果無峠越え(小辺路)ー石地力山・百前森山

石地力山から果無山脈を望む
石地力山から果無山脈を望む

【日 時】2013年 4月28日(日)
【天 候】晴れ
【山 名】石地力山(1140m)・百前森山(783m)
【山 域】和歌山・奈良
【ルート】 (7:40)十津川--(10:25)果無峠--(11:00)石地力山--
(13:05)百前森山--(14:50)萩道の駅
【所要時間】7時間10分
【メンバー 】二人


熊野古道の中でも小辺路は山中深いイメージがある。紀伊半島を北から南西方向にルートが伸び1000mを越える峠越えとなる。この山域では伯母子山・石地力山に登ったことがある。山登りと同等の気構えが必要と考えていた。冬場は車でのアプローチも大変になる。雪が完全に消え、寒さも緩み、暑さの襲来する前の快適なGWを選んだ。次週火曜日に崩れるがGW中は概ね良さそうな予報であった。

久しぶりの遠征で準備に時間を要する。準備が一通り終わって家内と土産のクサソテツを摘みに出かける。正午ごろ家を出る。GWの初日だが以外に車は多くない。高速道路も大内山から伸びているようだったが長島まで行っているのか未確認。熊野市付近まで建設が進んでいる。ガソリンの表示値が高い。新宮からR168に入るコンビニで食料を調達。本宮の古道センターに行くが既に閉館。大鳥居や大斎殿や本宮庁舎などを周る。R168沿いにはコンビニが全く無く今後の食料調達には配慮が必要と感じる。暗くなったので川湯温泉に浸る。本宮の大きな河原の駐車場で車中泊。

U氏と待ち合わせの「道の駅奥熊野古道本宮」に移動。新しい直線道路が出来、道の駅は旧国道の川の傍にあった。約束は8時で、ユックリ顔などを洗っていると、7時過ぎにU氏がやってきた。あわてて準備してU氏の車にザックを移す。U氏は家には帰らずこのまま古道歩きに入る予定とのこと。今後の予定は話ながら決めることで本日は果無越えにする。八木尾〜果無峠は二人とも踏破済で、峠からは石地力〜百前森山〜道の駅ルートを採る。私の車はそのまま道の駅にデポ。挨拶もそこそ急いで車に乗り込んだせいかカメラ忘れる。後でU氏の画像を貰うことに。十津川まで移動。従来通りのクネクネした道や片側通行の道がある反面、所々真直ぐに整備された道がある。

十津川の柳本橋の付近で駐車できる場所を探す。単独の登山者らしい女性が果無小辺路ルートに登っていく。左岸の蕨尾側にはスペースが無い。右岸に戻り少し登ったところに車が一台停まっていた。その横のスペースに車を停め、身支度を整え出発。

舗装道を少し登ると「熊野参詣道小辺路 果無峠 登山口」の丸太の標識あり。石畳の急坂になる。登りきると舗装道に出る。陽射しが強く感じられる。舗装道に沿って急な石畳の道が続く。果無集落が現れ民家の中を通過する。手水場に水が落ち石桶に大きな鯉が泳いでいる。トイレも利用できる。集落の端には「世界遺産」と書かれた石標があり辺りには石楠花が咲いている。再度石畳の急坂になる。脇道で用を足す。登り詰めたところに建物がありトイレもあった。ちょっと休憩タイム。管理人らしいひとが上に登っていった。

少し登るとまた車道に出る。丸太の標識と小辺路の案内板がありここから山道になる。果無峠まで3.6K。植林帯の緩やかな登りとなる。見通しの無い急な坂になる。二人の女性がユックリ登っている。大きな荷物を担いだ男性二人が軽快な足取りで追い越して行く。天水田立札に達すると沢山の人が休んでいる。どうやら本日はお祭りがあるようで麓の集落の人が集まっている様子。視界が展け良い眺望だが先に進む。休憩するつもりの山口茶屋跡も人が多く、先の適当なところで休憩タイム。大きなブリキの煙突のようなものやナベやヤカンを担いだ人が通過する。皆、まさに「山の民」といった感じ。

