ドウの天井

ドウの天井
ドウの天井

【日 時】2002年 4月 7日(日)
【天 候】雨のち曇り
【山 名】ドウの天井(1332m)
【山 域】岐阜
【ルート】 (7:30)上大須ダムゲート前--(9:55)分岐上--(11:40)ドウの天井--
(13:40)分岐上--(15:45)上大須ダムゲート前
【所要時間】8時間15分
【メンバー 】三人


久しぶりの友との山行である。計画ではドウの天井を登った後、薄墨桜見物の予定であった。朝5時に長良川右岸にある道の駅「クレール平田」で待ち合わせる。天気予報通り雨が強く降っていた。兎に角、車1台に乗り込み、根尾を目指し、当地でまた考えることにする。

揖斐川左岸の道からR165に入る。交通量は少ない。根尾に入り、先に薄墨桜を見物して行く。無料の駐車場に停める。雨で早朝にも拘わらず観光バスがあり、人も多かった。生憎の雨で桜は散り、光が乏しく薄墨色の色彩は味わえなかった。しかし雲が山に掛かり、雨あがりの風情を醸し出していた。

雨はやや小止みになったので登山口の上大須ダムを目指す。越波の分岐付近の桜は見頃であった。雨がショボついていたのでロックフィルダムの周辺を廻る。ゲート前に車を停める。午後になると晴れるとの予報で暫く車の中で談笑する。

雨具を着込み出発する。霧状の雨で視界は利かない。少し歩くと上から何やら音が聞こえ、路面に石が落ちてきた。ダム維持用の道路だがあまり利用されていない様子で、辺りには落石が散乱していた。雪が現れる。昨年もこの道を通ったが、昨年より10日ほど早く、暖冬とはいえ今回の方が雪は多そうだ。1時間ほど歩いたところで休憩する。

フキノトウ・バッコウヤナギが芽を出している。談笑しながらクネクネした道を進む。霧の間から下方にグリーン色のダムの湖面が望まれる。揚水ダムとの道と別れる。道路は強い傾斜となる。上部に出ると送電施設があり、その上に揚水施設のような建物があった。この辺りから雪が路面を覆うようになる。少し進んで休憩する。
薄墨桜 上大須ダム
薄墨桜
上大須ダム
なるべく路面の出ているところ選んで進む。道は傾斜も緩くカーブも少なくなるが、雪が壁のように道を塞いでいるところも現れる。スキーの得意なMZ氏が雪を見て俄然ペースを上げる。揚水ダムからの道と出会う。東側から風が吹き込み、霧で東側の視界は利かない。

この辺りから雪はさらに多くなるが、雨後で雪は締まっており、雪の付き方も路面に平行な部分があり危険なところは少ない。上部に行くほど視界は利かず、少し、ホワイトアウト状態になる時もあり、1時間ほど歩いて休憩する。

TZ氏がサッカーボールのようだと言って5mm程の木の実を示す。辺りには涸れたような茶色の実が雪の上に落ちていた。

休憩地点から少し歩くと、駐車場が現れ、右に折り返すように木の階段が現れる。根揚げ松の案内標識がある。一つ一つ階段は広く新しく、山頂近くには、これまた立派なベンチがあった。山頂にはコンクリートで囲まれた二等三角点があり、周りには「東」「西」「南」「北」とかかれた丸太があった。銅版の鳥瞰図が西と東に据えられていた。
雪の壁を行く 霧の中
雪の壁を行く
霧の中
霧が晴れるのを期待して、ユックリ昼食を摂り談笑する。ケータイでメールを打つが圏外だった。寒いと思っていたが、生暖かい風が吹いていた。生憎、霧は深く景観は得られなかったので、帰ることとする。

帰路、フキノトウを少し摘む。送電施設付近で感度があったのでケータイでメールを送信する。この辺りから下は霧も晴れ視界もよくなっていた。対岸の山やダムの湖面なども望まれる。帰りは撮影モードでバッコウヤナギ・アブラチャンなどをカメラに収める。

ふと、こちらをジッーと見つめている視線に気付く。下の斜面を見るとイノシシが止まってこちらを見つめている。MZ氏、TZ氏に伝えるため思わず大声で「イノシシ」と叫ぶ。その声に反応したのか、間を置いてイノシシが斜面を横切る。MZ氏、TZ氏が駆けつけた時には植林帯に入っていった。と、その後をイノシシの子供が勢い良く後を追っていった。野生のイノシシと対面したのはこれが初めてであった。子供はこの春に生まれたのだろうか?

帰りも長い行程で何とかゲート前に着くことができた。R165の混雑はなく、長良川の「クレール平田」で解散となる。

翌日、塩で揉みアクを出し、味噌汁でフキノトウの春の苦い味を楽しんだ。


ドウの天井の草花木

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