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日常の風景 NO.0025
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自転車に乗る
久しぶりに、自転車で出勤する。
自転車は、風を切って移動するという爽快感がある。
それも、肌触り、手触りの確かな爽快感。
まっすぐに続く路地裏の道に、夕べから降り続いていた、雨の痕跡。
大きな水溜りがところどころにたまっている。
そして、その水溜りには青空と雲とが怖いようなあざやかさで沈み、
天地の感覚を2倍以上に膨らませていた。
こんな水溜りのまん真ん中を、
自転車で走る。目を一瞬閉じる。
昔見た、ETの有名なシーンを思い出していた。
わたしの自転車は空中に飛ばなかったけれど、
気分は飛んだつもり。
次の水溜りをめがけて、
自転車を疾走させるわたしは、すっかり少年。
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sceneryの風景
普通の自転車のスピードなら、
若い頃のわたしなら、全力で走れば、
それぐらいのスピードは出せたのだと思う。
人間が、自分の能力で本能的に把握できるというスピードは、
自転車が限界なのではと思う。
同じような乗り物でも、モータバイクとなると、かなり違う。
もうオリンピックの選手であっても、追いつくことができない。
まして、自動車、飛行機となると、
もうこれは狂気の感覚に近いのではないだろうか?
でも、わたしも、もう車を手放すことはできないし、
飛行機の便利さも、人一倍利用している。
現代文明の狂気の部分は、もう手のほどこしようもないが、
ひとりひとりが、そのことにある種の畏れのようなものを感じるようになれば・・
ある種の畏れ。
それは、科学でも、経済でも、政治でも定義できない。
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