中辺路 本宮〜大日・赤木・三越峠越 要害森山

要害森山から
要害森山から

【日 時】2014年 5月 8日(木)
【天 候】晴れ
【山 名】要害森山(799m)
【山 域】和歌山
【ルート】 (5:35)本宮--(7:00)大日山--(7:50)湯峰王子--(8:55)柿原茶屋跡--
(9:30)なべわり地蔵--(10:20)船玉神社--(11:35)三越峠--(12:25)要害森山--
(13:30)三越峠--(14:20)発心門王子--(15:20)伏拝王子--(16:30)本宮大社
【所要時間】10時間55分
【メンバー 】単独


本宮〜田辺は前日に完了した。が、本宮〜大日・赤木越は今回の古道歩きのもう一つの目標である。中辺路の中心的なルートと考えたからである。連休も終わり大きな駐車場も閑散とした。この日も朝方冷え込んだ。明るむ4時半頃起床。パン・牛乳・野菜ジュースの朝食を食べる。朝の散歩のお爺さんが車の中を確かめるように傍を通る。身支度を整え出発。鳥居を見ながら大斎原を抜けトイレのある駐車場へ出る。街の端の標識を確認して右に曲る。石段を登ると大日越えの案内板がある。急な登り坂が続く。1番標識を右に見る。急な坂は続く。月見ヶ丘神社辺りから傾斜が緩む。鞍部の峠に大日山の標識がある。時間も早いので登ってみる。テープを拾いながら急坂の薄い踏み跡を追う。稜線に出て右に曲る。意外に時間が掛る。水平道になる。一旦下って登り返したところが山頂。左手が明るく移動すると伐採地が山頂付近まで揚がっている。ネットがあるが視界が開ける。南駆の南端部や熊野川が望まれる。テープと踏み跡を確認しながら鞍部まで戻る。鼻欠地蔵は確認できず。一気の下りとなる。ユノミネシダもよく判らない。降り着いたところが湯峰王子。

湯峰の集落の中心部に出たようだ。つぼ湯の横を通って橋を渡り車道に出る。右に曲がる。あたらし屋の横の階段に赤木越の案内板がある。少し登ると湯峰の街が一望となる。11番標識からは地獄坂の急坂になる。10番辺りから開けたところを通過。ネット越しに南側の山々が望まれるが同定はできない。植林帯に入る。稜線のルートだが視界はない。坂道を登り8番標識。7番標識から左に曲って進入禁止の標識。右に曲がって柿原茶屋。古い家屋がある。小休憩。お大師さまを左にみると急坂になる。5番標識付近で南側の展望。なべわり地蔵に到着。一遍上人の弟子が飯を炊いていた時、水不足で鍋が割れたとの説明がある。松の混じる自然林の中の緩やか傾斜の稜線歩きになる。然したる坂もなく、2番標識を過ぎ少し進むと植林帯に入る。旧赤木越えは稜線をそのまま辿ったようだ。つづら折れの一気の急坂になる。降り付いたところが船玉神社の広場になっている。ここで休憩タイム。

さて、ここからどうするか。時間も体力も問題ない。三越峠まで行って要害森山に登って、先日、間違えたルートを確認するため車道を下って発心門王子に行くコースに決める。音無川に沿って遡上する。直ぐにタイツ姿の単独女性を行き交う。大日・赤木越では誰にも会わなかったが流石にこのルートは人が多い。体力が充分なせいか坂道も先日ほど苦にならない。先日間違ったところでは、スペイン系の人が引き返していた。下りの場合、崩壊地点から自然に林道に入る。暫く林道が続くので標識を見落としてしまうのだろう。植林帯の中の急坂を登り詰めと、舗装道の走る明るく開けた三越峠に出る。東屋のところに軽トラが停まり何やら作業している人がいる。

さぁここからが本日のメインイベント。まずは腹ごしらえで昼食タイム。熊野古道入口門の横に要害森山登山口の標識がある。植林帯の中の薄い踏み跡とテープを追う。峠の尾根の反対側では道路工事を行っているようで重機の機械音が絶えず聞こえてくる。植林帯を進むと一気の急坂になる。ピンク色の小さな花が咲いている。対面の山も高く立派に見える。滑り易い部分もあり木を掴みながら這い上がる。左側に明るみが見えるがルートは右の稜線を一気に駆け上がっている。植林が途切れ辺りは暗い原生林の様相になる。最後のキツイ傾斜を右に左にステップを踏みながら喘登を繰り返す。傾斜が緩み山頂の一角に達する。山頂は左奥。風が吹きあがり心地よい。木の間から南西方向の展望が得られるが同定できず。来た道を辿り三越峠へ戻る。

やれやれ本日のメインは終了と思いきや、次ぎの一段のイベントが待っていた。東屋付近に移動すると、軽トラに乗った外国人女性降りてきた。通りすがりの大きなザックの外国人男性に質問しながら古道入口門の方に向かった。続いて別の軽トラに乗った外国人女性降りてきた。二人の女性は仲間のようで発心門王子から古道に入るところで迷子になったようだ。通りかかった軽トラのお爺さんに乗せてきて貰ったようだった。軽トラのお爺さんは英語はチンプンカンプン。女性たちは日本語は全く話せないという状況。ここから突然の英会話の実践に入ってしまう。

上記のように頭脳の準備もないまま英語に突入。纏まりはないが以下、話の概略を書き留めておく。女性の名はLindaとLindelのニュージーランド人。迷子になってLindaさんが腹を立てていた。Furz?という仲間もいるが下の古道センターにいる。(このことは古道センターに着いて判った)彼女達は湯峰温泉の民宿を予約しており5時半までに戻らねばならないとのこと。私は舗装道で下り先日の間違いを確認することが目標だった。そこで古道センターまで同行案内することになった。Lindaさんはかなり腹を立てている様子で後も振り向かずサッサと歩き出した。Lindaさん息子さんが神戸に住んでいて日本女性と福岡で挙式があり、そのため日本を訪れたとのこと。発心門王子で先行していたLindaさんは待っていた。猪鼻王子への正しいルートを教えるが、Lindaさんは更に怒ってしまったのかも。発心門の休憩所で私が少し休憩を提案したが、Lindaさんはそのままサッサと下っていった。ここからはLindel一人の案内になった。

Lindelさんはコックで3店舗のオーナーで私より3歳年上。住まいはオークランド。家族構成など色々なことをオープンに話し掛けてくる。非常にエネルギッシュで体力もありそうで私より年上とは思えない。トレッキングは全く初心者のようでスケルトン風のゴムサンダルを履いており、私の靴を羨ましそうに話していた。また、ランチを食べていないので突然座りこんで休憩タイムになったりするところからすると地図は全く見れない様子だった。日本語の案内書は持ってはいるが見ることはなく折角の休憩ポイントなどは理解していない様子だった。スマホを持っていて仲間とは時々メールが入っている様子だった。

体力的には全く問題はないが下りのゴムサンダルは滑り易そうだった。何とか大社に到着。黒い石掛けた注連縄と紙についての質問を受けたが、説明するのは難しいと答えた。(今でも何と説明して良いのか判らない。)古道センターに降りるとバス停の椅子に二人腰掛けていた。湯峰温泉までなら私の車で送ってやるべきであった。登山に加え、突然の英語実践は可也の疲労を感じた。言い訳になるが送迎拒否は英語から逃げるためである。Lindelに名刺を渡しメアドを交換。別れのあいさつも疲れているせいか口にならない。

コンビニで翌日の食料を調達。今日も川湯温泉に浸り、本宮の河原で車中泊。


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