茶臼岳・上河内岳

聖岳・上河内岳・茶臼岳
イザルヶ岳から聖岳・上河内岳・茶臼岳を望む
富士山
イザルヶ岳から富士山を望む

【日 時】1999年 7月17日(土)
【天 候】晴れ
【山 名】茶臼岳(2604m)・上河内岳(2803m)
【山 域】長野・静岡
【ルート】 (5:30)光小屋--(5:40)イザルヶ岳--(7:30)易老渡岳--(9:30)希望峰
--(10:30)茶臼岳--(13:00)上河内岳--(13:30)南岳--(14:30)聖平小屋
【所要時間】】9時間00分
【メンバー 】単独


素晴らしい朝を迎えた。昨日の夜から空は晴れ渡った。小屋の中で自炊をしていると日の出となった。小屋の人の話では、「本日の天気は良い」とのことであった。聖平まで行く事を告げると、「3時までに着かないと賄いはない」「茶臼くらいを中間点に見立てていけば良い」「上河内あたりでは、目的の小屋がみえているのでヤレヤレという気持ちになるが、南岳の登り返しがきつく危険な箇所もあるので注意するように」とのアドバイスを受けた。早い人は4時頃から出発していった。5時までには宿泊者は全て出払って残っているのは私のみとなった。水場の横から昨日感度はあったが、かけられなかった携帯電話をかけた。5時30分出発する。往復10分の案内のあるイザルヶ岳によって写真を撮る。朝日に聖・上河内・茶臼が頭を出し少し離れて富士山が美しいシルエットで控えている。残念なのは20万分の一の地図を持って来なかった事で、深南部の山岳同定ができない。

水場で顔を洗い、三吉平までは一気の下りである。易老渡岳までは昨日の往路である。三吉平から一つ目のピークを越えた見晴らしの利くところで先発のグループが休んでいた。少し先で私も一服し易老渡岳への登りにかかる。易老渡岳で一息入れているとグループが来たので先を急ぐ。

仁田岳
仁田岳
一気に下って暫く進むと先方に仁田岳が見えてきた。かなりの距離があり2時間以上はかかりそうであった。アップダウンを繰り返しながら、気持ちの良い原生林の稜線を進む。鹿のヌタ場というようなところが至る所にある。軽装の登山者に出会う。希望峰の登りにかかる頃になると左手にこれから目指す茶臼岳の稜線を歩く登山者が目につくほどになる。登り詰めた希望峰は仁田岳への人達のザックがデポされていた。茶臼方面からの登山者が多くなってきた。


茶臼岳
茶臼岳
希望峰を下ると、視界は一気に開け、日差しが強く感じられる。仁田池からガレ場となる。ガレ場は岩場となり登り詰めた所が茶臼岳山頂であった。聖をバックに記念写真を撮ってもらう。ここから望む上河内岳は実に優美で私の好みの山容をしている。が、後に控えている聖岳の圧倒的な存在を前にしてはその存在感も薄れてしまう。山頂は単独行が食事を採っていた。ゆっくりしたいが、上河内岳への登りも厳しそうなので、すぐに出発する。


上河内岳の前にあるなだらかな丘陵を越えていくと思っていたが、道は左に捲き大きく下っていた。少し登り返した辺りが平原となっていた。ここで雨がポツリポツリ落ちてきたので、休みがてら昼食休憩とする。一時、上河内岳も見えない状態になり、雨具も取り出したが降り出す気配もなさそうであった。地図を見るとお花畑との案内であったが花は少なかった。

聖岳・上河内岳
聖岳・上河内岳
お花畑を抜けると岩屑の道となる。先程までの雨はどこへやら、ガンガン太陽が照り付けてきた。岩場に褶曲模様のある竹内紋の写真を撮る。左下には目的地の聖平小屋の赤い屋根が望まれるようになるが、どれくらいの距離があるのか検討がつかない。疲労も加わり辛い登りになった。岩場のピークを越えても、急な岩屑の道は続いていた。上河内岳と聖平の分岐に着いた時は、暑さも加わりヘトヘトの状態となった。ザックがデポしてあった。カメラのみ持って登る。若いペアが降りてきた。上河内岳山頂からの聖岳はとてつもなく大きな壁以外の何者でもなかった。聖岳の肩に赤石岳も望まれた。東側の畑薙ダムや富士山も望まれた。互いにリンクの交歓をしているHP「陣場山からの便り」の大森様から後にメールを頂いたが、丁度この頃、富士山剣が峰に登られ日本百名山達成されたとのことであった。


3時までに聖平小屋まで着くため道を急ぐ。上河内岳への登りで体力を使ったため、南岳への少しでの登り返しが辛かった。ガレ場の淵を通るところもあったが、心配したような箇所はなかった。樹林帯に入る。若干ではあるか、登っているところもあり疲れた体には長く遠い道となった。木道が敷かれた聖平が樹間から見えたときはホットした気持ちになった。

赤い屋根の聖平小屋に到着。宿泊手続きを済ませる。夕食・朝食の時間はともに4時半であるとのこと。賄い付きは3時までと聞いていたが後から来た人も申し込んでいた。当初場所は自由にして下さいとのことであったが、夕方4時前8名ほどの団体が入ってきて、従業員から場所を開けるよう依頼があった。ある男性が、2階の部屋が全く使われていないので、そちらを使ってはどうかといったことで、小屋の管理人らしい人と口論になった。その人は「我々の税金を使った県営の施設なので、遥々山道を登って来た人にゆったり寛いでもらうべきだ」と言っていた。反面「人手の少ない小屋にとって清掃などを合理化したいところもあるとは思う」とも言っていたが、結局2階を開けることになった。

食事では、便ヶ島から来た神戸の人と互いに情報交換した。「西沢渡あたりではヒルに注意すること。」「野猿は増水の時、役にたつもの。」などの情報を得た。バイオトイレは準備中で普通の以前からあるものを使用した。

聖平小屋は昨日より営業開始したばかりであり、小屋の人達にとって本日は大勢の客が泊まる初仕事でもあったようだ。比較的ゆったりしたスペースを占めることができたが、大勢の人達と眠るのは難しい。昨日の光小屋が夢のようであった。

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