イブネ・高昌山

赤い実とイブネ
赤い実とイブネ

【日 時】2000年11月26日(日)
【天 候】晴れ
【山 名】イブネ(1160m)・高昌山(1125m??)
【山 域】滋賀
【ルート】 (10:40)林道駐車場--(11:20)二股前--(12:25)杉峠--
(14:00)イブネ北端(14:25)--(15:15)杉峠--
(16:10)二股--(17:00)林道駐車場
【所要時間】6時間20分
【メンバー 】二人


先日までは雨50%の予報であったが、前日に麗らかな日の予報に変わった。家内は先週から、山に行きたそうな様子であった。以前から行って見たいと思っていた鈴鹿のイブネ・クラシを、滋賀県側のフジキリ谷から遡行してみる。

菰野から国道477を走る。蒼滝前は車で一杯で、中道登山口前では観光バスから登山客がゾロゾロ降りてきた。道路の電光テラップには、11/27から来年3/31まで通行止めの案内が流れていた。三重側も滋賀側も一時停止の信号が断続的にあった。滋賀側の野州側ダムのところには「災害復旧工事のため11/27から来年3/31まで通行止め」の案内板があった。国道477の賑わいは本日までのようである。カモシカ荘にはカモシカ温泉の案内があった。以前にはなかった記憶がある。日野音羽を右に曲がり西明寺から和南への道を辿る。狭い道になり、対向車がこないか、ビクビクしながら運転する。県道にたどり着くが、甲津畑集落に入ってしまう。舗装道を道なりに進み、橋を渡ったところから地道になるが、やがて行き止まりとなる。橋の手前から、林道に入ろうとするが、普通車以上は通行できないとの案内がある。そのまま進むが、普通車の通行には道幅が狭く、通行困難と悟り、最初に出たスペースに駐車していた車があったのでその横に停める。

着替えて出発。左にフジキリ谷を見ながら平坦な林道を進む。狭いコンクリートの部分を過ぎると、道の左下に軽トラが転がっていた。前面のガラスが割れていたが青い幌はそのままだった。落ちてまだ日が経過していない様子であった。紅葉は晩秋の様相であったが家内にとっては、この秋2度目の紅葉山行で、足取りも軽やかであった。桜地蔵を過ぎ、40分程歩いた木の橋の手前の道路脇に、京都ナンバーのパジェロミニが停まっていた。その先の小川の流れる所で一服する。
単独行がやって来て「京都ナンバーの車の人ですか」と聞かれる。大峠との分岐のツルベ谷出会を、右に進む。丸太の橋を注意しながら渡る。蓮如上人遺跡の案内があり、その先にの大木がある。(木の種類は失念)
大木 雨乞山方面
大木
雨乞山方面
フジキリ谷は三重側に比べ、ユッタリ流れる。道脇には大きな木が目に付く。ハラハラと木の葉は舞っている下を人が通ると、不思議に葉は落ちてこない。石垣の炭焼き跡が所々にあり、人との拘わりの歴史を感じる道である。石垣の炭焼き跡や大きな木を眺めながら歩を運ぶ。

峠近くなると、冬枯れの状態となり、落ち葉を踏む音を楽しみながら進む。杉峠はその名の通り一本の大きな杉があった。御在所・国見・鎌ヶ岳の視界が開けた。雨乞岳まで35分の案内がある。簡単な休憩をとり、佐目峠・イブネに向かう。

尾根をひと登りすると、見通しの良い草地に出る。平坦な冬枯れの林の中を、右に進むとテープが途切れた。向かいにはイブネの大きな山容が望まれる。元来た道に戻ると、少し下り気味に、テープが続いていた。「杉峠の頭」を通過すると、ピンクのテープが数M間隔で続く。テープを追いながら林を抜け、下りきったところが佐目峠であった。

手強い下笹の登りとなる。途中、赤い実の成った茨状の草があった。踏み跡は薄く、テープは見落とし勝ちになるが、目指す山頂は近い。山頂近くで夫婦連れの下山者と出会う。クラシまでのルートを教えてもらう。「一旦左の方に下り、尾根に進む」と教えてくれた。山中で出会った登山者は単独行とこの夫婦連れのみであった。

ひと登りすると、広い笹原の南の一角に出る。眺望は素晴らしい。雨乞などから眺めた時、草地を想像していたが、全て笹で膝程度だが、なかなか手強い。少し進むと「イブネ」を示す白いプレートがあったが、山頂とは謂い難く、笹原の通過点といった感じだ。

笹原を分け、北に進む。背丈ほどの笹となり、下りになる手前を、右に登り返したところに、切り開きがあり、「イブネ北端」のプレートがあった。「クラシ」は下った平原の目の前に伸びているピークであろうと思った。しかし、下ってしまうと時間的に難しくなるため、ここにザックをデポしてイブネ北端から伸びるピークを目指すことにした。

少し下ると笹は無くなり、下草の快適な道となる。踏み跡もテープもあるが、ピーク手前で途切れる。しかし、樹間間隔は広く、ピークも目前であった。十Mほど登るとピークに達した。予想通り何も無い山頂であったが、注意して見ると木に黒字で「高昌山」と書かれてあった。元来た道を戻り、イブネ北端で食事とする。
国見・御在所・七人山・鎌 イブネ北端から西方向
国見・御在所・七人山・鎌
イブネ北端から西方向
日没時間を考え、早めに帰途に就く。踏み跡の薄いところは、登りより下りの方が判別し易い。家内は、佐目峠からの登り返しも、快調そのものであった。夕陽と冬枯れの木をデジカメに収めながら杉峠を通過する。三重側に比較して坂が緩やかな分、下りも楽であった。紅葉・落葉・古木・炭焼き跡・丸太の橋など、楽しみながらの下山となった。

日没前に車の所に戻ったが、後ろのドアが半ドアになって、室内ランプが点いていた。バッテリーがあがって、エンジンが掛かるか心配したが、事無きを得た。翌日になって気付いたが、財布の札束のみが抜かれていた。とうやら、車上荒らしにあったようだ(翌日になって気付く、私自身が情けない)。


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