五竜岳・唐松岳

【日 時】1998年 9月 5日(土)〜6日(日)
【天 候】曇時々晴
【山 名】五竜岳(2814m)・唐松岳(2696m)
【ルート】 9月 4日 (20:30)自宅==(24:00)松本
9月 5日 (7:00)松本==(8:30)五竜遠見テレキャビン--(10:15)小遠見--(11:00)中遠見--(12:00)西遠見--(13:30)五竜山荘--(15:00)五竜岳--(15:30)五竜山荘
9月 6日 (6:15)五竜山荘--(7:00)大黒岳--(8:00)唐松山荘--(8:30)唐松岳--(9:00)唐松山荘--(10:30)八方池--(11:00)八方尾根ゴンドラ--(12:00)JR白馬駅==(13:00)五竜遠見テレキャビン==(14:00)木崎湖温泉==(18:30)自宅
【所要時間】 7時間30分、5時間45分
【メンバー 】単独

9月 4日〜 5日

週末の天気がようやく晴れそうなので、長い間暖めていた五竜岳を目指すことにした。金曜の夜から出かけ松本で仮眠を取る。八方尾根ゴンドラの始発が7:30で五竜遠見テレキャビンは8:30が始発であることは電話で確かめていた。当初は八方尾根ゴンドラの始発に乗るつもりでいたが、目覚めが遅く、八方の道の駅に8:00頃に着いたため五竜遠見尾根から登ることにする。八方尾根からの周遊コースをとるためJR神城駅付近を調査しておく。

五竜遠見テレキャビンは定刻より数十分前から稼動しはじめた。7〜8月中旬の祭日は7:15からの運行であるがこの季節になると8:30が始発である。乗り込んだテレキャビンで大阪からきた年齢60歳程の単独行と言葉を交わす。今日は五竜岳を日帰りでピストンするとのことであった。

アルプス平駅からのリフトは運休しておりここから歩行となる。スキー場のゲレンデに作られた木道を登る。ガスがかかっているが、遮るものがなく時々太陽が照りつけると非常に暑い。地蔵の頭に着き鐘をつく。いったん下って登りにかかる。段差のある人工的な道で歩きずらい。見返り坂と呼ばれるあたりから自然の道となり急登が続く。一の背髪・二の背髪という見晴らしのよさそうな緩い稜線歩きとなるが、生憎のガスで展望は効かない。

小遠見で一服する。写真が目的の人が晴れ間が現れるのを待っていた。本日は五竜遠見トレッキングコースで佐野坂へ下るとのこと。小遠見からいったん下り、暫く平坦な道を行くとケルンが立つ視界開けた中遠見につく。ガスも晴れ正面に鹿島槍の雪渓カクネ里の下部が望まれる。しかし雪渓上部や北壁は雲の中であった。ななかまどの実が赤く印象的であったが、紅葉にはまだ早かった。

中遠見から大きく下る。下山でこのコースをとった時は、この登り返しが辛いであろう。下りきった所からやや急な登りとなる。大遠見を目指して進むが標識を見落としたのか通り過ぎてしまったようである。地塘が現れはじめる。干上がった地塘の所で中休止する。ここから少し進むと池のある窪地で数人が休んでいた。標識を見ると西遠見となっていた。大遠見を目指していただけにガックリである。思わず大休止となった。

気を取り直し白岳への最後の急登となる。五竜山荘まではこの登りが最も急である。はい松も背が低くなり岩場が目立つようになる。ガスの隙間から時々五竜山荘が間近に望まれる。直接、五竜山荘への道があると思いきや、そのままぐんぐん白岳への登りとなる。二度ほど小休止。白岳から少し下り主稜線の道と合流し、五竜山荘へ到着する。

宿泊の手続きを済ませる。少し休憩した後、食料とビデオのみにしたザックで五竜岳を目指す。岩屑状の道を暫く進むと岩稜帯となる。ペンキマークにしたがって登る。降りてくる登山者も結構多い。八峰のキレットを越えてきたのであろうか。鎖場でも数人の下山者の通過待ちとなった。本日の小屋は満員であろう。

