ドンデン山〜金北山

シラネアオイ オオミスミソウ
シラネアオイ
オオミスミソウ

【日 時】1999年 5月 4日(火)
【天 候】
【山 名】ドンデン山(940m)・金北山(1171m)
【山 域】新潟
【ルート】 (6:40)新潟港==(8:20)両津(佐渡ヶ島)==(9:15)大佐渡ロッジ--
(9:30)ドンデン山--(10:00)大佐渡ロッジ--(11:00)マトネ--(14:00)金北山
--(15:00)白雲台==(18:40)両津(佐渡ヶ島)==(21:00)新潟港
【所要時間】5時間45分
【メンバー 】二人


雨は降っているが兎に角、今回の目的地、佐渡ヶ島に渡ってみる。両津に着いて大佐渡ロッジへの行き方をたずねる。ガイドブックなどにある会員バスを探したがない様子である。タクシーを利用するしかないとのことである。大佐渡ロッジまでは17〜18KMで5000円前後とのことであった。タクシーから降りるとあたりは閑散としておりロッジも営業しているか心配になった。

ロッジの玄関の前を通り過ぎると、ロッジの人が3人で食事中であった。妻がガイドブックにある電話をかけたが「現在使われていない」との応答があったと言うと、電話番号が変わったとのことであった。ロッジの中に入って、雨具などの準備をさせていただいた。色々話を伺うとロッジの経営は大変な様子である。主人によると「一時、とり壊そうと思ったが、壊すにも金がかかるのでまだ続けているのだ」との話であった。妻が花百の雪割り草を見に来たと言うと、丁寧に教えてくれた。もうシラネアオイが咲いてしまったので雪割り草の季節には少し遅かったようである。またこれから金北山まで縦走するつもりだと言うと、まだ雪があるので充分気を付けて行くようアドバイスをうけた。状況によっては御厄介になるかもしれないと告げると、何時でも受け入れる用意はあるとの答えであった。

ロッジからアンテナの立つ頂を越えなだらかな道をたどる。庭園のように手入れの行き届いた道である。尻立山山頂からは伸びやかな展望が得られる。残念ながらオオミスミソウはなかった。

ロッジのところに戻る。ゲートの閉まった入川への車道を下る。20分ほど下ると、金北山まで8KMという大佐渡自然道の標識があった。山道にしては広い道をさらに下る。雨に濡れたフキノトウの色が鮮やかである。下りきったところが青ガレでここからマトネまで登りとなる。カタクリがさらに群落の密度を増す。青ガレから少し行ったところにシラネアオイが現われた。妻にとって初めてのシラネアオイとの出会いである。さらに進むと、シラネアオイも群落をなすようになった。カタクリとシラネアオイの紫青の世界である。途中マトネ1.5KM・ドンデン0.5KMの標識があったがこれは経過距離を表示しているものと思われるが、まったく間違っている標識もあった。マトネ到着。雨で視界は10〜20Mほどであるが、道はしっかりしており、標識もあるので先に進むことにした。

なだらかなアップダウンの道とともに林とガレ場の山腹が交互に現われる。天狗の展望台やコルの標識がある。足元にはオオミスミソウも現われた。さらに同じようなアップダウンを繰り返す。三角点のある山頂を乗越すとガレ場にでる。視界が効かずXX谷のコルの標識はあるが私の持っている本には出ていないのでそのまま真っ直ぐに進む。ガレ場は大きく下っており足元がスポンジの様にフワフワしている。恐る恐る歩を進めていると突然視界が開けた。私達は大きく道を外れ、ガレた谷へ歩を運んでいたのである。道は標識の案内通り左に捲いていた。視界のない場合の自分達の行動に肝を冷やした。

イモリ平で休憩をとり、さらに進むと雪がからんだ矮木が道を塞ぎ行く手を遮る。雨でトレースも薄くなり、泥まじりの部分と判別が付かないところもあった。視界は時々得られるものの10〜20M程度であった。ひたすらトレースと赤布を辿りながらの厳しい山行となった。歌代分岐からは矮木がさらにひどくなり、赤布もトレースも疎らになる箇所もありしばし立ち往生する。一つ目の池を通過し、二つ目の池ではたと道を失ってしまう。本を読み返したがこの池が「あやめ池」なのか「二つ池」なのか「足止清水の湿地帯」なのか判別がつかない。右から廻るのか左から廻るのかよく分からない。右や左に大きく迂回する道を探していたら突然視界が開けた。道はなんと目の前に続いていたのである。本にも「あやめ池を左に見て・・」という表現で記述していた。前方には急な雪の斜面があったが、山頂が近いことが確認できた。気合を入れ急斜面を登りきる。目の前の雪のスロープの上に山頂のレーダドームが現われた。風の音かゴーゴーとうなりをあげるレーダードームを見て思わず快哉をあげてしまった。本日初めての金北山の出現である。山頂には自衛隊のレーダー施設の間に大きな金北神社があった。何度も立ち往生したわりには早く着いた。難関を通過したのでここで休憩する。

自衛隊のレーダー施設の舗装まじりの道路で白雲台まで1時間弱の道を進む。白雲荘で雨具を脱ぎタクシーを呼ぶ。雨が肌着まで染み込み寒さを覚える。私達が行動していた時と打って変わり雨もやみ金北山も望まれるようになった。白雲台からは両津から相川までの佐渡のくびれた部分が望まれた。田植えの時期にあたり潅水湖の加茂湖を始め平地全体が水に覆われていた。向かいには小佐渡連峰も望まれた。

タクシーは中型タクシーといわれるものでワゴン車がやってきた。送迎料金が100円で6000円強かかるとのことであった。運転手の話によると佐渡の人口は減る一方で現在7万人とのことであった。

今回の山行の目的は佐渡の登山であった。当初は車で入りドンデン山と金北山をピストンするつもりでいた。種々の事情で縦走登山となったが、歩いてみてこれが大正解だと思った。自衛隊の舗装道路と手入れの行き届いた箱庭をピストンすることでその山に行ったことにするのはなんと味気ないものであろうと感じた。



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