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            日常の風景   NO.0027
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盆踊りを踊る

風に乗って、江州(ごうしゅう)音頭の、
調子のいい、にぎやかな音曲が聞こえてきた。
数年前から、隣の町内で、盆踊りが復活したのだ。

昔は、わたしの町でも、青年団主催の盆踊りがあった。
わたしの町だけではなく、ほとんどの町で、
8月になると盆踊りが催されていた。

江州音頭の朗々とした詠い手の美声、響き、リズム、
踊り手の掛け声などに、郷愁のようなものを感じて、
自転車をくりだし、隣町の会場にでかけることにした。

そういえば、昔は、盆踊りが楽しみのひとつだった。
江州音頭の振り付けはきわめて簡単で、
子供のわたしにも、すぐに覚えることができた。

浴衣姿の大人に混じって、同じ踊りを踊っていると、
ちょっぴり大人になったような、高揚感を感じた。

会場である、保育園の跡地に着くと、
中央にしっかりとしたやぐらが組まれ、紅白の幕でおおわれていた。
やぐらを中心にロープにつながれた何百個ものちょうちんが、
あかりを灯し、四方に長く伸びている。

はじめは、ちょっと覗いて、すぐに帰るつもりだったが、
踊り手の「そりゃぁ、よいとよいやまっか、どっこいさのせ」
という、江州音頭独特の、掛け声を聞くと、
少年時代の血が騒ぎ、ごく自然に、会場の中に入っていった。

やぐらの上では、詠い手にあわせて、
浴衣姿のふたりの若い女性が太鼓をリズミカルにたたいていた。
やぐらの下では、エレキギターの若者が江州音頭に合わせて伴奏をしている。

会場に入ると、主催者の世話方が、
お盆に、よく冷えた缶ビールをのせ、見物人に配って回った。
遠慮なく1本いただく。

わずか、一本のビールが引き金になって、
いつの間にかわたしも踊りの輪の中に入っていた。
江州音頭なんて、子供のとき以来踊ったことがなかったが、
すぐに思い出した。

「レーレレン、レーレレン」と浪曲のような節回し、
単純なリズム、単純な振り付け、わけのわからない掛け声にのせて、
ただ、みんなで無心に踊る。
そんなプリミティブな行為が、
わたしの日常を発散させる、開放させる、太古の世界に魅き連れて行く。



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sceneryの風景

メールマガジンのオフ会というものに、
初めて参加する。

メールマガジンは読んでいても、
実際にオフ会にまで参加したという経験を持つ人は、
案外と少ないのではないだろうか。

「たびそら」というわたしが一番気に入っている
メールマガジンがある。

作者の三井君の作品は、その感性、表現力、構成力、
どこをとらえても、間違いなく、抜きに出た一級品である。
また、写真の腕もプロはだしである。

興味のある方は下記のHPに一度アクセスしてみてください。
http://www.tabisora.com/
「たびそら」の前に発行していた、「各駅停車」というエッセーも
秀抜である。

ところで、オフ会である。
最初のオフ会は、当然のことながら、集まった全員が初対面である。
この、シュチエーションは、かなり勇気がいるのは確かである。

幸い、わたしの場合は、ひとりの友人を一緒に誘うことに成功したので、
幾分かは、この緊迫感から緩和された訳ではあるが・・

会場の京都に集まったのは、10人。
若い人が多い。それも女性が圧倒的に多い。

でも、アルコールが入り、すこし話し出すと、
みんな、「旅」という共通の話題があるわけで、
すぐに打ち解ける。

旅に出て、安く上げるために、男女が同じ部屋をシェアーしたときの話とか、
モロッコで、仲良くなった現地の若者にプロポーズされた話とか、
興味深い話題で尽きなかった。



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