神威岳・アポイ岳

神威岳からソエマツ岳を望む
神威岳からソエマツ岳を望む

【日 時】2001年 5月30日(水)
【天 候】晴れ
【山 名】神威岳(1600m)・アポイ岳(922m)
【山 域】北海道
【ルート】 (4:25)神威山荘--(6:10)上の二股--(7:40)大岩上部--
(8:30)山頂--(10:15)上の二股--(11:50)神威山荘==
(14:15)アポイ山荘駐車場--(16:25)アポイ山--(18:25)アポイ山荘駐車場
【所要時間】7時間25分・4時間10分
【メンバー 】単独


神威山荘に宿泊したが暗闇の中で「薪ストーブ?」の慣れない火熾しとなった。最近の山行では殆どガスストーブを使用するため、火の熾し方を忘れてしまっていた。木で熾す火は暖かく感じられた。夜間、耳慣れない声を聞きながら睡眠を取る。前日利用した釧路の人の山行記録によれば途中で熊のフンがあり、行きべきか迷ったとの記述がある。

朝4時25分出発する。鹿が二匹逃げて行った。紫のハクサンコザクラのような花が多い。初めて見るヌシュオマナイ川は川幅は数メートルといったところ。前方に三角形の初めて見る日高の山が聳えている。右岸に渡るが、最初の渡渉は膝程度であった。登山靴とスパッツで十分と考える。露の付いた竹笹や草の蔽った平坦な道を進む。沢を越えると最初の二股になる。
神威山荘 渡渉
神威山荘
渡渉
ここから渡渉が始まる。要所には石が積まれていたり、過多と思われる程の桃布がある。薄いが踏み跡も見失うほどでなくバシャバシャと渡渉を繰り返す。中の二股はデブリで木がなぎ倒されていた。記述にあった熊のフンを確認し緊張して通過する。上の二股に到着し休憩する。

ここから上は雪が沢を完全に埋めており、取付きまで快適な雪上歩行となる。尾根の取付きには赤布があり、傍にはツツジが咲いていた。一気の急坂となる。登山道には雪は全く無い。1時間ほど登って休憩する。

ニシュオマナイ山・中の岳が背後に望まれる。右手上方にはピラミッドのような稜線が見える。大岩のような所を通過するとやや傾斜が緩むがまたキツイ登りになる。岩場に咲くエゾコザクラが気分を和ませる。急坂を快調に登る。

標識のある国境尾根と出会うがニシュオマナイ山へ続く稜線は傾斜のある藪っぽいルートであった。ひと登りすると雪道となり神威岳とソエマツ岳が現れる。振り返ればペテガリ・1839峰などの山々が望まれる。雪は硬めだがアイゼンは必要ない。

雪の付いている部分は少ない。快適に最後の雪田を登ると展望の山頂に到着する。特徴的な山頂標識は横になっていた。ソエマツ岳へはスパッと切れた斜面が稜線を形成し見事な景観を成している。南に続くピリカヌプリなども見ごたえがある。北側はニシュオマナイ山の背後に穏やかな中の岳が、その背後に秀麗なペテガリ山が望まれる。この辺りまでは雪は少ないがそこから北に伸びる1839峰などの斜面には残雪がついていた。眼下を注意して見るとかなり奥まで山道が伸びている。来年までペテガリ山荘へは車では行けないとのことだが、神威山荘付近から幾つか林道が山を越えているように見える。

帰路、尾根上で三石の浦河山岳会の若い登山者に出会う。今年の日高は雪が少ないそうである。中の二股で見た熊のフンは少し古いものであることを教えてもらう。

太陽が昇り汗ばむほどの陽気になり、入水するのが楽しみになった。熊のフンをカメラに収める。川音で鈴の音は消え入るようだったので大きな声を出して歌ってみる。自然に出る鼻歌とは異なり意図的に大声を出すことは可也エネルギーを消耗することが判った。無事山荘まで戻り、木陰で昼食を摂りながら一息つく。

林道の途中で工事をしているところがあり6月4日〜8日まで通行止めの案内板がある。平地に戻り、牧場の牛や馬をカメラに収める。国道に出て様似に向かう。様似の街からアポイ岳が望まれ意外と高度があることに驚く。案内に従い、ビジターセンターの駐車場に車を停める。10台前後の車が停まっている。身支度を整え出発。

完全に整備された平坦な道で合目標識がある。紫のハクサンコザクラに似た花が多い。数組の下山者と出会う。林の中の道を通って五合目の避難小屋に到着する。上方に馬の背が、対面にアポイ山が望まれる。意外と大きな山である。

ここからは小石の混じる道となる。アケボノツツジ、コアジサイなどの咲く低木帯を抜ければ、展望の利く露岩帯となり待望のヒダカソウが群れをなして迎えてくれる。盗掘防止の為か道脇にはロープが張られている。
ペテガリ山方面 アポイ岳
ペテガリ山方面
アポイ岳
馬の背にから山頂まではオダマキ、エゾコザクラ、シナノキンバイなど花のオンパレードとなる。展望も良く太平洋の海岸線、北に続く日高の山々が望まれた。

この高度でこのようなお花畑に出会うことに驚く。山頂直下の8合目からの急坂で一歩一歩が重く感じられるが、岩場に咲くエゾコザクラや黄い花が気持ちを和ませる。やっとの事で山頂に達するが南側から霧が発ち込め視界はなかった。

幌満花畑に廻る気力はなく下山に掛かる。往路、穏やかだった気候は、速い気流に乗って霧が激しく流動していた。この花の山の秘密を少し垣間見た気がした。

人のいない山道を疲れた足に気を払いながら下山する。車のところに戻り、アポイ山荘の風呂でユックリ寛ぐ。釧路を目指し国道236/336と乗り継ぎ豊頃で仮眠する。


神威岳・アポイ岳の草花木

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