コブシ嶺・堂倉山

コブシ嶺・堂倉山

コブシ嶺の南から又剣山方面

【日　時】	2004年 5月29日（土)
【天　候】	晴れ
【山　名】	コブシ嶺(1410m)・堂倉山(1414m)
【山　域】	奈良・三重
【ルート】	(12:10)駐車場--(12:40)尾鷲辻--(13:25)右折ピーク-- (14:15)コブシ嶺--(16:30)堂倉山--(17:05)尾鷲辻-- (17:40)大蛇嵓--(18:00)尾鷲辻--(18:30)駐車場
【所要時間】	6時間20分
【ﾒﾝﾊﾞｰ】	単独

週末は全国的に雨の予報だったが、南部は持ちそうな予報になった。金曜に人間ドッグを受け、若干、体調を崩し気味で、寝起きもイマイチで、久しぶりに大台ヶ原に出掛けようと決めた時は８時を廻っていた。あまり回転しない頭で、ウロウロと準備をしていると、出発は９時になってしまった。

東名阪・Ｒ２５・針・宇陀仁と通りＲ１６９に入る。以前の曲った神経を遣う道に比較して、ダムサイトの道はスピードが出せ快適に走る。新伯母峰トンネル出口から大台ヶ原への県道に入る。電光を切りながら高度を揚げる。下方にＲ１６９を見て、トンネルを抜け、伯母峰のバス停を左に見る。小処温泉の分岐を右に見て、片側通行の信号を過ぎる辺りから、後方に和佐又山荘への道、和佐又山、小普賢・大普賢へのピナクル、七曜、行者還などの大峰の山々が見える。川上辻には車が一台停まっていた。正午近くに大台ヶ原に着いたが、駐車場は意外に車は少なかった。車を停め、ビジターセンターを訪ね、用を足して、身支度を整え出発する。

青空が覗き、陽射しが強く、雨の心配はなさそうだった。尾鷲辻へのルートに入ると、軽トラと行き交う。舗装されたところもあり、遊歩道といった感じである。谷の水辺にはバイケイソウが咲いていた。道の両側は金網やロープが張られ、シロヤシオが此処其処に咲いている。作業資材を積んで二人がモノレールに乗ってエンジン音を発てていた。低い笹が現れ、尾鷲辻に出ると、日の出岳・大蛇嵓のルートと交差し、沢山の登山者が往来していた。

東屋の横を抜け、尾鷲道に入ると、人声が途切れる。倒木は多いが、やや幅広の古道は急なところはなく、左にトラバースしながら緩やかに下っていく。イワタバコの群生する辺りから尾根に乗る。鞍部のようなところに出て、黄色いテープが堂倉山に伸びているが帰りに寄ることにする。堂倉山を左に見て平坦な捲き道が伸びる。道は概ね、稜線の西側に付けられているが、北面になるところは崩壊したところもある。稜線に上がると、テープが走っている。石楠花など木立で見通しの利かない稜線を辿り、視界の利くピークのようなところに出る。休憩がてら、地図を確認する。


イワタバコの道	堂倉山山頂

南側から雲が湧き出す。右に曲る様に下り、鞍部に達する。登り返しとなるが、崩壊部があり、稜線に登るとガスも取れ、コブシ嶺が現れる。東側は崩壊した裸地に密生した幼木が斑模様を成している。霞が掛かり遠望は利かず太平洋は望めない。やや急な坂をテープを辿ると、開けたところに出る。右の林に進んだところがコブシ嶺山頂だった。このルート初めての標識が木に括られていた。木立で視界は利かない。

北側に進むと開けた倒木帯となり、平坦な大台ヶ原の頂部が望まれる。南に下ると風衝帯なのか裸地となり大きな視界が展がる。眼下に東の川が深い渓谷を刻み、対面には西大台から伸びる竜口尾根の又剣山が険しく迫る。遥か西には大峰の長大な山々が北から南へと伸びている。このルートで展望が得られたのはこのポイントのみであった。

尾根を辿りながら帰路に着く。右折ポイントから少し進んだところに往路では気が付かなかった峠があった。休憩を取っていると、アカゲラのような鳥が此方を窺いながら、近く木を飛び回っていた。石楠花は終わりに近かったが二房の花を見る。鞍部まで戻り、黄色いテープを追う。緩やかに登っていくと、近くにアンテナ施設のある堂倉山に着いた。木立で視界は利かない。少し先に進んで見るが見覚えのないテープがあった。


コブシ嶺	コブシ嶺山頂

来た道を辿り、尾鷲辻まで戻る。空身で大蛇嵓を目指す。良く均された道で、満開のシロヤシオが出迎える。牛石ヶ原付近では鹿が群れを成し、近づいても逃げ出そうとしない大蛇嵓への分岐からはアカヤシオも咲いていた。大蛇嵓は４度目ほどの訪問になるが、そそり立つ岩壁、平坦な大地から落ちる滝、遥か下を刻む渓谷、息を飲むような大きな光景が展開する。先ほど登ってきたコブシ嶺方面の眺望は得られなかった。


牛石ヶ原	大蛇嵓

尾鷲辻まで戻る。夕暮れとなり、霧も掛かり始めた。音を発てながら進むが、時々鹿が声を発する。車のところに戻るとフロントに雨粒が付いていた。川上辻で登山口を確認するが、通行止めの標識があった。着替えを済ませ帰途に就く。

私の初めての登山が、尾鷲側から尾鷲道を辿り大台ヶ原に達し、大杉谷を下って海山町の船津に抜けたものと記憶している。高校時代の２泊３日の山旅で、今回、それを辿って見たつもりだったが、その記憶は何一つ蘇らなかった。

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