烏帽子ヶ岳

烏帽子ヶ岳
小八郎岳から烏帽子ヶ岳を望む

【日 時】1999年 7月11日(日)
【天 候】晴れ時々雨
【山 名】烏帽子ヶ岳[中央ア](2194m)
【山 域】長野
【ルート】 (3:30)自宅==(6:45)鳩打峠--(7:30)小八郎岳(8:00)--(10:30)烏帽子ヶ岳
(11:30)--(14:00)鳩打峠==(17:00)自宅
【所要時間】7時間15分
【メンバー 】二人


中央アルプスの烏帽子ヶ岳と聞いてはたと迷った。ひょっとして奥念丈岳から東に派生する尾根上のある山ではないかと思った。このルートは中央アルプスの中でも最難関の一つと私は考えていたのである。今回の山行は友人のMZ氏が私の未踏の山の中から選択してくれることになっていた。当初は300名山の鉢盛山にする予定であったが、朝日村に問い合わせたところ、先日の雨で鉢盛林道が崩れ、急遽、他の山を検討することになった(鉢盛山は波田村からの林道も決壊している模様で、復旧の見通しはたっていないとのことです。こちらに向かわれる方はご注意を!)。山と渓谷社のアルペンガイド「中央アルプス」などで調べてみると、烏帽子ヶ岳は奥念丈岳から東尾根上の東端にある山で、鳩打峠から烏帽子ヶ岳まではしっかりした道はあるがその先は道がなく高度なルートファインディングが要求されるとあった。

MZ氏宅に4:00に集合。高速に乗り松川ICで降りる。県道を少し走り川を渡ったところから林道に入る。林道は全て舗装されており何なく鳩打峠に着く。天候は晴れてはいるが、薄っすらと霞がかかったような天気であった。

モノレールに沿っての山道である。「小八郎岳まで2/10」などという標識が小八郎岳まで続く。道脇にホタルフクロが咲いている。捲き道の分岐から急道となる。

小八郎岳山頂はブルドーザなどが入っており、休憩所など改築しているようで、人はいなかったが工事の最中であるようだった。石造りの片桐小八郎の碑があり、その後ろに烏帽子岳が控えて、これからの道のりが遠くに感じられた。東側には伊那の街が広がり南アルプスも望まれた。

一旦下り暫くすると先程の捲き道と合流する。烏帽子ヶ岳まで3/10とある。見通しの利かないシラビソの樹林帯が続く。4/10辺りまでは緩やかな道であった。このXX/10,YY/20の標識が山頂まで導いてくれる。かなりマイナーな山で登山者にはあまり会わないと予想していたが、グループも含めて数組の登山者と出会う。5/10辺りでは左手にガレ場が現れる。天候もガスり始め視界は望めなくなってしまった。笹薮の急坂を登り詰めると、尾根筋の道になる。一旦下り、登りにかかる時、ガレの上の視界が一瞬開ける。道の傾斜はさらに増し、岩場の混じる見通しのない荒々しい樹林帯の道となる。道脇にギンリョウソウをよく目にする。

岩場が顕著になると山頂に近い。幾つかの岩場を左に捲いて行くと山頂に着く。山頂は先程からのグループでいっぱいであった。中央アルプス主脈の眺望を期待していたが、ガスで視界は全く利かなかった。暫く山頂にいたが適当な場所もなかったので、少し下った避雷針のある岩の上で昼食を採った。本日はMZ氏特製のスープ雑煮である。餅を2つ食べて腹一杯になってしまった。山頂でかからなかった携帯電話が僅か数十M離れたこの地点でかかった。

ガスも湿っぽくなっり下山にする。暫くすると雨になり、背の低い笹でズボンもびしょ濡れになった。雨具に着替える。山頂にいた人も一斉に下山していく。3/10付近で雨は一旦あがる。車のところに戻ったとたん、激しい驟雨が襲ってきた。車の中で着替えなどを済ませ帰路につく。

先日に母袋烏帽子に登ったばかりであるが、また烏帽子岳という名前の山に登ってしまった。今回の山行で候補に揚がった山の近くにも烏帽子という名前の山を発見した。一つは鉢盛山の東にある山である。登山道があるかどうか、登山できるかは定かではない。もう一つは南アルプスの三伏峠の近くの山である。塩見岳は日帰り登山となったため少しの距離だが、足を伸ばすゆとりはなかった。同名の名前の山で一番多いのがこの「烏帽子」という記事をどこかで読んだ記憶もある。

余談ではあるが、岐阜と福井の県境に300名山の「冠山」があるが、広島県にはこの「冠山」が県内に6つもあるという。そのため「冠山」を呼称するとき「安芸の冠」(あきのかんむり)とか言うそうである。「駒ヶ岳」も木曽・甲斐・秋田・渡島とかを付けて呼称されているようである。「烏帽子」の場合はどうなのであろうか。母袋とかノケは本にも記載されているので問題はないが、今年登った阿蘇などは勝手に「阿蘇烏帽子」などと記述してしまった。今回は「伊那松川烏帽子岳」とでも言えば良いのだろうか?

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