笠ヶ岳

【日 時】1998年10月 2日(金)〜10月 4日(日)
【天 候】
【山 名】笠ヶ岳(2897m)
【ルート】 10月 2日 (20:30)自宅==(02:00)新穂高駐車場
10月 3日 (06:30)新穂高駐車場--(07:30)笠新道登山口--(11:00)杓子平--(13:00)分岐--(14:30)笠ヶ岳山荘-(15:00)笠ヶ岳
10月 4日 (07:30)笠ヶ岳--(08:00)笠ヶ岳山荘--(09:30)分岐--(12:00)笠新道登山口--(13:00)新穂高==(20:00)自宅
【所要時間】 8時間30分、5時間30分
【メンバー 】単独



百名山も残り少なくなった。南アルプスの光・聖にするか北アルプスの笠か迷ったが次週以降予定があり、小屋の開いている期間も考えて北アルプスの笠ヶ岳に出かけることにした。20:30自宅出発。先週の雨や台風で41号線は七宗から先の崖崩れ現場は復旧の為、数箇所片側通行になっていた。また下呂トンネル通行止めの案内があったが、ニュースで迂回できるとの情報があったのでスムーズに下呂の街を通過する。高山から平湯を通り新穂高到着。村営駐車場は観光客用で深山荘の無料駐車場に停め仮眠。

「なるべく早起きを」と思っていたが身支度を整えているといつもの時間になった。見上げると目指す笠ヶ岳が朝日をあびていた。笠新道の登山口までは昨年の鷲羽・黒岳山行で既におなじみであった。

ここからは一気の急登が始まると思っていたが、九曲折れで思ったほど急ではない。2000M付近まではぶななどの樹林帯の中を進む。ほぼ100M位の間隔で標識が現われる。笠ヶ岳を目指す登山者が多くなる。2000Mから上は暑さも加わり苦しい急登となる。振り返れば槍から穂高の連峰が岩襖のように燐立している。ここからの穂高の岩壁の迫力は圧倒的であった。所々に紅葉は見られるが残念ながら山麓一面を覆うようなものではない。

中崎尾根を下に見る高度あたりから喘ぐようになった。同じ位のペースの人も多い。登り詰めたところを乗越すと杓子平であった。睡眠不足のため思わず大の字に寝てしまった。皆ここで一本入れていた。時々雲間から稜線が望まれ一瞬山頂と山荘が顔を出したが、まだまだ先が長いと感じられた。梨とパンを噛りエネルギーを補給する。

杓子平から少し下り緩やかな登りとなる。雨後にできた沢からは水が迸っていたが、その部分を乗越すとパタリと水音が跡絶えた。昭文社の地図では雪渓があれば水が得られるとあったが、引き返す気力もなくそのまま進む。ここから分岐までが今回一番辛い登りであった。このあたりから岩場となり慎重に行動する。前を進む4人のパーティが丁度いいペースで進む。

双六からの稜線につくと北と西に視界が開ける。特にこれから目指す笠ヶ岳へなだらかな稜線が大きく広がり、今までの苦労に報いてくれる。黒部五郎・薬師方面は雲が掛かり眺望は今ひとつである。

今までの辛い登りから開放され、足取りも軽くなる。ピークを二つ越え抜戸岩を越えると笠ヶ岳と山荘が間近に望まれる。播笠平のカールを左に見ながらキャンプ場を越えやっとのことで笠ヶ岳山荘に着く。宿泊手続きをすませ部屋で少し身体を休めた後、山頂へ出発する。山頂までは10〜20分くらいである。

山頂は大きなケルンが幾つか立っていた。眺望は東側が良かった。小屋泊まりの人が夕食の時間になるまで眺望を楽しんでいた。いままで滅多に御目にかかったことのないブロッケンがこの山頂では何度も見られた。夕食後、この小屋の主人が登場している百名山の笠ヶ岳のビデオがあった。

朝6時頃までは北の風が強くガスが掛かっていた。天気予報では「晴れだが、朝のうち雲がかかる」であったので暫く待つことにした。殆どの人は本日の予定もあるようでガスの中を出発して行った。7時頃になると霧がはれ始めた。すぐに山頂を目指した。山頂は昨日とは打って変わって西・南側の眺望が得られた。乗鞍や焼岳が荒れた雲海の上に顔を出していた。またもや朝の光の中でブロッケンが現れた。抜戸岳への稜線に掛かっていた雲が強い風に流されアッというまに吹き飛んでしまった。

これからの晴天が約束されたので、帰路につく。時間が経つにつれ益々晴れ渡っていった。3週間前に登った薬師・北の俣・黒部五郎が見える。北の俣が以外と大きい。剣・立山・鷲羽・三俣蓮華・双六や表銀座の山々。そして槍から穂高の岩壁。焼岳・乗鞍そして御岳・白山も姿を現わした。

昨日流れていた杓子平の水場は既に枯れていた。雨後の一時的なものであった。その場所から音を頼りに少し下ればきれいな水場があった。水を補給し、杓子平からの下りにかかる。この下りはきつくすこし足にくる。休憩をとりペースを落とす。登山口から新穂高までは行きも帰りも同じ時間である。

車に帰り温泉に入りサッパリして帰路につく。下呂でトンネル不通のため渋滞。七宗方面の41号線は休日はいつも渋滞になるため中津川から高速で帰ることにする。高速でも若干渋滞はあったが、20:00自宅到着。



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