烏帽子岳・野口五郎岳

烏帽子岳
烏帽子岳

【日 時】2000年 7月21日(金)〜22日(土)
【天 候】晴れ・曇り後晴れ
【山 名】烏帽子岳(2628m)・野口五郎岳(2924m)
【山 域】長野・富山
【ルート】 21日 (6:30)七倉タクシー乗場--(6:45)高瀬ダム--(9:00)ブナ立中間点--
(11:20)烏帽子小屋(11:40)--(12:20)烏帽子岳山頂--(13:20)烏帽子小屋(13:40)--
(14:20)三つ岳--(16:40)野口五郎小屋

21日 (6:00)野口五郎小屋--(6:20)野口五郎岳--(7:05)真砂岳分岐--
(9:30)南真砂岳--(12:45)晴嵐荘(13:00)--(14:00)名無避難小屋--
(15:15)トンネル前--(15:50)ダムタクシー--(16:00)七倉タクシー乗場
【所要時間】10時間10分・10時間00分
【メンバー 】二人


7/20、21と有休を取って4連休とした。家内は20日から夏休み。20日はユックリ午後から出発。大町の薬師湯に入った後、JUSCOで買い物をした後、七倉の駐車場で仮眠。

【 7月21日(金) 】
ここから先は東電が管理するダム道路で、七倉にはゲートがあり管理舎がある。車が通過できる時間は6:45〜19:00?である。朝早く到着した登山者が、折畳式の自転車でゲートを通過しようとしたが、止められてしまった。
つり橋 赤牛岳
つり橋
赤牛岳
案内所で登山届を出し、コースの状況を聞く。高瀬ダムまではタクシーで2000円。6:45にタクシーがに集まり登山者を乗せ、ゲートが開くと同時に高瀬ダムまで出発。約15分。徒歩ではコースタイム2時間。ロックフィルダムの前面が道路になっている。登り切った高瀬ダムの堰堤が終点である。

天候は晴れ。上方に烏帽子の岩峰が望まれる。トンネルをくぐり、つり橋を渡る。川原の赤い登山道と書かれた標識に従う。川を渡り、暫く裸地の右岸を遡行する。ブナ立尾根の取っ付きに到着。これより上部に水場はないとの案内。

道はジグザグに切られており、急な登りではない。ブナの林に囲まれており、快適な登行である。途中から山頂まで目安になる白地に黒色で数字の書いた標識に気付く。対岸の山の大きく崩壊したガレが目に入る。家内は1年ぶりの北アルプスである。2度程休憩して中間点に到着。すこし登ると視界が開け、船窪あたりのガレ場が望まれた。白くガレた崩壊は、伯耆大山を彷彿させ、崩壊美を感ずる。
烏帽子小屋 野口五郎岳
烏帽子小屋
野口五郎岳
晴れてはいるが、登るにつれガスがかかりトキソウ、イワカガミなどをカメラに収めながら進む。稜線へ抜ける直前にシナノキンバイなどのお花畑があった。少し下り烏帽子小屋に到着する。

北側は晴れ渡り、眼前に赤牛岳のユッタリした姿が現れた。背後に雪を孕んだ3つのカールを従えた薬師岳が聳えていた。立山の上部は雲に隠れていたが、それだけに高度感を感じた。

烏帽子岳に手ぶらで出かける。偽烏帽子で船窪から来た単独行に出会う。暑くて、水を使い切ってしまって、烏帽子小屋で調達するとのこと。この辺りの景観は昨年登った燕岳にそっくりで、コマクサなど植生も似ている。一旦下って烏帽子に取っ付く。ロープが掛けられた岩場となる。山頂は完全な岩の上で立っていると足の裏がムズムズしてくる。往復1時間くらいとタカをくっていたが、片道1時間掛けてしまった。食料・水は担いでくるべきだったと後悔しながら、バテ気味に小屋まで戻る。

