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            日常の風景   NO.0090
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石垣の鏡餅

中堀の石垣に、2本の長いはしごが立てかけられている。
銀色のはしごは朝陽を弾きかえして、きらりとひかっている。

はしごの中ほどで、朱色のヘルメットをいさましくかぶった、
作業員の人が、大きな鎌を左右に振るって、
石垣にはえている、つる草を薙いでいた。

すでに作業を終えた石垣と、これから作業がされる石垣とでは、
印象がまるで違う。

ひびが無数に入り、青かびにおおわれ、打ち捨てられていた鏡餅が、
丁寧に水洗いされ、餅の生地がつるりと現れたというような感じ。

石垣の上に林立し、お堀の水に触れんばかりにしなる桜の青葉は、
鏡餅に供えらたウラジロの葉に見えないこともない。

お城を管理する作業員の人たちのがんばりで、
石垣は、本来の古色蒼然とした、歴史の重みをよみがえらせた。

さっぱりとした石垣に桜の若葉がたれさがり、
ときおり吹く風に、石垣にはりついた、木漏れ日が、
微妙にその位置を変えてゆく。

わたしにとって、こころに染みる風景のひとつです。



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sceneryの風景

十数年ぶりで、シマヘビをみた。
1.5mは超えている、大きなシマヘビが、
出勤を急ぐわたしのそばを、太い胴体を器用にくねらせ、
ときおり、舌をちょろちょろと出しながら、
悠然と進んでゆく。

石垣に機嫌よく住んでいたのに、
石垣の清掃に驚き、こちら側に渡ってきたのかもしれない。

とにかく野生のヘビを見るのは、最近ではほとんどなかった。

わたしたちの子供の頃は、ヘビを見るのは、
しょっちゅうだった。
家の中でも見かけたような気がする。

子供というのは残酷なもので、なんの考えもなく、
ヘビを見かけると、罪もないのに
石をぶつけて追いかけまわしていた。

ヘビの抜け殻を見つけては、それをら振り回して、
嫌がる女の子も追いかけていた。

人間と共存して、いっぱい彦根に住んでいたヘビは
いったいどこへ行ってしまったのでしょうね。

いまでも、ヘビには生理的な嫌悪感と、恐怖があります。
それでも、やはり人間と共生していて欲しい。

ヘビはもともと縁起がいいとも言われてましたよね。
朝にヘビを見かけて「怖わ嬉し」という感じでした。



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