入道ヶ岳


重ね岩から鎌ヶ岳を望む
重ね岩から鎌ヶ岳を望む

【日 時】2008年 9月 7日(日)
【天 候】
【山 名】入道ヶ岳(906m)
【山 域】鈴鹿(三重)
【ルート】 (12:00)宮妻峡--(12:45)奥の沢登山口--(13:45)林道終点--
(14:20)入道ヶ岳--(15:30)重ね岩--(16:15)奥の沢登山口--
(17:00)宮妻峡
【所要時間】5時間00分
【メンバー 】単独


本州南岸に寒冷渦のような低気圧が一週間以上停滞した。この低気圧の北東〜北の縁辺でテーパークラウドが発生し、岡崎や御在所周辺に深刻な被害をもたらした。ジェット気流が蛇行し停滞前線が南北に走る天気図はあまり見たことがない。低気圧は西進し九州付近で無散した。大陸育ちの高気圧が日本を覆い始め、やっと安定な気圧配置になったので10月に案内する鈴鹿のコースを偵察に行く。

家を出て亀山からR306に乗る。道の駅「菰野」まで足を伸ばす。道の駅の奥で近くの住民が救援用ダンボールを集めて袋に詰めていた。希望荘は休業で川は泥の流木が散乱していた。スカイラインは熊牧場の上のゲートが閉まって、車やバイクが20台ほど路駐していた。R306を戻り、宮妻峡に向かう。此方は崩壊個所もなくキャンプ場の駐車場に着く。キャンプ場は何も無かったかのように賑わっており、朝明や御在所の客が此方に廻った感もする。

身支度を整え出発する。コースはとにかくエスケープルートの林道を歩くことにする。この林道が使えないようでは、計画も立たない。鎌ヶ岳カズラ谷コース登山口を右に見るとゲートがある。入道ヶ嶽・冠山国有林の案内板の先には交通止の看板がある。谷で一箇所抉られているところがあったが林道に崩壊個所はない。単独行が二人下山してきたので辿行ルートの状況を聞く。二人ともカズラ谷〜鎌〜水沢ルートで、「カズラ谷は足場がグニュグニュで歩き難かった」「水沢から降りて来る時、登山者と合ったので林道の状況を聞いた」等と言っていた。水沢岳登山口を右に見て、奥の沢登山口で一服して昼食を摂る。

地道になり縄を張った黄色い安全第一のゲートが道路中央にある。降りてきた老夫婦は途中で引き返したと言っていた。コンクリート道になり表面を水が流れている。夫婦連れに会うが、入道まで登ってきて崩壊個所はないとのこと。分岐から崩壊防止壁の方を覗くと雲母峰が望まれた。林道終点からザレ目の道をジグザクに登っていく。ひと登りで草地に出て展望が開ける。低い笹原となり点在する斜めに成長した立木が風の強さを語っている。「新道通報ポイント7」に風見があり一服する。鎌・雲母を見渡せ、吹き上がる風で風見の方向が振動する。
笹原 風見
笹原
風見
傾斜が緩みアセビの間を抜けると北尾根コースと出会い「通報ポイント10」となる。少し下り椿大社からの直登コースを見る。草付のコースで雨の影響は全く無いようだ。

山頂は北よりの風が強い。宮指路・仙ヶ岳・野登が望まれ、階段状に採掘され山肌を露出した鳩が峰が痛々しい。山門を潜り東側の草地からは桑名・四日市の市街地や伊勢湾が一望となる。風が強いので早々に山頂を後にする。
山門 宮指路・仙ヶ岳
山門
宮指路・仙ヶ岳
伊勢湾方面 椿大社奥の宮
伊勢湾方面
椿大社奥の宮
分岐まで戻り左折。ここからの鎌が岳の景観も良い。少し進むと鳥居と祠の椿大社奥の宮がある。この裏を登り、平坦な潅木帯に「通報ポイント イワクラ尾根7」の標識がある。下り切ったコルの岩場は左にロープがある。アップダウンを繰り返し、二つに割れた岩場に出たところが「通報ポイント イワクラ尾根4」で三角錐の重ね岩に出る。眼下に落込む谷が緑に覆われ、鎌・水沢・雲母の姿に迫力を感じる。小憩する。

「通報ポイント イワクラ尾根3」から奥の沢を下降する。テープ類が全く無い。踏み跡、ケルン、「通報ポイント 奥の沢x」の標識が頼りになる。基本的には沢沿いに下れば良いのだが、時々何も無くなる。そんな時は勘に任すのだが案外当たる。幸いにも大きな滝もなく林道に出た。子供連れの夫婦が子供を裸にして水遊びをしていた。小憩する。

林道を下る。途中、林道から下り不動の滝に寄る。数量が多く釜の水も透き通り迫力があった。鎌が岳登山口ゲート手前でマウンテンバイクで登ってくるカップルと行き交う。車のところに戻る。
重ね岩 不動の滝
重ね岩
不動の滝
今回の豪雨では御在所、朝明渓谷に集中して被害があり、特に裏道が深刻な状況で、藤内小屋が崩壊、日向小屋の基礎部が抉られた状態になっている。スカイラインも何箇所か崩壊個所があり復旧の見通しの目処は立っていない。登山道の表道・峠道は問題なく、山一つ隔てた宮妻側では何でもなかった事実から災害は紙一重だなという思いがする。


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