木陰で持参してきたオニギリや水分を摂る。本日の目的地、野口五郎小屋に出発。この時、車の鍵を亡くしてしまったことに気付く。歩き出すと意外と活力を取り戻していた。三つ岳へ20〜30人の先行する団体が取っ付いている。本日の小屋は混みそうである。
野口五郎小屋 夕暮れの立山
野口五郎小屋
夕暮れの立山
アップダウンの少ない対岸の表銀座のコースとよく似ている。三つ岳を左に見、捲き道を通過する。イワツバメの巣があるようで親鳥が私達の周りを飛び交う。ピークに立つと前方に野口五郎岳が現れた。ゴロゴロする岩の間を通過し、ピークをひと登りした先の窪地に野口五郎小屋はあった。

宿泊の手続きを済ませる。予想通り団体が入って小屋は満員であった。明日、赤牛へ向かう予定で、平小屋への渡船の状況などを聞いたが、ここでは判らず水晶小屋で聞いて欲しいとのことであった。食事後、小屋の外に出てみる。対岸の燕小屋も判別できるほど、スッカリ晴れ渡り、辺りの景観を楽しむ。標柱の林立する山頂は明日の楽しみとする。夜は月明かりで星はそれほど望めなかった。


【 7月22日(土) 】
夜間から、風が強くなり窓がガタガタ鳴っていた。団体の人が4時頃出発して行った。起きて見ると雲ひとつ無い快晴であったが、強風が吹いていた。八ヶ岳と大天井の間に富士山の姿もハッキリ望まれた。テン場の人に聞くとテントが飛ばされてしまいそうだったとのこと。
野口五郎小屋の朝 湯俣川
野口五郎小屋の朝
湯俣川
食事を済ませ、出発する。稜線に出ると風が強い。北側から勢いよく雲が飛んでくる。ヨタヨタしながら山頂に到着し、ケルンの風下で休憩する。家内は強風で意気消沈してしまったようだ。

風雲が収まるを待っていたが、強くなるばかりで、真砂岳分岐から竹下林道で山を降りることにする。視界の利かない強風の中でトレイルを辿る。2〜3人の大きなザックの人と出会うが 皆、強風で苦労している様子であった。真砂岳の分岐から竹下新道に入る。

風下側に入り視界も良くなり一安心となる。暫く下るとガレ場に出るが、効果的にロープが張られていず、狭い稜部では、吹き上げる風も加わって苦労する。
シナノキンバイ オダマキ
シナノキンバイ
オダマキ
前方に南真砂岳のユッタリした姿を見る。道端のキバナシャクナグを鑑賞する。カマを持った人に出会う。南真砂岳から湯俣岳の途中のガレ場は問題なかった。吹き上げる風に乗って硫黄の臭いが鼻につく。雨交じりの空模様になるが、コメツガの森林帯に入り安心する。

大きな葉のキヌガサソウのところで休憩。湯俣岳の三角点を確認する。急坂になり林相もシラビソが主となる。単独行に出会う。家内は足にマメが出来てしまったようで、展望台で応急処置をする。眼下には硫黄沢が走り深山の様相を呈する。残念ながら、北鎌の前部が望める程度で槍ヶ岳は見えなかった。

発電用の貯水地が青々とした水を湛えていた。カマを持った人が追い越していった。降り口の取水口の先に、晴嵐荘があった。上空は相変わらず雲が流れていたが、下界は暑い夏の日中であった。
キバナシャクナゲ キヌガサソウ
キバナシャクナゲ
キヌガサソウ
この先、七尾まで行く必要があったので、温泉には入らず、ポカリを飲んで出発。1時間ほどの名無避難小屋のところで休憩する。土曜日のせいか、結構人が入ってくる。晴嵐荘あたりでのキャンプであろうか。快適で平坦な山道もやがて舗装された道路になる。900Mのトンネルを抜けると高瀬ダムの堰堤に出る。

ダム管理棟に公衆電話の案内はあるが閉まっていた。タクシーを待っている人がテーブルに座っていた。タクシーが下から3台やって来た。1台は予約したグループを待つ予定であったようだが、私達を乗せてくれた。七倉に4時に着くことができた。

鍵は車には付いていなかった。JAFに電話する。JAFでは鍵を造ることは扱っていないので、鍵屋さんを紹介してもらった。大町の鍵屋さんに連絡し、車のところまできてもらい鍵を造ってもらった。

薬師の湯に浸かって、買い物をする。途中駒ヶ根SAで仮眠して帰宅となった。木曾三川公園では、トライアスロン競技の準備が行われていた。


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