釈迦ヶ岳

釈迦ヶ岳
釈迦ヶ岳

【日 時】2010年 8月21(土)
【天 候】晴後雨
【山 名】釈迦ヶ岳(1800m)
【山 域】大峰(奈良)
【ルート】 (5:35)前鬼林道ゲート--(6:10)前鬼宿坊--(7:50)二つ岩--
(8:50)太古の辻--(9:30)深仙の宿--(10:30)釈迦ヶ岳--
(11:25)深仙の宿--(12:00)大日岳--(12:25)太古の辻--
(13:00)二つ岩--(14:00)前鬼宿坊--(14:30)前鬼林道ゲート
【所要時間】8時間55分
【メンバー 】単独


釈迦ヶ岳は大峰の主峰の一つで二百名山に挙げられている。1998年に旭コースから登ったが、今回は前鬼コースを採る。金曜の午後から出かけ、竜門ヶ岳を登って前鬼に向かう。バス停から林道に入る。水量の多い不動の大滝は迫力がある。ゲート前に到着。駐車場で仮眠をとる。翌朝起きて、サンドウィッチを食べる。久しぶりの日帰りの長時間をコースの出発である。食料と飲料をやや多めにザックに詰め込む。

吊橋コースは通行止めの案内がある。ゲートを抜け谷の沿った車道を坦々と進む。空は晴れている。橋を渡ると広い鬱蒼とした自然林の様相となる。道路は曲がってショートカットできるところもある。遥か上方に朝日に照った大日岳が望まれる。林道終点から少し登ったところに前鬼宿坊がある。木造の建屋に朝日が当っている。

宿坊から階段を登って行くと石垣の宿坊跡がある。杉の大木が多い。左に曲がる。石段を登って行くと祠がある。左は荒れた感じで大きな石がゴロゴロしているがそんな中でも杉が生育している。一度右岸に渡り、もう一度涸谷を渡る。ケルンやテープはあるがこの辺りが判り難い。少し上に二つ連続して大峰奥駆道の黒い杭標識がある。自然林の大木の鬱蒼とした森になる。徐々に斜度が増し、苔むす岩から木の階段が現れる。大きな岩が現れこれが二つ岩かと勘違いして休憩(カラクリ不動岩)。木の階段が連続する。一定の歩幅で呼吸は整えやすい。階段を登り右に曲がって二つ岩に着く。制多伽童子、矜伽羅童子と書く「セイタカ」「コンガラ」は字を充てたものか。

ここからはトラバース道でほぼ水平のルートで若干のアップダウンが混じる。ガレ場の横断には鎖や木の階段がある。木階段がずれているところもある。崩れた沢を越えると上部から大きく崩れ落ちている開けた涸沢に突き当たる(熊の水場)。ここからは一気の急坂になり階段が続く。前方に大日岳が望まれ背の低いスズタケの道になり開放感がある。朝露で靴、ズボンが濡れる。やがて稜線に出て太古の辻に到着。これより南大峰奥駆道の標識がある。ここまで3時間弱。暑いので木陰で一服。釈迦ヶ岳まで2km。

道標に従い大日岳の西側を捲くように進み北の肩に出る。行場の案内があるが、帰路に立ち寄ることにして先に進む。そのまま北に進路を採る。ルートは大日岳の北西に派生するピナクルの西側を捲くように延びている。やがて緩い下りとなり、深仙の宿に着く。台地状の広々とした鞍部。北には大岸壁が並び行場らしい。青い屋根の建物が一般向けで参詣堂は行者用らしい。不要な荷物をデポして釈迦ヶ岳に向かう。

ブナ林の山腹をジグを刻みながら高度を揚げる。稜線に出たところに穴の開いた岩場がある(極楽の都津門、胎内くぐり)。徐々に高度を揚げていくと旭コースの尾根が見えてくる。吉田ノ森の辺りの開けたピークも望まれる。スズタケも膝頭ほどになり道の段差に注意を要する。分岐には旭コースからの二人登山者がいた。トウヒ、シラベなど針葉樹に変わる。やがて道は平坦になり、釈迦ヶ岳山頂に出る。

頂上は三組10名ほどの登山者がいた。ガスであまり視界は利かず、西側の下部、北側の近くの稜線が望めるのみだった。釈迦如来の大きな像をカメラに収める。西側に座り、食事タイムとする。晴れれば大峰の主脈や果無山脈、護摩段山や伯母子山などの大展望が望めるとのことだが今回も眺望には恵まれなかった。

他の登山者はノンビリ寛いでいたが、ガスが出て来たので、下山にかかる。深仙の宿に着き荷物を回収。香精水は岩の間からの滴で受け鍋にポタリポタリと落ちていた。意外に量は有る様に思えた。傍らに「岩の乳」との句がある。鋸岳の岩屋の水場を思い出す。

北の肩から行場の大日岳(宝冠岳)に向かう。取り付きにザックをデポ。空身で岩場に向かう。鎖場の手前で左前方に蛇がいる。幸いにうしろ向きでジッとしている。そのまま登って乗り越すが、若干気が引けてしまう。右を見ると黄色のテープがあったので直登は諦め捲道を辿る。テープを辿ると山頂に出る。ここにも仏様の大きな銅像があった。鎖場を覗いてみる。ガスが掛かり視界はない。

取り付きまで戻りザックを回収。道なりに下り太古の辻へ。小休憩して下りに掛かると、とうとう雨が降り出した。雨脚は弱く通り雨の様相でザックカバーのみ装着。20cm程の笠のキノコが生き生きしている。二つ岩で一服。森の中暗くユックリ下る。涸谷の渡りで迷う。前鬼宿坊には大阪ナンバーの車が停まっていた。残った食料を食べ林道をトコトコ。ゲート前にはバスが2台、自家用車が3台、駐車場には1台の車があった。川に下りて汗を流す。車内で着替えていたら、不動の大滝方面から数人の登山者が通り過ぎる。

高校野球決勝戦を聞きながら帰途に就く。本日は北に行くほど晴れていた。今回はわざわざ雨域に来てしまったようだ。





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