池坂峠・春日越

春日越
春日越

【日 時】2002年11月 9日(土)
【天 候】曇りのち雪
【山 名】池坂峠(711m)・春日越(995m)
【山 域】三重
【ルート】 (11:45)池谷--(12:40)池坂峠--(13:10)第二ピーク--
(14:25)春日越--(16:05)池坂峠--(16:50)池谷
【所要時間】5時間 5分
【メンバー 】単独


久しぶりに大台東南部の山の鰔(うぐい)谷高を目指す。西高東低の荒れ模様の予報であったが、このような気候の場合三重南部は快晴の場合が多い。

朝7:00に家を出る。伊勢道の久居で降り、家内の父の見舞いを済ませる。伊勢勢和で高速を降り、大台町でR42を右折する。折角、晴れていた空も目指す方向には薄暗い雲が掛かっている。宮川ダムに達した時は小雨が降り出した。車が一台のみ通行できる新大杉橋を渡り、右折し、父ヶ谷林道に入る。かなり使用されているようで道は意外と良い。二つほど小屋を過ぎる。深い谷を右に見ながら高度を稼ぐ。晴れていれば深い渓谷と対岸の紅葉はさぞやと思わせられた。暫く進むと車止めがあった。雨は霙に変わり、高いところは雪が付いていた。現在位置もハッキリせず、天候も厳しそうで、士気も揚がらないので引き返すことにする。

低地になると雨も治まり、途中で標識を見掛けた池坂峠に行ってみる。R422のこの道は行き止まりになっている。池谷には2人二組の人が池の脇で寛いでいた。車を置き、身支度を整え出発する。

この領域はエリアマップから外れ、地図無しで池坂峠を目指す。植林帯の中を電光を切りながら登って行く。全体の傾斜はあるが道は緩やかに切られている。よく利用されているようで、踏み跡も明瞭だ。左にトラバース気味に進むと石組みの窯跡がある。暫く進むと開けたところに出て、対岸に姿の良い山が現れる。右には峠らしいところから一気に競りあがる山も望まれる。石のゴロゴロするところから樹林帯に入り、少し進むと稜線に達する。

右に野又峠、左に池坂峠の標識がある。平坦な道を暫く進むと池坂峠に達する。南のこんもりしたところが開け、紀伊長島の海岸線が望まれる。風が強くなり、雪雲が飛んで行く。
池坂峠 紀伊長島方面
池坂峠
紀伊長島方面
時間もあるので、先程見えていたピークを踏んで行くことにする。標識と地蔵さんのあるところから登り始める。途端に踏み跡は薄くなる。赤と黄色のテープを追いながら藪っぽい急坂を登る。途中で右目にルートを取り、左に曲がる。サカキが植林されたような開けたところを通過する。再度、林の中に入り、ひと登りでピークに達する。暗い林の中で視界は全く無い。(帰りにこのピークで「池坂の頭」のプレートを発見)

シャクナゲの藪を抜け少し下る。稜線上の平坦な広い快適な道となる。緩やかに登って行くと2つ目のピークに達する。東側に切り開かれたところがある。雪雲も取れ、紀伊長島の砂浜や入り組んだリアス式海岸と青い太平洋が望まれる。

シャクナゲの藪を抜けると少し一気に下る。南国特有の林相で常緑樹にヒメシャラなどの落葉樹が混じる。幸いにもアップダウンのない平坦な尾根道を快適に進む。落ち葉の緩やかな登りとなる。岩場の開けたところに出る。木はあるが展望は利く。異様な山容の古ヶ丸や平坦な仙千代峰が望まれる。大台方面の山頂部は雲で覆われているが、山腹には雪を纏っている。ひと登りでピークに達する。暗い植林帯で視界ゼロ。三角点はなく「山」と書かれたコンクリート柱があるのみだった。古い「春日越」と書かれたプレートが傍らに転がっていた。

まだ2時台でくる時に見た顕著なピークまで行くことにする。いきなりのヤブを下り、右の明るい落ち葉帯を緩やかに下る。平坦な道を暫く進むと緩やかな登りとなる。枯れ竹の開けたところを通過するが、雪雲が飛んでくる。ひと登りで山頂の一角に出る。風が強くなり足元には雪が付いている。平坦な道を進むと標識と二等三角点があり、一目で山頂と分かる。標識には「春日越」と「春日峰」と書かれたものがあった。
仙千代峰方面 山頂
仙千代峰方面
山頂
やっと到着した山頂であったが風が強く雪も降リ出した。そそくさと山頂を後にする。来た道を戻る。帰りは勝手が分かっているのか藪も気にならない。雪雲の盛りは過ぎた様子で途中の開けたところでは雪の大台方面も望まれた。池坂峠のピークで「池坂の頭」のプレートを発見。このピークからの下りで少し道を見逃す。池坂峠手前で二匹のシカが甲高い声を上げて勢い良く横切る。日没前に車のところに戻る。

下調べもなく、地図も持たずに出掛けた山行だったが、結構、楽しむことができた。この辺りにはピークに対してではなく、尾根・稜線に対して「XX越」という知名が付けられている。「越」にはどのような意味が込められているのだろうか。


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