摺古木山〜安平路山(中央アルプス)

安平路山
安平路山避難小屋から安平路山を望む

【日 時】1999年 5月23日(日)
【天 候】曇り
【山 名】摺古木山(2168m)〜安平路山(2363m)
【山 域】長野
【ルート】 (9:00)自宅==(12:00)摺古木小屋--(13:30)摺古木山--(14:30)白ビソ山--
(15:00)安平路山避難小屋--(16:00)安平路山--(16:30)安平路山避難小屋
--(17:00)白ビソ山--(18:00)摺古木山--(19:00)摺古木小屋==(22:30)自宅
【所要時間】7時間00分
【メンバー 】単独


休日出勤で日・月の休みとなったが、月曜日は完全に雨ということで登山の日としては日曜日のみとなる。以前から、計画をあたためていた中央アルプス南部の摺古木山・安平路山を目指す。夏焼山・兀岳に登った時、太平宿まで偵察で来ていたこともあり、太平まではスムースに着く。ここから林道に入るが舗装道路はすぐに荒れたダート道になる。林道は長く、かなりの高さまで登る。右手にトイレが現れるとその奥に摺古木小屋があった。あたりは車でいっぱいあったが、下山してきた人が駐車する場所を交代してくれた。摺古木小屋はきれいに掃除されていた。

急な登りのあと、風穴山を捲く平坦な道となる。摺古木山や笹原を抱いたなだらかなアザミ岳が印象的である。暖かく、シラビソであろうか、マツヤニのような匂いが漂う。懐かしい深山の匂いである。中央アルプスは空木岳・経ヶ岳以来である。2〜3組みの下山者と出会う。水場前の分岐で摺古木までの直登コースを進む。急な道で中間に大岩がある。登りきると暫くシャクナゲの混じる平坦な道となり、視界が開ける。急な坂を登りきったところが一等三角点のある摺古木山山頂である。北には中央アルプスの山々が望まれる。空木から木曽殿越への大きなキレットがはっきりと見える。これから目指す安平路山は見えず、中間の白ビソ山が大きく立ちはだかっている。

大きく下り、ピークをいくつか越えていく。摺古木山までの道に比べれば倒木も多く雪も現れ深山の様相を帯びてくる。途中、単独行と夫婦連れに出会うがどちらも健脚そうであった。安平路山避難小屋は使えるとの情報を得る。このピーク越えがこのコースの厳しい部分の一つである(特に復路)。三つ目のピークを越えれば緩い登りとなり白ビソ山に着く。その名の通り鬱蒼としたシラビソの林立する山頂であった。

雪の混じる道となり30分程快適に下ると安平路山避難小屋につく。赤い屋根の避難小屋の背後に安平路山が迫る。避難小屋は小さいが、奇麗なロジングハウスであった。不要な荷物をデポし安平路山に向かう。

水場までは平坦な道である。水場から直ぐの所からがわかりにくい。ここからは最後の急な道で、踏み跡が薄くなる。左の谷の水音が聞こえなくなる。完全な雪道で、頼るのは踏み跡と、赤布テープ類と地図のみである。ルートファインディングに気を遣う、本日最も厳しい登行となる。山頂は明るいが見通しのない荒々しいところであった。越百への道は今までの道より踏み跡も細くさらに厳しい道のように思えた。このシーズンでは、今の私の実力ではとても困難なルートに思えた。
安平路山山頂
安平路山山頂

下山にかかる。16:10安平路山避難小屋着。掃除の行き届いた奇麗な小屋である。明日は月曜日で他に登山者はなく、一人でこんな小屋に泊まれる機会はない。泊まるか迷うが、まだ4時間歩いただけである。摺古木山までもどればあとはしっかりした道で、3時間も歩けば車のところまで戻れそうである。帰路につく。来るとき神経を遣った白ビソ山近辺は、安平路山付近の道に比べればわかりやすいものであった。予想通りここから摺古木山までのピーク越えがこたえた。摺古木山で一服。ここからの道は迷うところはないが、疲れているせいもあり意外と長く感じられた。ヘッドランプもほとんど使わず下山。最近、日没後の山行が続いていることもあり落ち着いて行動できた。

中央アルプスは越百山から南部と北部に分けられる。北部は木曽駒・常念・三の沢・空木・南駒・越百など名にしおう岩山であるが、南部は深い深い森に覆われた地域である。今回この南部地域を初めて訪ねることができた。車で摺古木小屋まで入れてしまうが、ここはもう深山の世界である。簡単にここまで入れることに戸惑いを感じる。雪が完全になくなる夏〜秋のシーズンに機会を見つけて越百〜安平路山のルートを辿ってみたい。





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