見通しの利かない潅木帯の中を進む。祭りの準備の人が次々に追い越していく。急な登りの階段を登ると観音堂に達する。祠と社がある。お祭りが始まるのは12時から。単独の女性は地元の人と談笑している。地元の皆さんは準備に忙しそう。昼間で待つには時間が長い。お祈りを済ませて出発。「峠までは30分程ですよ。」と背負子の男性から。急な階段道が続く。後に夫婦連れが続くが、女性は軽快な足取りだが男性は辛そう。開けたところに出ると大峰の山々が望まれる。急な石段を登っていくと見覚えのある果無峠に達する。暫し休憩タイム。帽子の忘れ物が木に掛っている。さてこれから石地力山に向かうが山の本を間違えて持ってきたことに気付く。

古道を離れると先の夫婦が帽子を忘れてないかと叫んでくれた。私達のものでないと叫ぶ。冬枯れの潅木の間の薄い踏み跡とテープを拾いながらアップダウンを繰り返す。最初のピークには果無山の標識がある。以前にこの標識が有った記憶が無い。少し下った後、やや急な坂を登ると石地力山山頂に達する。西側眺望が展け果無山脈が一望となる。最高峰の冷水までピストンするのは遠く感じられる。伐採地跡の雑木帯に桜のような木の帯が見える。ブナの平に向かう。南側が植林の稜線沿いを辿る。一旦下り 緩やかに登って行く。ヒメシャラ、ホソなどの潅木が混じりブナの木が現れるとブナの平分岐の上の到着。時間も良いのでここで昼飯タイムとなる。目指す百前森山が釣鐘の様に隆起している。

ここからは両人未踏の領域になる。少し果無山脈方面に下ると「至萩本宮」の板標識がある。少し下るとブナの平からの尾根に乗る。所々崩壊した個所があり、アカヤシオが咲いている。標識らしいもの全くない。幸いにも登り返しはなく緩やかに下っている。潅木帯から植林帯になる。1022ピークを捲き終わると前方に道になっている。百前森山が現れる。大きく下り終わった辺りから適当に目星をつけて取付く。標識はない。尾根と薄い踏み跡とテープを確かめながら進む。予想していた程の斜度はなく、意外に簡単に山頂に辿り着く。木立で視界はない。

U氏は以前この山に挑戦したが途中で引き返したことがある。下りはテープと踏み跡を確認しながら下る。細い岩場の稜線を下り切ると捲き道と出会う。ここには百前森山の標識がある。暫く下るり伏拝との分岐を左に採る。ここからの下りは標識もなく、山作業道が入り道の判断が難しい。尾根通しで登り返しと草で覆われた左の下りの分岐では判断に迷ったが、経験のあるU氏の指示に従う。下り切った辺りで標識がありホッとする。水平道になり国道を走る車の音が聞こえる。が、安心するのも束の間、ここからは崖崩れの危険なトラバースルートが続く。もう少し早く下山できると思っていたが意外に時間を要する。下方に民家が見え、サイレンの給電施設が現れる。階段を下り国道に出る。三里橋を渡り道の駅の車のところに戻る。

JAで食料を調達しザックを車に積み、本宮熊野古道センターに立ち寄る。GWの中日で本宮は賑わって、河原の駐車場も車が多かった。小辺路・中辺路のパンフレットを貰う。

U氏はこのまま古道歩きに入るとのことで先に遠いところからという計画にする。十津川に移動して車を回収。U氏の車を先導に野迫川に向かう。R168は道が狭くカーブが多く神経を遣う。大きく山が崩れた個所は真直ぐな道になっていた。大塔から県道53に入る。ダンプやバギー車のような大型の車と何度もすれ違う。道が狭くが切り返しが必要になるところも。高野山への分岐からは交通量が減ったが野迫川までの道は遠くに感じられた。ナビでは以前私は大股に来たルートと異なるを指示したいた。暗くなり野迫川温泉の同定に戸惑う。温泉に浸る。近くのホタルの郷で車中泊。十津川から野迫川まで2時間以上掛り、U氏は可也疲れた様子だった。


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