大塔山・法師山

【日 時】1999年 1月31日(日)
【天 候】
【山 名】大塔山 (1122m)・法師山 (1120m)
【山 域】和歌山(大塔)
【ルート】(7:00)大塔山登山口--(8:00)902mピーク--(8:40)一の森--(9:40)大塔山--(11:00)大塔山登山口==
(11:30)法師山登山口--(13:00)932mmピーク--(14:00)法師山--(15:30)法師山登山口
==(18:00)川湯==(23:00)自宅
【所要時間】4時間00分、4時間00分
【メンバー 】単独

今回の山行の目的は大塔山・法師山である。この山域は初めてである。前夜、安川林道の突き当たりにある宗小屋谷橋から右の林道を詰め右岸の終点で仮眠をとった。朝食を済ませ、谷に下り林道の終点まで行ったが、登山道らしいものはなかった。50mほど戻った谷の出会い付近を良く見ると「大塔山登山口」と小さなプレートがあった。少しガレたところにあり、これが登山口かと思われた。良く見ると薄い踏み跡があった。

登山口を過ぎると明瞭な道となった。杉・桧の植林帯の急登が始まる。道そのものははっきりしているが、林業に携わる人の為の道で整備されたものではない。開かれた所までくると前衛峰である一の森が大きく現れる。山頂付近がうっすらと白いものでおおわれていた。振り返ると、法師山をはじめこのあたりの私のまだ見知らぬ山々が聳えていた。また「和歌山県の山」の本に紹介のあるコースが対面に望まれた。アップダウンの多い厳しそうなルートであるように見えた。

植林帯をしばらく進むと902mピークに着く。右に法師山への縦走路があった。不要な荷物をデポする。このあたりから自然林となり尾根を辿ることになる。冬枯れの木立の中の急登であるが、日も当たり快適な歩行となる。一の森に到着し、ヤイチ谷出会いコースの道と合流する。

一旦大きく下る。この下りでストックを折ってしまった。私はどういう加減かストックをよく折る。ここ1年で3本程折ってしまった。体重をもう少し落す必要がある。折れた個所が先端部分であったため、ストッパーがないため少し潜りぎみになるが、幸いにも最大に伸ばせば使用できない程ではなかった。

再び急な斜面を登ることになる。山頂に近づくにつれ淡い雪が笹に乗っており、それが衣服に付いてきた。雨具を取り出すのも面倒なので暫く進むと山頂に達した。本の紹介によると「山頂は樹林帯の中にあり眺望は期待できない、展望台に登ると・・・」とあった。が、実際は「山頂の樹林帯は完全に切られており十分な眺望が得られた。以前あったと思われる展望台は傍らに倒壊していた」であった。また残念なことであるが、本にあったブナの大木は根こそぎ倒れてしまっていた。眺望は南側の古座・串本方面の海が印象的であった。東にはアンテナ群が林立した山があったが雲取山であろうか。昨日の烏帽子山は今一つわからない。西にはこれから目指す法師山が大きく望まれた。

帰路は同じ道を引き返した。法師山への縦走も考えたが、縦走路は長く、アップダウンも多く一旦降りて登り返したほうが得策だと考えた。車のところに帰り、宗小屋谷橋近くの法師山登山口へ戻る。

いきなり踏みぬいた足跡のある吊り橋を恐る恐る渡る。ここからの道は植林帯で大塔山への道に較べれば傾斜も緩やかで歩きやすいものであった。しかし、昨日の夜間登山でやや無理をしたので932mピークまではやや辛い登りとなった。一本入れる。一旦下ると急登となる。次のピークを左に捲き気味に登ると大塔山からの縦走路と出会う。ここからは傾斜も緩やかになりやがて百間山からの縦走路に出会う。だが最後に急登が待っていた。誰もいないと思い大きな声で気合をいれたが、山頂を見ると人がいた。

山頂は一等三角点の名に相応しい素晴らしい眺望が待っていた。頂上にいた人は三人のグループであった。百間山から縦走してきたとのことであった。彼らの縦走してきたルートもアップダウンがありかなり厳しそうであった。和歌山県内の人達のようでこのあたりの山につてはかなり詳しそうであった。それにしてもこの時期にこの地域を訪ねることができて良かった。紀伊半島南部の山のボリュームを少しばかり思い知ることができた。雪もなく、人も少なく、美しく澄んだ大気を思う存分味わうことができた。



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