五竜岳山頂は主脈の登山道から数十m離れている。生憎のガスで五竜岳自身の山頂部分の山稜がすこし見られる程度であった。数人の人がたむろしていたが、眺望も期待できそうにない状況なのですぐに山頂をあとにする人もいたが、鹿島槍からキレット越えをしてきた人達は感慨深気であった。山頂をビデオに納め帰路につく。一度通った道の下りは精神的に楽である。

山荘は予想通り人で溢れていた。夕食はカレーライスであった。後で本で読んだがこの山荘の夕食はいつもカレーライスのようだ。食事は計5回に別かれて行われた。外に出てみると時々視界が得られ、五竜岳や本日登ってきた長い長い遠見尾根が望まれた。同室になった人の中には、本日白馬山荘やって来た人がいた。明日は冷池山荘までという人もいた。不帰キレットや八峰のキレットなどキレット越えを楽しんでいるようであった。五竜岳や鹿島槍を堪能するにはやはり縦走すべきであろうと思った。またこの時期になると土日に登山者が集中するそうで、昨日(金曜)の村営白馬山荘の宿泊者は計11名であったそうである。

9月 6日

本日は唐松岳を廻って下山なので、朝食はゆっくりとる。6時過ぎに五竜山荘を出発する。白岳に登った時、一瞬、五竜岳も唐松岳も望まれたがこれが見納めであった。なだらかな斜面を快適に下る。目の前に迫った岩峰が大黒岳とは知らず、最低鞍部を通過しひと登りしたところで一服する。ここから鎖場の多い岩稜帯となり、快適に登る。登りきると視界が開け唐松山荘が飛び込んで来た。唐松岳は雲の中である。山荘にデポし唐松岳へむかう人が多いが、山荘には立ち寄らずそのまま唐松岳へむかう。

山頂はガスで視界は効かない。不帰キレット方面から二人の登山者が登ってきた。暫く待ったが晴れる気配もなく早々に下山する。唐松山荘に立ち寄り自宅へ電話する。三重は小雨が降っているそうだ。こちらはガスはかかっているが、雨の心配はなさそうである。山荘から尾根に出るまでは右に捲きながら平坦な道を進む。先方に大きなケルンが見える。明るい開かれた気持ちの良い道が続く。丸山ケルンでは、一息入れている人が多い。ここから八方池まではガスもなくなり視界もきくようになる。昨日登った五竜遠見尾根が見渡せる。日曜日というのに登ってくる人も多い。70〜100人くらいの高校生の団体もいた。八方池までくると俄然、人が多くなる。振り返ってみれば大きく落ち込んだ不帰キレットが見える。二の峰付近から上部は雲に覆われている。

八方山荘までは観光客も加わりさらに人口密度は増加する。八方池からゴンドラの終着駅までガスで視界はきかなかった。八方山荘からスキーリフト2本とゴンドラをつないで降りてきたが、この部分も歩くとすれば、と考えると八方尾根も長大なコースであると実感した。リフトの途中でオリンピックの滑降競技で問題になったスタート地点の案内があった。徒歩でゴンドラの終着駅からJR白馬駅を目指す。途中、オリンピックのジャンプ競技場があった。現在は観光名所の一つになっているようで行き交う車も多かった。

JR白馬駅で時刻表を調べるが、生憎の時間帯で次の普通列車までは1時間以上待たなければならない。案内所で聞いてみたが、路線バスもないとのことであった。五竜遠見のテレキャビンまでタクシーで行く。私の車に横づけしてくれたが、タクシーを降りると中年のグループが群がってきた。折り返し、八方のゴンドラ駅まで行って欲しいと運転手さんに頼んでいた。どうやら私と逆のコースをとった人達のようだった。まだ立ち寄ったことのない木崎湖の温泉で汗を流し帰途についた。中央高速の駒ヶ根SA付近から小雨が降り出した。




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