聖岳

聖岳
上河内岳から聖岳を望む

【日 時】1999年 7月18日(日)
【天 候】晴れ
【山 名】聖岳(3013m)
【山 域】長野・静岡
【ルート】 (5:00)聖平小屋--(5:30)分岐--(8:30)聖岳・奥聖(9:20)--(10:00)分岐
--(12:30)西沢渡--(13:15)便ヶ島--(14:00)易老渡==(18:00)自宅
【所要時間】9時間00分
【メンバー 】単独


本日は午前中はもつかもしれないが、午後からは天候は崩れるとの予報であった。なるべく午前中に行動を済ませるようとの配慮であろうか、朝食は4時15分からであった。宿泊者のほとんどは5時前には出発してしまった。本日は聖に登って、後は下りなのでゆっくりスタートする。

小屋から一登りするとガレ場の上の西沢渡と聖岳の分岐に出る。着替えやストーブなどをスタッフバッグに入れて木の下にデポする。ここそこに先発隊で同じようにデポしたザックが散見する。天候はポツリポツリ雨が当たる事もあるが、視界も良く風も強くなく問題なさそうであった。
小聖岳
小聖岳

ザックの中を雨具・食料のみにすると今までの重量が嘘のように感じられる。急=>緩=>急の森林帯の道を抜けると視界が開けすぐ小聖に到着する。小屋からの先発した人達が休んでいる。聖をバックに写真を撮る。高度差のない岩稜帯を進むと、左手下数メートルのところに甘露の清水がでている。ポツリポツリ雨が当たる状態であったので、重装備の人達はペースを崩させないためか、この水には見向きもせず登っていく。私は身軽でもあり、甘露の水を味わう。


聖岳
聖岳



ここからは岩屑帯の一挙の登りとなる。重い荷物を背負った縦走を目指す人達と軽装のピストン登山の人のペースが好対照である。ゆったりと休まず、一定のペースを崩さない縦走の高齢の人(単独行)の歩きが若い人を煽ってしまっている。雨具を出そうか迷っていたが、そのまま山頂まで到着してしまった。軽装なので昨日の上河内岳に比べるとあっという間の登山であった。


山頂に到着すると大きな赤石岳が目の前に鎮座していた。後ろに控えているはずの荒川岳をすっかり隠してしまうほどの大きさであった。昨年、我々は雨と風で、山頂まで行ったが山頂標識だけを見て赤石小屋へ降りてしまった。今はその全てが望まれた。赤石山頂直下にある赤石山頂非難小屋、赤石小屋、百間洞山の家、兎岳山頂非難小屋、聖平小屋などが手に取るように見る事が出来る。南アを縦走する人達の楽しみは、今日はあそこまでなど、一つ一つ小屋を訪ねて行くところにもあるのだろう。塩見の西の山頂部も望まれ、はるか仙丈岳らしいスカイラインも遠望できる。昨日まで縦走してきた光〜茶臼の方面は少しガスっぽい。中央アルプスは望まれるが北アルプスは見えない。富士山はこの山行中ずっと望む事ができた。重装備の高齢の人が話していた。「15才から登山を始め、百名山を踏破するのに50年かかった。塩見岳で百名山を達成することになる。今回の山行は北岳までの予定」とのことであった。辺りの登山者に聞いても、南ア南部に来る登山者の思い入れは相当な人が多いようだ。聖が始めての南アという人は全くいなかった。
赤石岳
赤石岳

奥聖まで足を伸ばす人は少ない。途中小さなお花畑があった。キバナシャクナゲの背が低い。三角点を確認する。悪沢岳を特徴付ける西側の落ち込みを確認する。が、やはり、その前に立ちはだかる赤石岳の薄赤い斜面があまりにも強烈であった。


小さなお花畑
小さなお花畑

聖まで戻り、雨具を着て下りにかかる。甘露水のところでオダマキの写真を撮る。すぐ樹林帯に入り、暑くなったので雨具はしまう。分岐に着き、デポした荷物をザックに押し込み、下山にかかる。


西沢渡までは一気の下りであった。上部は倒木も多く歩行し辛いところもあった。薊畑がどこだったか分からず通過。便ヶ島〜聖平 1/2という標識があった。私は、下りの場合、標準タイムより少し早いようである。1時間程を休憩の目処にするが、足に負荷を覚えないうちに、日当たりの少ない風の通る場所でゆっくり足を休ませることにしている。西沢渡あたりではヒルがいたという情報だったので、壊れた建屋付近はすばやく通過した。

野猿
野猿

さて楽しみにしていた川渡りの野猿である。和歌山県十津川村にある野猿から連想していて、もっと高度があると思っていたが、水面との高度差は2mといったところか。渡ってしまったあとで気付いたが、荷物専用の野猿だったようだ(私の場合、ザックと一緒に乗ってシートを引っ張って渡った。本来は荷物を野猿に載せて、人は徒渉で川を渡るべきだったかもしれない)。水量はそれほでなく,徒渉しても何ら問題はなかった。


便ヶ島までは平坦な道となると考えていたが、崩れたところや、捲き道などがあり結構疲れた。便ヶ島からは車道を歩いて、易老渡の車のあるところまで戻る。16日には私の車のみだった駐車場も、十数台の車が駐車していた。南アも一気に夏がやってきたようである。

ホームページにもどる