野伏ヶ岳・薙刀山


野伏ヶ岳から薙刀山
野伏ヶ岳から薙刀山

【日 時】2008年 4月12日(土)
【天 候】
【山 名】野伏ヶ岳(1674m)・薙刀山(1647m)
【山 域】白山(岐阜)
【ルート】 (6:10)白山中居神社--(8:05)和田山牧場--(9:00)ダイレクト尾根--(10:35)野伏ヶ岳--
(12:25)薙刀山--(13:55)野伏ヶ岳--(15:40)和田山牧場--(16:50)白山中居神社
【所要時間】10時間40分
【メンバー 】二人


南紀の友人us氏から雪山に行きたいとのメールが入った。当初は西美濃の烏帽子・高丸を考えていたが、雨が降ったので石徹白の野伏ヶ岳に変更する。2005年 4月29日に登った時は雨で氏にとって今回はリベンジとなる。

ic近くで待ち合わせ、一台の車にして出掛ける。R23,堤防道、R21、R156と繋ぎ、白鳥で食料を調達する。白山中居神社には24:00に着いたが車2台が停まりテントが張られていた。朝日添橋まで移動して車中泊とする。朝、冷え込みはなく起きてみると薙刀山が見えた。朝食を摂り神社まで移動する。昨夜から車が3〜4台増えて、皆、山の準備をしていた。我々もスパッツを装着して出発する。

石徹白川沿いの林道は通行止めのガードはなかった。橋の手前には5〜6台、渡ったところには2台の車があった。少し進むと砂防ダム上に釣り人がおり、道路右に新しい施設が建っていた。この辺り、雪は全く無く心配になる。導水管の破損箇所から勢いよく水が噴き上がっている。車が2台停まっているのに驚く。雪が現れるとそのまま雪道になり一安心する。植林帯の林道はジグザグで水平歩きが長く高度が稼げない。辺りの山の頂部には薄いガスが掛かっている。小憩を入れる。

歩き出すと、明るくなり太陽も射し始めた。青空が見え、林道を抜け和田山牧場に出ると野伏・薙刀が現れホッとする。芦倉山を見ると先週に比べ雪が少ない。「拓牧」と書かれた石碑と一本杉の近くで腰を下して休んでいると5人グループがやってきて歓声を揚げていた。
石徹白川 拓牧碑
石徹白川
拓牧碑
野伏 薙刀
野伏
薙刀
牧場を横切り、雪で覆われた池の渕を通る。平坦なサドル地形を通り、左の池を1/4ほど回り込んだ ところで先のグループが休んでいた。一気の急坂となり、先行者のトレースを追う。喘登をこなすとダイレクト尾根に乗り小白山が姿を表す。尾根の末端から登ってくる人もいる。小憩。

ダイレクト尾根は、登るほど潅木も疎らになり景色が展け、眼下に蛇行した池の流路が望まれる。早朝から登った単独行がもう降りて来た。薄っすらと高層雲はあるが、風はなく照返しで暑さを覚える。強行軍のせいかUS氏の足取りが重くなる。2箇所ほど傾斜のあるところを通過する。逆目の笹薮を雪を拾いながら乗越すと、山頂直下の広い雪原に出る。
和田山牧場方面 小白山
和田山牧場方面
小白山
丸く広い雪原の山頂からは360度の展望が待っていた。毘沙門・大日・芦倉・丸山・銚子・三の峰・別山・別山東尾根・白山・常願寺・薙刀と馬蹄形に視線を巡らせ、西に目を転ずれば赤兎・経が峰の雪山が迫る。小白の北峰と本峰の間のナイフリッジも識別できる。追って到着した5人グループに記念写真を頼まれる。埼玉から来た人達で19時に出て1時に神社に着いたとのこと。
野伏ヶ岳山頂 赤兎方面
野伏ヶ岳山頂
赤兎方面
時間も早いのでUS氏の賛同を得て薙刀に向かう。此方にはトレースは無く、踏み入るのは私達のみ。帰路のことも考え小刻みにステップを切って下る。急坂の東側はクレバスが走っていたが、笹を渡ると安定した雪斜面に出た。やや尾根西の潅木帯を選ぶと、ヤブ漕ぎせずに雪原に出た。平坦なルートになると潜り始めたのでワカンを装着する。鞍部まで快適に下り、緩やかな登り返しとなる。期待していた和田山牧場からの来訪者はなかった。US氏はワカンの締め紐が緩み、体力も消耗したようで途中で諦める。小さな雪壁を乗越し、頂への稜線に乗る。山頂直下は笹藪が出て西側の薄いところから回り込む。

薙刀山頂も360度の展望が待っていた。眼前の北の稜線沿いに見えるのは日岸山・ヨモ太郎山だろうか?野伏ヶ岳もそれほど高度を感じない。
薙刀から日岸山・ヨモ太郎山 薙刀から丸山・芦倉山
薙刀から日岸山・ヨモ太郎山
薙刀から丸山・芦倉山
雲が出てガスが出始めたのでおにぎりを一つ食べ、辺りの景色をカメラに収め来た道を戻る。どこかから人声が聞こえる。待っていたUS氏に追いつく。彼によれば、沢山のスキーヤーが野伏ヶ岳から滑っていたとのこと。風の無い鞍部でストーブを点け食事タイムとなる。

登り返しはガスで視界は20〜30Mとなる。急斜面になると往路で小刻みに切った足跡が役に立つ。黙々と足元のステップを辿っていくとガスの中に人が現れ呆気なく山頂に出た。

踏み跡が多くワカンが効かないので外す。笹薮を抜けると雲の下に出てガスが晴れた。スノーシューを付けた単独行が藪を避け雪斜面を登っている。恰好の斜面だが午後の湿雪で滑らず。ズルズルと下っていると下降箇所を過してしまう。山頂で会った人が引き返して登ってくるので何事か聞いてみるとGPSを落としたとのこと。ショートカットで池の淵に降りたところで持ってきた食料を平らげる。

牧場に戻って振り返れば野伏ヶ岳に掛かっていたガスも取れていた(薙刀は相変わらずガスが掛かっていた)。雪のある部分はショートカットしながら植林帯の林道を下る。一緒に下った2人の単独行は雪の現れるところまで車・オートバイで来ていた。GPSを落とした人は春日井の人で次週も雪が在るか聞かれた。石徹白川沿いの林道は通行止めになっていた。車のところに戻る。大杉下の湿地にはミズバショウ・ザゼンソウが咲き始めていた。
ミズバショウ ザゼンソウ
ミズバショウ
ザゼンソウ
US氏はすっかり草臥れた様子だった。白鳥スキー場からの石徹白三山は連なるような笠雲が掛かっていた。
笠雲の石徹白三山
笠雲の石徹白三山
帰路は高速を利用する。私は20時30分帰宅だったが、南紀の彼は24時に家に着いたとのこと。翌日、GPSのトラックを送ってもらう。


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