奥大日岳・大日岳・鍬崎山(断念)

奥大日岳・大日岳
奥大日岳・大日岳

【日 時】2000年 7月29日(土)
【天 候】晴れ
【山 名】奥大日岳(2605m)・大日岳(2501m)
【山 域】長野・富山
【ルート】 (8:15)室堂--(9:10)室堂乗越--(10:40)奥大日岳--
(12:10)大日小屋--(12:45)大日岳--(14:35)大日平小屋--
(15:55)称名滝
【所要時間】7時間40分
【メンバー 】単独


7月29日(土)
北陸地方フェーン現象という天気予報に誘われ、富山の奥大日岳・鍬崎山を目指すが、立山に近つくに従って、雨が強くなる。2時頃立山駅の駐車場で仮眠。左右の車は人が居らず安心して仮眠。

朝起きてみると、雲は掛かっているが、天候は予報どおり回復に向かうようだ。車両番号が記載された乗車券購入。7時10分のケーブルカーに乗る。数分で美女平。バスに乗る。千年杉や称名滝の展望台で停車観光。平野部は雲がとれ鍬崎山・薬師岳がスッキリと望まれる。左の大日〜奥大日や前方の立山連峰の山頂部には雲が掛かっている。室堂に8時過ぎに到着。家に電話を入れ、8時15分出発。
立山連峰 剣岳
立山連峰
剣岳
昨夜の雨にも拘わらず、観光客・登山客ともに多くの人である。ミクリガ池には周辺に雪が残っている。地獄めぐりコースの降り口にも雪がついていた。雷鳥沢のテン場には、20張りほどのテントがあった。

川を渡り、雪渓を2〜3渡る。昨日の雨も考えスパッツを着装。雪渓をひと登りしたところが新室堂乗越。ハクサンイチゲ・シナノキンバイなどのお花畑が続く。山頂部の雲もとれ立山連峰がスッキリと顔を出した。花の写真を撮る中高年の女性の登山者が多い。水溜りの山道を抜け、登りに掛かるとコバイケイソウ群落。ピークの手前まで登ると、ハクサンフウロの群落が出迎えてくれる。
ハクサンイチゲ ハクサンフウロ
ハクサンイチゲ
ハクサンフウロ
奥大日岳は稜線から見えていたピークの奥にあった。雪道を辿ると奥大日岳に到着。大展望が待っていた。日本海に浮かぶ能登半島、毛勝3山、栂池新道。早月尾根と剣岳はまさに岩の殿堂であった。これから目指す大日小屋の赤い屋根も望まれる。しかし、展望が得られたのはひと時で、直ぐにガスが掛かった。

大日岳を目指す。バスから見た時、稜線はなだらかに見えたが、梯子なども混じる下り道となる。南側は晴れているが北側から雲が湧く状態となった。中大日への登りとなる。岩の間を抜け、特徴のない中大日山頂を下ると、直ぐに大日小屋に着く。

関XXと書かれた黄色ユニフォームの団体が休んでいた。言葉使いから判断すると、岐阜の関のようであった。昼食後、大日岳に登る。大日平と美女平の大平原の向こうに鍬崎山が望まれた。
大日小屋 美女平と鍬崎山
大日小屋
美女平と鍬崎山
捲き道を過ぎると、長い下り道となる。下を見れば大日平の中に小さな大日平山荘が望まれる。水場を過ぎてからも長く感じられたが、何組かの登山者が登ってくる。日差しが強く暑い。道がなだらかになり木道となる。大日平を歩いていると、尾瀬が想起された。大日平山荘で休憩。

大日平は遮るものがない。朝バスから見掛けた美女平をランニングしていた人が、走り去って行った。木道を過ぎると山道になりホッとするが、今度はジグザグの急な道となる。下へ降りるほど、猛暑となる。スパッツを外す。滝音や展望台が望まれて、程なく舗装された観光道路に飛び出る。

称名滝へ向かう。滝は水量が多く、橋の所では風が強めで飛沫で虹ができていた。展望台でも、カメラを構えているとアッと言う間にレンズが水滴に覆われてしまう。観光客も多い。
オニユリ キヌガサソウ??
オニユリ
キヌガサソウ??
バスは発車した後で、待ち時間が1時間位だったのでその足で立山まで下り始める。どれ位時間が掛かるかも判らず、1Km程のところで道の中に管理舎があったので尋ねる。立山まであと5Kmあるので、折り返しの最終便に乗ることを勧められる。800m先のバス停を目指して歩いていると、軽トラの人に呼び止められ立山まで便乗させて戴いた。

車のところに戻り、水分を補給。亀谷まで移動して温泉に入る。かなり日焼けしてしまったようで、いきなり「どこの山に登ってきたのか」と聞かれる。コンビニで食料調達後、立山山麓に戻り仮眠。


7月30日(日)
ゴンドラが稼動するのは9時からなので、麓から登る。案内板によれば、粟巣野スキー場から大品山までは3時間との案内であった。スキー場下の脇道を進むと、大品山遊歩道の案内板あり。

植林帯の登山道を進み、ハッと気付くと目の前にカモシカの母子がいた。彼らに気付く前に、私の存在は察知されていた様子で、母親の横に当年子(とうねんし:今年生まれた子)と思われる子シカが寄り添っていた。彼らまでの距離、数メートル。立ち止まる。「ニラメッコ状態」となる。少し下がり、デジカメを取り出し、慌ててシャッターを切る。オート状態だったので、フラッシュがたかれてしまった。それでも数十秒ほど「ニラメッコ状態」。暫くして母親が背中を向けて、後ろに下がってくれた。子供は少し母親の後を追うが、顔はこちらのほうを向けたまま「ニラメッコ状態」。子供が意を決したように、谷側に飛び降りる。十数秒後、母親が子供の様子を見定めたかのように、ユックリと谷側に降りて行った。私は、彼らの憩いの場の闖入者となってしまったが、気がかりなのは、彼らと遭遇した場所が、スキー場のすぐ横の植林帯であったことである。若い木はあったが、幼木は見あたらず、植林への害は少ないと思われた。人との間に問題を起こさず、彼らの命がマットウされることを願う次第です。

  鍬崎山の、粟巣野コースを辿り、導水管上部の貯水池に出る。貯水池は北陸電力の施設で、中に入らないように、鉄門があった。大品山遊歩道の案内に従って暫く進むが、地図上にある、中腹に切られた平坦な道で、大品山への登山道でない。戻って貯水池の回りを調べたが、道は見当たらず、退却となった。

下に降りてコンドラの人に聞くと、このコースは道が悪く、現在使われておらず、瀬戸蔵コースかゴンドラコースがお勧めとのことであった。ゴンドラはまだ稼動していなかった。登山者も数人いたが、再度、登り始める気力は起こらなかった。

帰路、北陸地方は雲一つない猛暑となったが、関が原付近では台風の影響か、風が強く、伊吹山は分厚い雲が掛かっていた。


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