日枝神社から岳
日枝神社から岳

【日 時】2000年11月 4日(土)
【天 候】晴れ
【山 名】岳(781.3m)
【山 域】滋賀
【ルート】 (11:10)黄和田--(11:50)上の鉄塔--(13:00)岳--
(14:55)黄和田
【所要時間】3時間35分
【メンバー 】単独


翌日は、予定があったので近場の鈴鹿の山にする。石グレ峠が冬の閉鎖になると、滋賀側は遠くなる。私の所持している昭文社のルートマップは1994度版のもので、この山域の登山ルートは黄和田のものが記載されているのみである。相互リンクを交換している「山楽日誌」の浅尾氏の山行記録にあった「岳」を目指す。

石グレ峠から見上げる竜ヶ岳は紅葉真っ盛りで、登山者や紅葉狩りの車が停まっている。紅葉尾に入る。黄和田の外れの発電施設のところに車を停める。身支度を整え出発。

集落の中にある日枝神社に、参拝していく。神社の前の畦道を50Mほど進むと舗装道に出会う。真っ直ぐ数M進むと、左に細い石段の道がある。植林帯の中を道なりに進み、注連縄が張られた大きな杉を左に見る。近くには祠があり、谷にはポリタンや導水パイプなどが敷設されていた。

ここから登りとなり、暫く進むと、二つに道が分かれ、右に進む。この道 は巡視路で硬ゴムの階段が敷設されている。谷音が途絶え、ひと登りで最初の鉄塔に出る。視界が大きく開け、国道を通る自動車のエンジン音が聞こえる。対面には、日本コバの山容が大きい。ひと息入れる。

巡視路を辿ると、大型の鳥がバタバタと飛び出した。飛翔がいかにも下手で慌てて飛び出してしまったようだ。上の鉄塔に出る。送電線路は南西から北東に二組並行に走っている。

鉄塔敷地上部の黄色い巡視路の標識に従うと、道はトラバース気味に下って、踏み後も薄くなる。浅尾氏の記録を読み返すと、鉄塔から直登したとの記述になっている。鉄塔に戻り、上部を見ると、青色の紙テープがあった。

植林帯の急坂を抜けると、紅葉の美しい自然林となる。一旦は緩むが、今度はザレた一気の急坂となり苦しい登りとなる。木に捲きついたテープを追っていくと、岩が露出した所に出て、山頂の一角に達する。
鉄塔から日本コバ ザレた急坂
鉄塔から日本コバ
ザレた急坂
傾斜は無くなり、山稜漫歩となる。倒木帯を抜け、枯葉の敷き詰められたヌタ場を過ぎ、三角点の山頂に達する。東に切り開かれているが、あまり眺望は利かない。伐採された木が散在し、ユックリ寛ぐには今ひとつといったところであった。山の神峠を目指し下山に掛かる。

暗い植林帯となる。道なりに進むと、切り株の新しい東斜面へ一気に降る道となった。おかしいと思い元の所に戻り、浅尾氏の記録を読み返す。記述の桃色の紙テープは、暗い植林帯に張り巡らされており、途中から辿ってみるとリンデワンデリングに陥ってしまった。もう一度山頂付近に戻り、なるべく西よりのコースを選んで見るが途中で東向きになる。良く観察してみると、紙テープがルートを示しているようであったので、兎に角、紙テープに従って下ってみる。明るい所に出ると、ハッキリしたソマ道がありホッとする。ソマ道は山を廻る様に通っていた。竜ヶ岳・静ヶ岳などの鈴鹿の主脈が望まれるが山頂部には雲が掛かっていた。

ルートからはかなり東側に降りてしまったので、西側に進み、鞍部に降り着く。暫く進むと黄色い巡視路の標識が現れ、黄和田の標識も現れた。次の鉄塔は見晴らしが良いとの記述があったので、鉄塔を目指す。登りに掛かる手前でニホン鹿が慌てて逃げていった。自然林の坂に掛かった所で、明日の予定もあるので今日はここまでとする。残念ではあるが、時間的にもやや遅く、山の神峠から旭山・東山・キトラ山などは後日の楽しみとする。
山頂のヌタ場 山頂
山頂のヌタ場
山頂
ニホン鹿を見たところで今度はけたたましい声が聞こえた。数匹の猿が木から木へと伝っていた。黄和田の標識からは巡視路を辿る。硬ゴムの階段を降る。前方からガラガラという音が聞こえ、カモシカが前方の上部の植林の中に駆け込んでいった。右下に鉄塔が望まれ、このまますんなり下っていくと思われたが、途中から極端に踏み後が細くなり、ルートも幾つかに分かれた。下りを選択することは、躊躇われたので、トラバース気味のルートを選択する。暫く進むと、踏み後もハッキリしなくなるが、西日が当たる稜線が近くに感じられたので強引に稜線を目指して進むと、登りに使った上の鉄塔に出てしまった。ホッとし一服する。

黄和田に戻り、見上げると、鉄塔が4つ望まれ、私の辿ったコースが良く分かる。下りの鉄塔から判別すれば、途中からは谷へ降りても良さそうであった。登山中一人の人にも会わず、鹿・猿・キジが生息する山から、その豊かさを再認識させられた。


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