摺古木山〜安平路山(中央アルプス)・南木曾岳

安平路山
安平路山避難小屋から安平路山を望む

【日 時】2010年 9月10日(金)
【天 候】晴れ
【山 名】摺古木山(2168m)・安平路山(2363m)・南木曾岳(1679m)
【山 域】岐阜・長野
【ルート】 (5:40)摺古木小屋--(6:55)摺古木山--(8:25)白ビソ山--
(8:55)安平路山避難小屋--(9:55)安平路山--(10:35)安平路山避難小屋--
(11:35)白ビソ山--(11:50)摺古木山--(13:50)摺古木小屋==
(15:15)南木曽山麓避難小屋--(17:20)南木曾岳--(19:15)南木曽山麓避難小屋
【所要時間】8時間10分・4時間00分
【メンバー 】単独


久しぶりに車中泊に出掛ける。近距離でボリュームのある山ということで中津川周辺の山に決める。当初は南木曾岳・奥三界山・小秀山に登る予定だった。講座を終えて10:00過ぎに家を出る。蘭に着いた時は16時を過ぎていた。中途半端な時間だったので、以前から、考えていた中央アルプス南部の摺古木山・安平路山を目指す。県道に入り夏焼山・兀岳登山口の大平峠のトンネルを抜ける。ここからドンドン下っていくので不安になるが、暫く下ると太平宿に着く。ここから林道に入るが舗装道路はすぐにダート道になる。許可無く一般人車の立ち入りはご遠慮下さい、とあり、ロープが張られている。長く凸凹が多く荒れた林道で、かなりの高さまで登る。右手にトイレが現れるとその奥に摺古木小屋があった。他に車はない。摺古木小屋はきれいに掃除されていた。ノートを見ると朝は朝露でビショビショになったとある。直ぐに暗闇になり寝床に就く。静寂が訪れると考えていたが飛行機の往来の音が聞こえる。夜間雨が降る。夜半に起きると星が見えた。

起きると対面のアザミ岳に僥倖が当り、晴天になった。朝食を済ませ、雨具を装着して出発。笹が多く早速朝露の攻撃を受ける。急な登りのあと、風穴山を捲く平坦な道となる。笹原を抱いたなだらかなアザミ岳が印象的である。2〜3の水場を通り、次の水場前の分岐で摺古木までの直登コースを進む。急な道で中間に大岩がある。振返ると雲海の上に恵那山が顔を出している。登りきると暫くシャクナゲの混じる平坦な道となり、視界が開ける。急な坂を登りきったところが一等三角点のある摺古木山山頂である。北には中央アルプスの山々が間近に望まれる。御岳・乗鞍の独立峰が大きく展がり、北アルプスも望まれる。東には南アルプスの連嶺が連なり双子峰の池口から山岳同定を始める。これから目指す安平路山は見えず、中間の白ビソ山の前衛峰が大きく立ちはだかっている。景観を楽しみながら、小休憩。

一旦大きく下った後、登り返しとなる。見えていたピークを左に捲くと緩やかなアップダウンになる。広い稜線を右に左にコースが続いている。笹原の中に倒木がある。道を塞ぐような倒木もあるが、迂回の踏み跡もある。笹原の疎林がある。幾つか小ピークを越えれば緩い登りとなり白ビソ山に着く。その名の通り鬱蒼としたシラビソの林立するところで、標識が無ければ見落としそうな山頂であった。

右手に安平路山の面影を感じながら右に迂回するように緩やかに下って行く。快適に下り森から抜けると明るい陽射しの笹原となる。中ア越百から南稜線の大きなガレ場が見える。目の前に安平路山避難小屋が現れる。赤い屋根の避難小屋の背後に安平路山が迫る。小じんまりしたログハウスだが、玄関の戸が壊れて開いたままになっている。日記帳のボールペンのインクが途切れていた。不要な荷物をデポし安平路山に向かう。

水場までは平坦な道である。ここからは急坂で喘登となる。右の谷の水音が途切れる。振返ると赤い屋根の避難小屋、その背後に白ビソ山が望まれる。傾斜が緩み山頂に到達。明るいが樹木で見通しは利かない。越百への道は笹で覆われ踏み跡は薄くテープのみが頼りでとても困難なルートに思えた。越百〜安平路山を踏破したなら、ここからは高速道にように感じるだろう。

下山にかかる。安平路山避難小屋着。雨具の下の破れたところを応急処理。小屋の戸は皆開かれているが掃除の行き届いた奇麗な小屋である。緩やかに登り返してた白ビソ山。日が高くなるが涼しい風が吹き発汗は少ない。摺古木山までのピーク越えも難なくこなし、摺古木山で一服。南ア・御岳には雲が掛かり出したが中アや乗鞍などの景観を楽しむ。摺古木公園には行かず。恵那山・アザミの景観を見ながら車のところに戻る。

14時前の下山。その足で蘭に向かう。キャンプ場の上では道路工事。南木曽山麓避難小屋手前の駐車場に15時過ぎに着いた。直ぐに出発。南木曽山麓避難小屋でキャンプ場の管理人から「今から登るのか」と聞かれる。「19時頃に降りるつもり」と応えると熊よけのスズを付けていけと言われる。谷沿いに行くと東屋があり林道に出る。登山口では夫婦の下山者からも「今からですか」と言われる。谷沿いの山道になる。分岐では老夫婦が寛いでいた。左の登りルートを進む。金時ノ洞窟を左に見る。谷中の大きな石の間のルートで梯子や鎖が次々に現れる。谷から離れるとヒノキやコウヤマキの樹林帯になる。急坂が続き、開けたところに出ると大岩が現れる。左は鎖場だが右に木の階段橋が出来ている。階段を登るにも息が切れる。次はかぶと岩。岩を望むところに空に突き出るところからこの名が付いたとある。岩の左を抜けると若干傾斜が緩む感じがする。安平路山に比較し標高が低いせいか全身大汗となる。

山頂は木立に囲まれ展望はない。少し下ると岩の展望所があるが霞が掛かって眺望は利かなかった。下山道は緩やかな両側にロープが張られた山稜の竹笹のルートとなる。赤い屋根の避難小屋を右に見て上の原の分岐になる。若干のアップダウンをこなすと右下に古い非難小屋を見る。登り返しとなり、ピークに達する。真っ直ぐ行くと摩利支天大神の大岩になる。蘭方面に下りになる。暗くなるのを予想してヘッデン準備。急降下の梯子、鎖場が続く。足元に注意しながら慎重に下る。中腹辺りで日没を迎えヘッデンを点ける。迷うところはないが、斯様な急坂での夜間行動は始めてである。梯子で一度踏貫くが事無きを得る。なんとか分岐に到着。谷沿いのルートも明瞭だった。林道に出てホッして時計に目を遣った時、道路を横切る溝に足を取られ転倒。幸い怪我はなかった。山麓避難小屋には車が一台停まっていた。駐車場の車のところに戻る。

管理人に熊避けスズを返却。温泉の割引券を貰う。貸切状態の温泉に浸り汗を流す。安平路山に留めれば良かったが、南木曽山は余計だった。夜間登山は避けた方が良いと思う。また改めて登れればと思う。




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