御岳

御岳山頂から
御岳山頂から

【日 時】2012年 9月24日(月)
【天 候】晴れ
【山 名】御岳(3067m)
【山 域】長野・岐阜
【ルート】 (11:40)田の原登山口--(12:40)金剛童子--(13:45)一口水--
(14:30)王滝頂上--(15:05)剣ヶ峰山頂--(16:45)八合目石室--
(17:45)田の原登山口
【所要時間】6時間50分
【メンバー 】二人




9月中旬から家内の百名山で残っている妙高周辺の山を計画していた。が、台風の通過待ちをしいたら今夏二度目の風邪をひいてしまった。やや快方になったので9月22日の午前8時頃家を出る。完全年金生活者には高速を使うゆとりはない。R23/堤防道/R21/R19号/R154と国道を繋ぎ、大町に着く。翌日から山中生活に入るためスーパーで食料類を調達。このスーパーは時々利用していたが経営者が変わったのか安い。白馬で温泉に入る。既に日は落ち、小谷を通りトンネルを抜けたところを左折。ワインディングしながら高度を稼ぎ、雨飾山登山口に着く。土曜日でキャンプ客などもあり数十台の車があった。約12時間の移動であった。荷物を全て前の座席に移動して寝床を作る。家内はこの車での車中泊は初めてである。8時頃睡眠に付く。家では半袖、半ズボンだったがここでは夏物だが長袖、長ズボンでシュラフでも寒い。

翌朝は朝から雨模様。出発して行く人もいるが帰る人もいる。予報を聞くと午前中は雨で午後は曇りとのこと。山は諦め、白馬を散策する事にする。駅前で家内が家に電話する。案内所で地図を貰い、図書館に行く。ネットで気象予報を検索するが、明日もこの地方は芳しくない予報。魚谷と雨飾山の本を読む。深田久弥が雨飾山を百名山選んだエピソードなどや二度目の奥さんの話があり面白く読めた。昼食は駅前のラーメン屋に入ったが、量が多く驚く。大食漢のような客が多かった。午前中は雨だったが午後は少し小止みがあった。再び図書館に戻り、続きの本を読む。1〜2時間読んでいると疲れを感じる。気晴らしに外に出る。体育館らしい建物があり、ドチャンという大きな音が聞こえる。入ってみると筋骨隆々の人達が多く、拡声器で試技を説明している。パワーリフティングの日本選手権が行われていた。一般客はほとんど居らず、仲間内の競技のように感じたが、沖縄から北海道まで参加者が居た。小谷道の駅の温泉に浸る。雨もあがり青空も見え明日の晴天を期待する。雨飾山登山口には車が1台。青森からの夫婦連れで昨日は白馬に登ったとのこと。車中泊となる。

夜間から雨が降りだした。起床してみると遠くに雷光が見える。青森の夫婦や早朝に来た人は出発していった。対面に駐車している若い人は迷っている。午前は雨で午後は回復する予報だが雨の中を出発する気にはならず引き返すことにする。五龍の道の駅ので一服しているとトイレで家内が対面に駐車していた人達と会った。奈良から来た親子連れのようで前日まで雨の中を白馬に登っていたとのこと。松本に出ると雨上がりの晴天になった。時間も早いので替わりの山と言う事で午前中に登山口に着くことを目標に御岳を目指す。松本で給油。松本〜塩尻は通勤時間帯でやや混雑するが、R19に入るとスムーズになる。木曽福島から右折。大滝からワインヂング道路でグングン高度をあげる。なんとか午前中に田の原登山口に到着。トイレの完備した大きな駐車場で月曜にも拘わらず満車状態。下山した人が帰っていったスペースに車を止める。同時に到着した単独行がサッサと出発していく。少し雲が掛っているが山頂の建造物もチラリと望まれた。

身支度を整え出発。右に潜り門を見て暫くは、広い平坦な道である。緩やかな坂になるが枕木の補助ステップがあり歩き易い。山岳宗教の盛んな修験者の道らしい。立派な大江権現社が現れる。道は泥の混じる枕木の階段道となる。高山らしくツガ系の木が混じる。徐々に勾配が増し喘登となる。森林限界を抜ける。金剛童子の社で釣鐘を叩き休憩する。三々五々下山者と行き交う。下界はスッキリと晴れ渡り三笠山や登山口の駐車場が見える。対面の中央アルプス方面の中腹から上部は雲が掛っている。

火山性の低木帯になる。八合目石室を左に見る。ややルートは左上方に向かう。長袖だが夏のウェアでやや寒さを感じる。時々流れるガスの合間に用を足す。九合目の石標を左に見て一口水で休憩。大岩の下二ヶ所から、水が落ちている。岩場にはイワツバメのような鳥ともう少し大きい鳥の巣があるようで早いスピードで飛び回っている。

急な階段は補助的にコンクリートで固めている。9月下旬の月曜だが下山者には子供連れが多い。上方にホテルのような山小屋が、霧の中に見え隠れするが、なかなか到着しない。この辺りになると、低草木も紅葉状態。完全に喘登となり、ゼイゼイと息をしていると、軽やかな足取りの女性の下山者が微笑んでいた。

王滝頂上小屋は、既に宿泊者が寛いでいた。先に出発して行った人と行き交う。吹き上げる風が冷たく大滝社を通って下った岩陰で上の雨具を装着する。前方に螺旋状のモニュメントと羅漢の像が、その上には岩場の中にチベットのラサを思わせる剣が峰の山頂小屋が現われ、西には小さな火口があり蒸気を噴き上げている。小憩後、最後の登りに掛かる。鞍部を南東よりの風が吹きぬけるが硫黄臭はない。この時間の登山者は他にない。上空は青空で赤茶けた火山岩の中を進む。前方に小屋が見えているが、空気が薄くなり思っているほど歩は進まない。単独行が下りて来る。剣が峰山頂小屋に達し、最後の階段が辛く感じられた。

山頂には大きく立派な社があった。三角点には側面が平い石で囲まれていた。釣鐘は在るが叩くものはない。眺望は素晴らしく眼下に一の池・二の池・二の池小屋大きく広がり、時間の経過と伴に視界は良くなっていった。小屋泊らしい老年の二人が酔っ払いにような会話をしている。時間も遅いので下山に掛かる。

王滝山頂で小休憩。十数名の小屋客が寛いでいる。下りに掛ると最近の山ガールを思わせる若い女性が登ってきた。見たところシッカリした装備で小屋関係の人かなぁと思われた。一口水辺りからイワスズメの雛のような鳥が近くに現れる。飛び立ちもせず暫く歩む方向と一緒になる。八合石室で休憩する。17時近くになったがここまで来れば日没までには着けそうである。振り返れば、登ってきた山稜が望まれ溜飲をなでおろす。薄暗くなった泥の混じる枕木帯を慎重に通過する。大江権現に達した時はホッとする。砂利道になる所で単独行が急ぎ足で登ってくる。装備はちゃんとしているようなのでこれも関係者なのだろうか。振り返ると雲がピンク色になっている。駐車場に着くと暗闇になり大滝小屋・山頂小屋・三の池小屋の灯りが御岳のシルエットの中に映えてた。

帰路に付く。可也疲れたので温泉を探す。大滝の前の温泉は泊り客のみ。大滝温泉は可也山奥まで行かねばならない。ナビで探しながら進むがない。R19に出て道の駅近くに桂温泉を発見。やや廃れた感じではあるが温泉にありつく。三岳の道の駅に戻り、ストーブを炊いて夕食を摂り、車中泊となる。


囲炉裏村トップページへ      ホームページにもどる