三嶺

三嶺山頂(拡大すると右上と池のまわりに人がいます)
三嶺小屋から山頂を望む
(拡大すると右上と池のまわりに人がいます)

【日 時】1999年 4月 4日(日)
【天 候】
【山 名】三嶺(1893m)
【山 域】徳島・高知
【ルート】 (7;30)大歩危==
(10:00)三嶺登山口--(11:00)分岐--(12:00)三嶺--(13:30)三嶺登山口==
(16:00)天の岩戸温泉==(22:00)明石大橋==(24:30)自宅
【所要時間】 3時間30分
【メンバー 】二人


国道32号線から祖谷(いや)渓谷道路に入る。トンネルの手前で国見山への登山者が集まっていた。かずらの木を縒(よ)り合せて造られた名勝「かずら橋」を見学する。国道に抜ける間は道が狭く下はガケである。紀伊半島南部の道に似ている。国道439号線にでる。時間的に遅く感じられたので青少年旅行村から登ろうとするが、そこにいた人に「名頃林道」の終点から登る方が良いと教えられる。国道を進むと三嶺の標識あり。ダート道の林道はかなり荒れていた。車高の低い車は底擦りに注意を要する。地図に載っている登山口から先は通行止めになって終点までは進めなかった。車が十数台停まっている。人気の山である。

準備を整え登山開始。暖かい。最初から自然林。道もしっかりしている。建物が到壊した跡がある。やや急な登りとなるが、一定の斜度である。コンクリートの溝の水場が現れる。暫く進むと林道終点からの道と出会う。ここで休憩。

低い笹原の中にツガの大木が生育し、その間をなだらかな道が通って、気持ちよい登行が続く。北面には雪が付いている。「剣山」から続く稜線の山が望まれる。妻が樹齢300年の「マユミ」の木の案内を発見する。

突然視界が開け、目の前に「三嶺」の岩峰が現われる。急登となる。左手に水場の案内がある。斜面一帯が笹原である。木組みの道を登り詰めれば山頂の一角にでる。山頂は笹が一面に広がる楽園であった。小屋のある方へむかう。視界は素晴らしく「剣山」、「次郎笈(じろうぎゅう)」と剣から連なる稜線、「丸笹山」・「塔の丸」などが広がる。「次郎笈」が立派に見える。写真を撮り山頂に向かう。

山頂に着いてさらに驚いた。笹の楽園はこの山頂部のみと思っていた。が、山の向こう側にも笹原はより大きなうねりとなって続いていたのであった。「西熊山」から「天狗塚」へと笹原はさらに広がり雲の彼方に続いていた。神戸から来た二人と「白髪山」へ向かう年配の人が話していた。彼らは今朝、神戸を発ったとのことだ。関西からならこの山域も日帰り圏内なのであろうか。二人はゆっくり写真を撮りながら「西熊山」・「天狗塚」へと向かって行った。

気が付くと、山頂にいるのは私達のみであった。この山に集う登山者は、この山の楽しみ方をよく心得ているようであった。天上の楽園は広い。寛げる場所はそこかしこにある。憩いの場として山頂にとどまるのが恥ずかしい気持ちになった。西の眺望は今一つであったが東・南・北の眺望は素晴らしかった。よく見ると四国の高山の山頂部は笹で蔽われているものが多い。

帰路、国道439号線を進み「見の越」に着く。剣山は大勢の登山客で賑わっていた。以前私達が正月に来たときは、真っ白な「次郎笈」が、真っ先に、眼に飛び込んできたのが印象に残っている。美馬郡一宇村の「天の岩戸屋温泉」に立ち寄る。予定していた香川の最高峰「龍王山」はやめにする。帰路、淡路島を通り、紫系の色にライトアップされた明石大橋を初めて通過する。

今回の二百名山は百名山に優るとも劣らない素晴らしい山々であった。登ってみてまた登るべき山が増えてしまった。中国地方はなだらかな山が多いが、四国の中部から北はきわめて急峻な山が多い。中国地方には里山の魅力を感じたが、四国は山そのものに魅力を感じた旅であった。



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