山などを巡るユトリはなく、簡単に写真を撮って帰路につく。

西八人山 中八人山
西八人山
中八人山
何人もの人が、この帰路で迷っているので気を引き締める。太陽は照りつけ、完全に梅雨は明けたようだ。対岸のニョキと聳える釈迦ヶ岳に向かって、林道が伸びている。植林地に出たが、西八人山への取っ付きが判らず。距離は短いとみて、強引にヤブに突っ込む。日差しの強い斜面でのヤブ漕ぎは体力を消耗する。

なんとか西八人山へ道に出るが、そのまま真っ直ぐ、踏み跡に従い、また道を失う。稜線上の道に戻り、テープを追い、西八人山に行ったりしながら、やっと来た道を確認する。ホッとして宮の谷頭に取っ付くが今度は、左足が攣ってしまった。最近の山行では痙攣した経験はなく、気落ちする。

30分間隔で休憩をとりながらユックリ進む。幸いにも、ルートの殆どが、林の中の日陰のコースであった。石仏からは一気の下りとなる。744ピーク手前の低木帯から直射日光が当たる。本格的な夏の日差しとなり、乾いた倒木の下からムンムンした熱気が伝わる。低木帯を早足で抜け、日陰の樹林帯で一息付く。下部の植林帯も意外と開けたところが多い。

川の水音が近くなる。日当たりの良いところに駐車していたので、水が湧いている日陰に車を移し、体を拭いて着替える。

美しい七面山と、厳しく辛い中八人山であったが、何れも大峰の魅力の一部という感を抱いた。両山とも行動中、誰にも会わなかった。近百の中八人山は手強い山であった。

帰路、何処の川べりにも車がくり出され、沢山の人が水浴を楽しんでいた。今年も暑い夏がやって来た。


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